第818号 野党結集 それでもなお

2018年1月20日 (土) ─

 通常国会召集を22日に控え、希望の党と民進党の間で統一会派の結成が模索されました。しかし、合意直前でまとまらず、当面見送りとなりました。

◆統一会派は「野合」か
 野党が一つの大きな塊とならない限り、国会論戦はもとより、来年の統一地方選や参院選で巨大与党に打ち勝てないことは明白です。また、候補者擁立の時期を考えると、野党結集のタイムリミットは今年の春であると私は考えています。その意味で、野党結集の第一歩となるべき希望の党と民進党の統一会派の結成が先延ばしになり、通常国会前に出鼻をくじかれる形となったことは非常に残念です。

 野党統一会派結成については、数合わせの「野合」だとの批判があり、統一会派結成に反対する一部の議員からも、「理念・政策の全く異なる党とは組めない」との意見が出ました。しかし、私は旧民進党から分裂した各党は、基本的に理念・政策の方向性は同じであり、結集は「野合」ではないと考えます。

◆憲法と安全保障 一致は可能
 先の衆院選で民進党が分裂した際、憲法と安全保障に関する姿勢が各党で大きく異なると言われましたが、そこには多分に誤解が含まれています。

 希望の党は、安倍政権下で成立した安保法制をそのまま容認するのではないかとの質問も多く頂きましたが、民進党議員の合流に際し、「憲法にのっとり、適切に運用する。不断の見直しを行い、現実的な安保政策を支持する」との公約を掲げていました。これは、違憲の疑いのある安保法制は見直しが必要だが、現実的な安全保障の議論は積極的に行うとしていた民進党、そして、立憲主義を重視し、憲法に反する安保法制は容認できないとする立憲民主党の姿勢と概ね一致するものです。

 各党が現憲法の平和主義を尊重し、専守防衛の原則を堅持し、安保法制も違憲と指摘された部分の削除など抜本的見直しを行うことの合意は十分可能と考えます。

 また、各当とも現行憲法を尊重しつつも、憲法改正を一切否定しているわけではありません。憲法9条にとどまらず、仁権や国会、地方自治のあり方など、未来志向の幅広い憲法議論を進めていくことにも合意は得られると考えます。

◆感情乗り越え結集を
 憲法・安保以外でも、生活者・労働者の視点を重視した改革を進める点では各党の方向性は一致しています。

 従って、一部の議員の主張を除いて、旧民進党系の各党主張に根本的な相違は見られず、一つの勢力としてまとまることは決して野合ではなく、統一会派を目指す動きは間違っていないと思います。

 統一会派の結成を阻むものは、政策の不一致というよりはむしろ、各党、各議員に残る「感情的なしこり」です。各議員には今一度、野党議員として国民のために何が出来るのか、そのためには野党がどうあるべきかを冷静に考えて頂きたいと思います。

 政治の力学として、政権という「公権力」を持たない野党には、遠心力が働きます。それに加え、上記のような「感情」が支配する中、野党結集は一筋縄ではいきません。しかし、たとえ修羅の道でも、野党結集は何としてもやり遂げなければなりません。私も、私の立場から、冷静な視点で野党をつなぐ活動を進めていきたいと思います。(了)

 

森ちゃん日記「SNS教育」
 先日、高校からの郷友が奈良まで訪ねてきてくれました。北海道で小学校の教員をしている彼は、学生時代からヒッチハイクの旅をするアウトドア派で、スマートフォンに頼らずに街ゆく人に直接地元の情報を聞きながら、時には出逢った方のご自宅に泊めてもらうこともあるらしく「その土地の人を知ること。これがその土地を知る上で一番の近道だ」とどこか自慢げに話す少し変わった先生です。

 教育への思いを熱く語り、最近の子ども達は情報社会の中に埋もれて誰かと関わる事に対して消極的な一面を見せる時がある、と私達が過ごしていた時とは全く別世界の日常があることを教えてくれました。

 ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の発達で、直接会って話さなくても登録された利用者同士が交流でき、ボタン一つで世界中の人と繋がる時代となりました。同時に不特定多数の利用者とコミュニケーションを取るため、子供から大人までが垣根なく、同じ趣味や同じ地域に住むコミュニティーづくりの場が急激に広がりました。しかし、同時に社会的リスクとも簡単に繋がってしまうため、いじめの温床や痛ましい事件に繋がる事案が発生するなど、SNSを利用する事が過剰に孤独感や不安感を高めてしまい、心の健康に悪影響を及ぼしているそうです。一部の人間によって作られるそのような問題が、本来持つべき利便性を打ち消してしまう現状から何をどう守っていくべきか。こうした、人との繋がりの電子化が進む中で、私達利用者が自らモラルを持って安全を守ることが最も重要ですが、若年層にとって、それが正しい情報かを判断するには難しく、端末による規制や小学校などの学校教育の現場でも積極的に情報リテラシー教育を指導が当たり前の時代になったのだと強く感じました。

 指導力には地域によっても格差があり、行政と教育機関が上手く連携して地域全体で子供たちを守っていこうと取り組む学校は、都市部よりも郊外に多いようで、学校と地域との距離感も非常に重要なのかもしれません。SNS上では、そのコミュニティの選択肢の中で、簡単に都合の悪い部分を排除できてしまうため、物事へ正面から向き合う機会が減り、相手の感情や心情までを無視したコミュニケーションが当たり前となる前に対策が必要だと強く感じます。

 奈良で活躍している姿をこの目で見たかったと会いに来てくれた、この時代と逆行するかのようにたくましく生きる彼から、電子化では伝わる事のない心のあたたかさと励ましの言葉を大切にしていきたいと思います。

第818号 野党結集 それでもなお