第817号 北朝鮮 日本外交の正念場

2018年1月13日 (土) ─

 ミサイル発射・核実験など挑発を繰り返してきた北朝鮮が、ここにきて2年ぶりに韓国との南北閣僚級会談再開で、変化の兆しを見せています。日本が外交上埋没しかねない状況の中、我が国が国際社会でどのような立ち振る舞いをしていくべきかを考えます。

◆南北会談開催の背景
 9日に行われた南北会談では北朝鮮が2月に平昌で行われる冬季オリンピックに参加を表明し、韓国の文在寅大統領は会談後に、金正恩委員長と首脳会談を行う用意があると述べ、緊張緩和の動きが見られます。

 北朝鮮は、ミサイル核実験問題についてアメリカとの直接交渉が上手くいかず、厳しい経済制裁で危機的状況にあります。一方、韓国もオリンピック成功や国内経済への影響を避けるためには融和は不可欠です。

 そしてトランプ大統領は会談を受けて、「適切な時期と環境の下で北朝鮮と対話することにはオープンだ」と述べるなど、アメリカも南北会談を緊張緩和のきっかけとしたい意図が見えます。中国・ロシアも北朝鮮の危機が高まることを望んではいません。少なくとも現在、北朝鮮問題は国際政治において緊張緩和に進んでいると言えます。日本政府は南北会談を受けた後も、北朝鮮に最大限の圧力をもって対応する姿勢を崩してはいませんが、状況の変化に対応した柔軟かつ戦略的な外交を展開していくことが求められます。

◆日本だけができる外交とは
 緊張と緩和。目まぐるしく変わる北朝鮮を巡る情勢をどのように理解したらよいのか。ここでは、「外交」いうものの性質に着目していく必要があります。国際社会の秩序は、歴史上、「力」の歴史です。今ある国 際社会の「常識」「秩序」は、第2次世界大戦の戦勝国である、米、露、英、中、仏の5大国、すなわち国連安保理の常任理事国によって形成されてきました。

 北朝鮮の意図は、その米国を中心に作り上げられてきた国際秩序にチャレンジすることです。そのために、「核」開発は譲れないというのが彼らの言い分だと思われます。

 一方で、外交は、各国の利害や都合のぶつかり合いの場でもあります、米国では国内の好調な経済、ロシアでは3月の大統領選、中国では3月に大臣以下の幹部人事や省庁再編などを予定する全国人民代表大会、そして、韓国では来月から始まる平昌五輪。各国の思惑として3月までの北朝鮮有事はどうしても避けたいシナリオです。

 上記の政治日程が終わった3月以降の北朝鮮情勢は未だ不透明です。このまま緊張緩和が進むのか、あるいは北朝鮮が挑発行為を再開し、緊張が高まるのかは、現時点で見通すことは困難です。そのような中、北朝鮮情勢を巡り、日本外交が取るべき道は何か?上記の通り、北朝鮮の意図は、現在の国際秩序への「核」という力によるチャレンジです。一方、日本は、敗戦国として、したたかに戦後の国際社会を生き抜いてきた実績があります。

 「力」と「利害」がぶつかり合う外交の世界で、「核」という飛び道具をもって臨もうとする北朝鮮に対して、唯一の核被爆国であり、かつ敗戦国となりながらも武力に頼らずに戦後復興を成し遂げた日本だけが展開できる外交があるのではないか。「圧力」も確かに必要ではありますが、日本が外交で独自性を発揮し、存在感を示すヒントはそこにあると私は考えます。(了)

 

森ちゃん日記「新時代の幕開け」
 今年も成人の日を迎えた奈良では、昨年より50人多い14,221人もの若者が各地で集い、冷え込む奈良の冬に彩りを添えました。輝かしいその眼差しと初々しい表情に新鮮味を感じていると、ふと8年前の自分の成人式を思い出しました。 

 地元北海道での成人式は、市内の成人式とは一味違い、新成人の数も60人ほどの中、ほぼ全員が幼馴染のような付き合いのため、成人式というよりは親戚の結婚式の集まりのような雰囲気に、会場では誰一人盛り上がれなかった事を覚えています。その2ヶ月後の3月が、東京でインターン活動を通して馬淵澄夫と出会った2010年の冬でした。成人式を前後に私にとって特別な時間軸だったのだと、いまこそ強く感じています。

 懇親会の場では、友人と冬休みの過ごし方について話題が挙がり、インターン活動の話や、そして、これからの人生について期待と不安が交じり合いながら、夏から本格化する就活の話で朝まで盛り上がった思い出があります。

 昨年春に卒業した奈良県内の大学生の就職内定率は、94.5%と、前年を1.1%上回り、過去20年間で最高値を記録したそうです。県内でも、全国的な人手不足による企業の買い手市場が広がりを見せ、今年も高水準となる見込みです。しかし、県内に通っている大学生の出身地が県外の人が8割という現実と、奈良県出身者が県内大学へ進学して県内に就職する割合が7.7%に留まっている事などから、生まれ育った奈良で活躍する若者の確保が急務となっています。

 今年は、奈良市制120年、また世界遺産登録から20年を迎える節目の年。また、3月24日には、平城旧跡歴史公園に観光・飲食施設や歴史資料展示館を集約した「朱雀門ひろば」がオープンし、新たな観光の拠点として期待されています。奈良市役所南側では、来年の春に向けての外資系ホテルの着工も本格化し、観光地奈良で長年課題とされてきた宿泊施設の客室数に一石を投じる流れもあります。

 また、5月1日に開院する奈良県総合医療センターは、24時間365日の救急搬送の受け入れを可能とし、奈良県行政にとっても医療・福祉・観光と大きな飛躍の一年となりそうです。

 世界では、新たなデジタル化の波が押し寄せ、AIやIoTといった次世代の新技術の活用により、第4次産業革命の到来とも言われています。

 2018年が新たなビジネスモデルの大変化の一年となり、奈良県の次世代を担う若者にとって、“魅力ある奈良”が世界に向けて発信されるよう、期待していきたいです。

第817号 北朝鮮 日本外交の正念場