第1042号 岸田“統一教会”内閣

2022年8月20日 (土) ─

 10日発足した岸田改造内閣は統一教会との関係で支持率が低下する中での苦し紛れの前倒し改造でしたが、逆に明らかになったのは、自民党が旧統一教会と全く関係のない国会議員で内閣や党執行部を編成することは不可能だということです。

◆約半数が統一教会
 統一教会隠ぺいのための改造と言われながらも、蓋を開ければ大臣・副大臣・政務官の政府3役74人のうち、統一教会に関係していた議員は少なくとも30人、約半数に及ぶとされます。

 自民党執行部人事でも同じことが起きています。例えば萩生田光一政調会長はこれまで、教団の会合に出席したことを「意図したものではない」などとはぐらかしてきましたが、現役信者から「家族同然」という証言が飛び出すなど、親密ぶりが明らかになっています。また、今夏の参院選で生稲晃子候補(現参院議員)を伴って地盤の八王子市内の統一教会関連施設を訪問したことも報じられ、釈明に追われています。

◆「カルト」だからダメ
 ともすると「政治と宗教のかかわり方について」として報じられ、論じられることもある今回の問題ですが、その見方は全くの見当はずれです。

 憲法が保障するように、宗教を信じる事や、宗教団体と信徒がその信念に従って特定の政党を支援することなどは何ら規制されるものではありません。

 しかし、統一教会は、日本をことさらに敵視する教義を掲げ、資産や人材をむしり取る活動を行ってきた団体です。

 実際、霊感商法や、借金や自己破産を強要してまで行われる苛烈なお布施の問題は、国会でも取り上げられてきましたし、合同結婚式も、韓国農村の嫁不足解消のために、多くの日本人女性がウソの経歴をもとに婚姻を結ばされ、過酷な環境に置かれていることが北海道大学の櫻井義秀教授の研究等により明らかになっています。

 こうした違法行為を行い、国民に多大な被害を与えるような団体はもはや宗教ではなく、「反社会的団体=カルト」です。問題は「政治と宗教との関係」ではなく「政治とカルトとの関係」です。

 同じように反社会的とされる集団として真っ先に想像されるのは暴力団ですが、例えばこれが暴力団だったとしたら、集会に参加した、会費を払った、取材に協力した、というのがどれだけ問題であるか、皆さんにもおわかりになると思います。

 岸田総理は統一教会との関係を見直すことを了解した人だけを閣僚に任命したと述べて幕引きしようとしていますが、「知らなかった、これからはやらない」で済む問題ではありません。

◆速やかに国会を開け!
 あらためて統一教会のまん延が明らかになった岸田内閣をこのまま放置はできません。また、物価高やコロナ、国葬問題、安全保障、豪雨災害と議論をしなければならない課題は山積しています。

 18日に私たちは、憲法53条に基づく臨時国会召集要求を衆院議長に提出しました。憲法の規定に従えば、岸田総理は速やかに国会を召集しなければなりません。「聞く耳」を持つ岸田総理が、どのように行動するのか、私たちは引き続き国会の開会を強く求めて参ります。

 

スタッフ日記「心理学を学んで」

 私は大学で人の内側を知る学問「心理学」を学んでいます。簡潔に言うと「人の心」について解明するものです。 実際に授業で受けた中で、紙とペンを使って行われる有名な簡易的心理テストがあります。それは「紙に自分が思う500円玉の大きさを書く」というものです。

 この実験によってわかることは人の「お金の価値観」です。実際の500円玉と比べたときに、実物よりも大きく円を書いたという人は現在のお財布事情に悩んでおり、500円玉に実物以上の価値を見出しています。

 逆に、実物より小さく円を書いたという人は500円玉に対する価値が小さいと思っている傾向がみられます。

 これらの結果は、100%正しいものではありません。どちらかに良し悪しがある訳でもありません。複数のサンプルとデータを集め傾向をまとめ上げた結果「こんな傾向がある」と仮説が立てられたものです。

 ここでは仮説が立てられるまでの例を挙げましたが、価値観のように人が無意識の中で影響を与えられる問題や現象から重要な結論を導き出すプロセスと、政治の現場で有権者の皆さんの「声」から生まれる心に寄り添いながらお一人お一人に対して解決策を考えていくプロセスはどこか似ているように感じました。

 このインターン活動を通じて、心理学の視点からも政治の現場で多くの方の「声」に触れることで、みなさんが身近に抱えている不安や疑問、誰かに相談したいと感じている問題の解決のヒントを考えたいです。人の「心」と政治の結びつきについて勉強して自分の成長に繋げたいと思います。(ほりほり)

第1042号 岸田“統一教会”内閣