第457号 為替介入

2010年9月25日 (土) ─

 金融市場は、日銀法改正やインフレ・ターゲティングにまで言及し円高対策や金融政策についてより強行と見られていた小沢前幹事長が民主党代表選で敗れたことで、円高が加速すると踏んでいました。14日には1ドル82円台まで円高が進みましたが、ここでサプライズが起きました。政府が6年ぶりに為替介入に踏み切ったのです。意表を突かれた市場は急反発し、前日より2円以上円安に振れ、株価も輸出企業にとって有利となる円安を好感し前日より217円も上げました。

 米欧とも自国企業の輸出に有利な円安容認で、日本の単独介入にならざるを得ないことから効果を限定的と捉える向きもありますが、限定的だからといって何もしなければ、日本の独り負けが続行することを意味します。また、6年前に繰り返し市場介入を行ったころに比べると市場規模は2倍近くまで大きくなりました。「単独介入は、大海原にバケツで水をまくようなものだ」と効果に懐疑的な見方もありますが、今回の介入に一定の効果があったことは結果が示しています。

 今回の為替介入は率直に評価できます。特に日銀が非不胎化介入に踏み込んだことは大きな前進です。非不胎化介入とは政府がドルを買うための代金(円)を市場に放出したまま回収しないことです。これにより市場の円マネーが増加し、金融緩和効果が期待できるのです。金利が低下しさらに円安を後押しすることになりますし、何より日銀が金融緩和の姿勢を示す市場への明確なメッセージとなります。しかし今後の米国の動き次第ではさらなる円高圧力が加わる可能性もあります。

 この効果を一時的なものに終わらせないためには併せ技で日銀が金融緩和を行うことが条件になります。1995年の円高の際は日銀も協調利下げを行ったため100円台まで押し下げることができました。これについては、「あの頃は金利が今より高く、政策金利を下げる余地があったが、今はほとんどなく、金融政策の余地は少ない」と見る向きもありますが、これは間違いです。金利には名目金利と実質金利があります。今低いと言われているのは名目金利です。実質金利とは名目金利からインフレ率を差し引いた値で、実はこの値に連動して市場は動くのです。日本はデフレであるため、この実質金利は名目金利よりも高くなるのです。米国の方が金利が高いのに円高になるのは日本の実質金利が高く、市場が実質金利に注目しているからにほかなりません。

 名目金利を下げる余地はあまりありませんが、実質金利を下げる方策はあります。即座にできることは国債の買いオペの量を増やすなどして量的緩和を行い、市場にマネーを放出することです。円売り介入で投入した資金を市場から回収しない不胎化政策をとりつつ、量的緩和策などの強力な金融緩和策を同時に行う必要があります。白川日銀総裁は介入に当たり、「強力な金融緩和を推進し、潤沢な資金供給を行う」とこれまでにない踏み込んだ談話を発表しました。これまでの金融緩和に消極的な姿勢を改め、言行一致となることを望みます。(了)

スタッフ日記「がんばれ まぶち!」
 代議士がとうとう大臣になられてうれしい反面、遠くに行ってしまったように感じている方も少なくないのではないでしょうか。実は私もその一人です(笑)

 私はこの夏、大学の夏季休暇を利用して約二カ月のインターンシップを経験している大学生です。身近であるにもかかわらず敬遠しがち。距離を置きがちな政治という物を、肌で感じる事で少しでも理解したい、距離を近づけたいという理由からこのインターンを始めました。しかし、いざ議員会館に入り国会事務所の中で、代議士の人柄に触れ、仕事ぶり、日々の姿を見ると、もはやインターンを始めた当初の目的よりも代議士に少しでも頑張ってもらいたい、応援したいという気持ちが強くなり、気が付けば代議士の魅力に惹きつけられていました。議員と言う仕事、ましてや副大臣(前職)と言う役職は大変忙しく、自己のことなどはなかなか考えられないなか、国民や応援してくださる支持者の方々のために、文字通り一生懸命働く人間を見て魅力を感じない人はいないでしょう。

 そんな人間的な魅力を持つ代議士だからこそ、日本のトップに立ち、日本を、世界を引っ張って行ってほしい。せっかく私の人生の中で指針となる人に出会えたのに、大臣になられどんどん遠くに行ってしまうような寂しさもありますが、私も代議士に負けず、階段を駆け上がりますっ。頑張れ馬淵っ!応援してるぞ馬淵っ! (カックン)

第457号 為替介入