第871号 無所属で野党をつなぐ

2019年2月2日 (土) ─

 28日に衆院本会議で樽床伸二代議士の辞職願いが受理されたため、私が繰上補充による当選人として衆議院議員に返り咲くことになりました。来週中には選挙会の決定を経て当選証書が交付され、その後初登院となります。

◆活動は無所属で
 私は一昨年の衆院総選挙で当時の民進党決定を受け、希望の党公認で出馬して、惜敗率97%超の票を頂きながらも落選しました。希望の党では落選者の党籍についての規定はなく、すでに民進党からも離れていたため、私は無所属として浪人時代の政治活動を行ってきました。希望の党は総選挙後、小池代表の早々の党代表辞任などがあり、党内部で路線対立が生じて、結局国民民主党や新しい希望の党、無所属議員などに分裂し、党として完全消滅しました。

 私は総選挙で希望の党の候補として票を頂き、比例名簿で当選次点候補となっていました。希望の党が存在すればその議員として繰上当選となっていたのですが、もはや当時の希望の党が存在しないため、法的に無所属という扱いになります。国民民主党の玉木代表からは、私の入党を期待するとの声明が出たり、各方面から声をかけて頂いておりますが、現状を考えると、私は民主党、民進党、そして浪人時代を通じて一貫して取り組んできた、「政権交代可能な野党の結集」、「与党も含めた政界再編」を実現させるためには、今ここで即座に特定の政党に所属するのではなく、無所属議員として現在バラバラな野党をつなぐ役割に徹そうと、当面無所属で議員活動を行おうと思っています。

◆一丸の会も変わらず
 私が浪人時代に代表として立ち上げた政治団体「一丸の会」も、野党間をつなぐエンジンとなるという当初の目標をそのままに、活動を継続することを確認しました。私は国会議員として復帰した後も、代表としてとどまり、浪人の同志と協力していくことも決まりました。一丸の会の会員の多くは、来たるべき国政選挙を目指して無所属の浪人として活動しており、彼らの声を現職の国会議員に届けることも、今後の私の重要な役割だと感じています。

◆野党で戦い抜く
 国政復帰後も、当面政党には無所属の形となりますが、政策の立案や立法活動、国会質問などの、国会議員としての職責を果たすためには、一人では限界があることも事実です。

 従って、政党としては無所属でも、政策について共同で勉強会を行ったり、法案審議などで共同歩調を取ったりする、「会派」への所属については柔軟に考えたいと思っています。

 また、無所属といっても、当然ながら、野党系議員の一員として、与党自民党と厳しく対峙していく姿勢には一切変わりありません。

 今後は、無所属の自由な立場で野党をつなぎ、大きな塊を作ってその先頭に立って、来るべき解散総選挙へ向け勇往邁進して参ります。そして、政権交代を実現させる。私の政治家としてのセカンドステージが今、始まります。

 

森ちゃん日記 「変わる奈良、観光」

 一昨年に県内を訪れた観光客数は推定で4,420万人とされ、奈良市を中心とした北部観光エリアでは年間で28万人増加し、今後進めていく奈良市近郊でのホテル新設を始めとした新たな奈良の人の流れに期待も膨らみます。

 しかし、観光客の一人当たりの消費額は、宿泊客ベースで2万4,484円と前年より減少傾向にあることも明らかになりました。これは、民泊やゲストハウスの増加など、安価な宿泊施設が観光エリアにとどまらず住宅が密集したエリアにまで展開されてきたことと、団体での旅行から個人旅行客へのシフトの増加が大きな要因とされています。

 高級ホテル建設を中心にした富裕層へのアプローチと同時に、今後増設が予想される簡易宿泊施設とのバランスをどう考えていくのか。すでに住宅地で住民とのトラブルが発生していることも鑑みれば、行政が率先して観光エリアとの線引きを明確に行っていくことが求められます。それは視点を変えれば、空き家が多く高齢化が進むエリアの新たな街づくり、観光地化も含めた地域活性化としてアプローチすることで、街の息吹を取り戻す、古民家や町家と新しいアイディアが融合した奈良にしかない新しい可能性にもなるはずです。

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