第458号 資源戦略

2010年10月2日 (土) ─

 資源をめぐり様々な問題が起きています。中国からのレアアースの対日輸出が滞り、また、イランでは国際石油開発帝石(INPEX)が、イラン南西部のアザデガン油田開発から完全撤退する方針を決めました。資源の供給が滞ることは我が国にとり死活問題です。早急に戦略を練らねばなりません。

 最近「レアアース(希土類)」という言葉を良く耳にしますが、磁石などの工業製品に使われている元素です。ハイブリッド車の高性能モーターや、液晶ガラス基板の研磨剤、DVD等の光磁気ディスクなどに使用されています。これらはまさに日本が世界をリードする製品であり、我が国経済のけん引役となっています。安定供給は非常に重要です。一方、レアアースの生産量は世界の97%を中国が占めています。中国は7月にレアアースの輸出を昨年比で約4割削減すると発表していましたが、今回中国からの輸入が一時滞ったことで、調達先を分散させる必要性がさらに認識されるようになりました。

 このような中、米国政府は9月30日、レアアースについて、中国に偏っている調達先を多様化する方針を表明しました。レアアースは最先端の戦略兵器にも使用されています。米国では安全保障や経済がリスクにさらされるとの危機感があり、早ければ10月中にも緊急計画を策定すると報じられています。

 日本の経済産業省も1日、レアアースに関する総合対策をまとめました。代替材料の開発、レアアースのリサイクル推進、新たな鉱山の開発や権益の確保、備蓄の推進等からなっており、臨時国会に提出する補正予算案に反映させる方向で検討する旨報道されています。

 レアアースは生産量こそ大半を中国が占めますが、推定埋蔵量では世界の36%にとどまります。調達先を分散させる余地はあります。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はレアアースを使わないハイブリッド車向け高性能モーターを世界で初めて開発したと発表しました。レアアースを代替する新技術の開発を促す施策も必要です。

 他方、資源に関するもう一つの大きな懸念材料がアザデガン油田からの撤退です。アザデガン油田は日本がイランで権益を持つ唯一の油田で、埋蔵量は世界最大級と推定されています。INPEXがアザデガン油田開発から撤退するのは、イランの核開発疑惑をめぐり、米国政府が対イラン制裁を進める中で、開発を継続すればINPEX自体も米国の制裁対象になりかねないからです。

 アザデガン油田の開発には様々なリスクが伴うことは以前から指摘されており、見通しが甘かったとの指摘もあります。資源確保には困難が伴いますが、特に政治的なリスクを負っている国への開発には慎重さが求められます。これまでも幾度となく日本は煮え湯を飲まされてきたはずです。資源を外交カードとして使ってくる国が現に存在してきましたし、そういった国に日本が資源を依存することが日本の外交力を削ぐことは容易に想像がつきます。これまでの資源開発に至る経緯を検証し、将来の資源戦略に生かさねばなりません。(了)

 

スタッフ日記「日常@国会事務所」

 大学も不易塾も共に一年生の国会事務所のインターンです。インターンを始めて早二か月、事務所の方には政治のことに始まり、社会常識やスポーツ関連まで、幅広く教えて頂いたり、雑談したり、時に注意を受けつつ楽しくインターンさせて頂いてます。

 今回は、まぶちすみお国会事務所の他の事務所とちょこっと違う点をご紹介します。 まず、お昼ご飯、お昼=鍋です。もちろんこの夏も作りました。スーパーまでの買い出しはインターン担当。野菜やお肉を切るのもインターンが、そして肝心の味付けは事務所の方がシェフとなってして下さいます。出来上がったお鍋は代議士を含むスタッフみんなで「熱い、熱い」と言いながら囲みます。多い日には13人の大所帯。代議士といっしょに、いろんな話をしながら昼食を食べることが出来るのはとても珍しい経験だと思います。鍋のメニューもメインの豚肉や鶏肉がつかるスープの味と従えるお野菜を変えてバリエーション豊富に登場します。時には残ったミネストローネがトマトリゾットやカレー鍋に変化をとげたり、とエコな面も忘れません。

 もう一つは土足厳禁。せっかく綺麗な会館になったのだから、綺麗に使おう、とのこと。お客様には時折面倒をかけていますが、パンプスからスリッパに変わり足元がとても楽チンです。

 そんなまぶち国会事務所から愛を込めてスタッフ日記でした。(ジャスミン)

第458号 資源戦略