第468号 「あかつき」失敗に思う

2010年12月11日 (土) ─

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8日、日本初の金星探査機「あかつき」を金星の周回軌道に投入することに失敗したことを明らかにしました。日本の惑星探査機としては1998年の火星探査機「のぞみ」に続く2基目ですが、いずれも惑星の周回軌道への投入に失敗したことになります。

 他方で、今年8月、北朝鮮のミサイル発射を契機に打ち上げられた政府の情報収集衛星のうち、夜間や曇天でも撮影可能なレーダー衛星が故障し、運用できないことが明らかになりました。情報収集衛星はレーダー衛星と、光学衛星の2種類からなり、双方2基ずつの計4基がそろうと、地球上のあらゆる場所を24時間以内に最低1回は監視できるようになります。

 レーダー衛星はこれまで打ち上げられた2基とも設計寿命よりも前に故障してしまい、現在は昼間のみ撮影できる光学衛星のみにたよっている状態です。

 専守防衛の我が国にとり情報収集は防衛政策上非常に重要でり、一刻も早い体制整備が望まれます。この問題に対処するため、政府は10月8日に閣議決定した「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」の中で、安全保障及び危機管理に必要な情報収集の確実性を高めるため、情報収集衛星体制の整備を強化するとし、188億円を今年度の補正予算に計上しました。

 一方で、今回、金星への軌道投入に失敗した「あかつき」の打ち上げに伴う費用はこれを60億円以上上回る250億円とされています。打ち上げに伴いJAXAは、「あかつき」に搭載する名前とメッセージを募集するキャンペーンを実施し、これらのメッセージのデータを「100枚のアルミプレートに白黒で印刷し、ベーキングなどの処理を行ったのち、バランスウェイトとして機体に取り付け」たとしています。宇宙開発に夢を持つことも分かりますが、この施策のために多額の国費が投入されている事実を思い起こさなければなりません。これまで政府は国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」に7000億円の巨費を投じてきました。さらに維持管理に毎年400億円もの費用がかかる一方で、宇宙飛行士の生活風景等は目を引きますが新素材や新薬開発に直結する成果は伝わってきません。国の財政がひっ迫している状況下で日本の宇宙開発のあり方が問われています。衛星や探査機を打ち上げる、そもそもの目的は何か、その目的が国益、国民生活の向上にどれだけ役に立つものなのか、費用に鑑みて妥当な政策なのかを改めて吟味する必要があります。

 衛星等を打ち上げることが日本の技術の向上に資することは理解できますが、学者の好奇心を満足させる研究そのものを目的とするだけではなく、資源探査、台風や豪雨などの大規模災害への備えや安全保障上の必要性といった国民生活に直結する実益を伴わせる視点が求めらるのではないでしょうか。宇宙基本法では、JAXAや他の宇宙開発利用に関する機関の目的、機能、業務の範囲、組織形態、所管官庁等について検討を加え見直しを行うことが規定されていますが、早急に結論を出す必要もありそうです。(了)

 

スタッフ日記 「大晦日の恒例行事」

 皆さんは大晦日の語源をご存知ですか?「晦日(みそか)」は本来「三十日」と書き、月の30番目の日という意味だったそうですが、それが転じて月の最終日を表すようになったようです。そして「大」は、「大詰め」「大とり」に使われるのと同様「最後の」という意味。合わせて「大晦日」は1年の最後を締めくくる日を指す言葉として使われるようになったそうです。

 まぶちすみお事務所では、その大晦日から元旦にかけての大切な年間初行事として「元旦参り」があります。大晦日の夜、代議士を筆頭にスタッフ一同全員集合。ひっそりとした事務所が、俄かに賑わいます。23時50分、地元の氏神神社を皮切りに、神社寺社を一晩かけて一気に参ります。1月2日恒例の信貴山朝護孫子寺参り、仕事初め恒例の春日大社崇敬神社初詣と合わせて、1年の武運を願う年始行事に身が引き締まります。

 このように始まった今年も残り20日程。この1年間、本当に色々なことがありました。中でもやはり、3期目という若い期数で、国土交通大臣・内閣府特命担当大臣を拝命するという栄誉に恵まれたことが最大のトピックでしょう。もちろん本人の精進努力もあるでしょうが、たくさんの神仏の御加護と、何よりも多くの皆さんの応援のおかげと、我々スタッフも決しておごることなく、感謝の気持ちを忘れずに、来年もまた皆さんの下に参らせていただきたいと思います。(イケ)

第468号 「あかつき」失敗に思う