第842号 今こそ国会改革が必要

2018年7月7日 (土) ─

 3日、国会改革の実現を目指す超党派の議員連盟が発足しました。

◆機能不全の国会
 今通常国会は、森友・加計学園問題や働き方改革など重要な議題を抱えていたにもかかわらず、与党の強引な運営や、行政機関による虚偽の資料提出の発覚、そしてそれに伴う野党の審議拒否などが積み重なり、必ずしも立法府、そして国権の最高機関として相応しい議論がなされているとは言えない状況です。今のような状況が続くと、国民の政治不信・無関心が広まり、それが結果として投票率の低下につながり、民主主義自体が機能不全に陥ってしまう恐れがあります。与野党の別なく、国会改革を断行することは必要不可欠と考えます。

◆国会改革に向けた提言
 国会の機能不全は、以前より指摘されてきた問題です。私も、10年以上前から超党派の議員間で勉強会を行い、2010年には国会改革の提言をまとめました。残念ながら今に至るまで提言の内容は現実化していませんが、国会改革が問われる中、あらためて以下の改革案を提示したいと思います。

 まず、国会の主な役割は「立法審査」と「行政監視」にあるところ、現状の委員会の議論ではそれらが混然と議論されています。そのため、行政上の不祥事を追及する際に政府与党が不誠実な対応を行った場合などには、野党が審議拒否を行うことで、立法審査も含めて委員会の審議がストップしてしまう事態が生じます。森友・加計問題や財務省の文書書き換え問題はその典型です。行政監視も重要な国会の権能ですが、そのために国民生活に影響を与える重要法案の審議が滞ることがあってはならないと思います。そこで、法案の審議と行政監視を議論する委員会を分離し、政府の疑惑や官庁の不祥事に対しては徹底的に追及する一方で、法案議論は並行して行える仕組みを作ることが必要だと思います。

 次に、現状、国会会期が与党の都合によって延長されたり、逆に野党が法案の審議について引き伸ばしを図り、「時間切れ」を狙うのは、国会提出された法案は、原則的にその会期が終わるまでに成立しないと廃案になるというルールがあるためです。このルールが、与野党間の日程闘争をめぐる駆け引きを招き、法案の中身についての実質的な議論を行うことを妨げている面は否めません。そこで、法案は会期ごとに廃案になるのではなく、会期をまたいで次回の総選挙まで継続して審議できるように変更すべきです。

 さらに、現状では、法案の多くは官庁が原案を作成し、政府が提出する仕組みが採られていますが、国会は唯一の立法機関であり、本来、その構成員たる国会議員が中心となった立法が行われるべきです。また仮に議員立法を提出しても、政府が提出した法案の審議が優先され、議員立法の法案は時間切れによって審議されないことが多いのが現状です。議員立法が低調な現状を打破するために、例えば毎週金曜日は議員立法の審議を優先するなど、議員立法の審議を促進するための制度を整えるべきだと考えます。

 これらの改革案を、今国会で結成された議員連盟にも提案したいと思います。国会が本来の立法府にふさわしい機能を果たすための改革を求めて行きます。(了)

 

森ちゃん日記「公正公平な街づくりを」
 全国に1134箇所ある「道の駅」は、いまや休憩所として立ち寄る場所としてだけではなく、地域の情報や特産品を知ることができる目的地として、その魅力が注目されつつあります。特に過疎地域において、県外のドライバーを引き寄せる地域活性化の拠点として、情報発信の場でもあり、地域住民との連携を図る新しいスポットとして関心が集まっています。奈良県にも西日本最大規模を誇る「道の駅針テラス」をはじめとした15駅の拠点があり、フードコート、温泉、直売所、歴史展示室などが併設されています。しかし、そんな道の駅に関する工事入札をめぐり葛城市において不正が発覚し、知人の建設会社が入札できるよう、葛城市前副市長が不正行為を行った疑いがあることがわかりました。地域による新たな街づくりの一歩が、一部の利益が優先され歪められたことに強い憤りすら感じます。

 今年に入り、富雄の第二阪奈道路沿いの中町にも新たな道の駅が作られる計画が発表されました。地域の防災拠点、公共交通拠点エリアを含めた新しい街づくりのモデルとして、富雄丸山古墳による歴史と文化を地域から発信する奈良の新しいスポットとして期待されています。県行政と地域がもう一度立ち止まり、公正公平な開かれた場で住民参加による議論が進められているのかが重要です。

第842号 今こそ国会改革が必要