第1119号 岸田サイクル 負のループ

2024年3月9日 (土) ─

 2日、異例となった土曜日の予算委員会集中審議で、私は岸田総理に自民党裏金問題と、政倫審における総理の発言を質しました。

◆異例の土曜開会
 審議が土曜となったのは、政倫審における自民党幹部の弁明を経て、これで問題は終わったといわんばかりに政府与党が予算案強行採決も辞さない構えを示したことが要因です。

 脱税の疑いがかけられている裏金問題を放置したまま、国民の税金の使い道を決めてしまうことは、国民に適切な納税をお願いする立場からあってはならないことです。

 結局、数の力で2日土曜日の衆院本会議での予算案採決が決まり、われわれとしては、急きょ決まった予算委審議において言論で戦う他はありませんでした。そして、予算委審議が決まったのは前日の夜9時過ぎと、日程が非常にタイトで、徹夜での準備を余儀なくされました。

◆命名「岸田サイクル」
 質疑に臨むにあたって、私は岸田総理の行動に法則性があるという仮説を立てました。

 それは、
①威勢の良いことをぶち上げる
   ↓
②具体的な解決策の実行については放置
   ↓
③状況が悪化し、追い込まれる
   ↓
④世間を驚かせるサプライズを発表する
   ↓
⑤単なるサプライズに過ぎず成果ゼロ
(そして①に戻る)
というサイクルを辿るというものです。私はこれを岸田サイクルと名付けました。

 裏金問題についてこの法則を検討すると、
①裏金疑惑発覚後、火の玉となって取り組むとぶち上げる
   ↓
②そのまま放置
   ↓
③続々と関係者が立件されて追い込まれる
   ↓
④自民党の派閥解消を突如宣言する
   ↓
⑤派閥によっては残存し、「勉強会」は許容され得るなど、何の解決にも至らない
というサイクルが見られました。

 今回の政倫審についても、
野党が裏金議員の出席の下、政倫審の開催を求める
   ↓
①総理は国会が決めることと我関せずの姿勢
   ↓
②裏金議員の出席をめぐるゴタゴタが続く
   ↓
③予算案の衆院通過期限が迫り追い込まれる
   ↓
④突如として総理自身が政倫審に出席するサプライズを表明
   ↓
⑤結局、具体的事実は明らかにならず成果ゼロ」というサイクルを辿りました。

 総理は質疑でこのサイクルにつき、のらりくらりとかわし続けるだけでした。

◆岸田サイクルを断ち切る
 もう一点、総理は自らの在任中は政治資金パーティーを行わないことを宣言しましたが、各閣僚にも開催しないよう指示するかを問いただしました。総理が責任を感じて開催しないことをぶち上げた以上、全閣僚も総理にならってパーティーは行わないとするのが当然です。

 この件に関し、総理は、各大臣は大規模なパーティーの自粛を求める大臣規範に従ってもらいたいとする旨、答弁しました。これはつまり、総理自身が大臣にパーティー禁止を指示するわけではないということです。

 これも結局、威勢よく自らのパーティーは行わないことをぶち上げたは良いが、他の自民党議員は野放しで成果無しという岸田サイクルの一つと言えます。

 政倫審で裏金の詳細も解明されなければ、裏金の温床となったパーティーも、抜け道だらけで許容というのでは、政治とカネの問題解決についてゼロ回答です。

 こんなことを放置したまま、政治を進めるわけにはいきません。われわれは野党第一党として、この岸田サイクル負のループを断ち切らなければなりません。予算案はまだ参議院での審議が残っていますし、自民党の裏金議員は80名以上にも上ります。引き続き、事実の解明と、パーティー全面禁止を含めた政治改革の実現に取り組みます。

 

スタッフ日記「柚子の木」
 今年も裏庭に植えた柚子の木に沢山の柚子がなりました。
葉のグリーンと柚子の黄色のコントラストがなんとも新鮮で爽やかさもあり、窓越しに眺める景色は特別です。

 この木は、今から15年前、ホームセンターに花の苗木を見に行った時、たまたま端の方に寂しく置かれていたものです。40㎝ぐらいの枝に小さな柚子の実が一つなっているのを見つけ、これは絶対実をつけるだろう、と選んで早速植えることにしました。

 いつもは木を植えても実がなるかどうかはわかりませんが、すでに実をつけている木を選んだから、絶対になるという自信がありました。

 最初の数年は実を付けなかったのですが、この期間は実がなる為の準備期間だったのでしょう。日増に枝は太くなり、次の年には柚子が少しなり始めました。

 月日がたつにつれ、枝も随分成長し、期待通り毎年柚子は20個、40個、50個と順調に実を付けるようになり、今年は気が付けば200個余りなっていました。そして、柚子の木そのものは高さ3メートルほどになり枝も立派、見事に成長しました。不思議なものです。

 実をつけ、収穫出来る苗木を植えて育てるのは楽しいものですね。

 ただ、柚子の木に思う事、実(み)は沢山なりお見事、でも少々小ぶり、それが残念! あの柚子の実が大きかったとしたら見事だろうなぁと欲深い感謝を忘れた私がいました。

 昨年は全部収穫せず春を迎えてしまったけれど、今年は少し、柚子大根、柚子ジャム、と柚子の爽やかさを生かして楽しんでいます。柚子様に感謝です。(ムーミンママ)

第1119号 岸田サイクル 負のループ