第1030号 「生活」の安全保障

2022年4月30日 (土) ─

 夏の参院選に向けて、立憲民主党は「生活安全保障」を重点政策とすることを決めました。

◆生活安全保障とは?
 「生活安全保障」は、国民の生活こそ安全保障の起点であるという発想に基づいています。安全保障と言うと、国家の安全保障が前面に押し出されがちで、今、ウクライナ戦争を機にした防衛力大幅強化や、それに沿った憲法改正などが叫ばれています。
 もちろん、防衛力による国家の安全保障も重要ですが、それは国民を守る一つの側面であり、国民の日々の生活に目を向け、生活を全力で守り抜くことが何より国民の安全を保障することにつながると考えています。

◆生活を守る3本柱
 生活安全保障は3本柱で成り立っています。

 まず第1が物価高対策です。急激な円安と物価高は、コロナ禍とあいまって景気を低迷させてしまいます。消費税を時限的に5%に引き下げ、ガソリン・小麦の防止等で消費を支援するとともに、月1万円の家賃補助や最低賃金を段階的に1500円まで引き上げていくことで、収入そのものを増やしていくことを並行させます。

 2番目が教育投資です。日本の公的教育支出の対GDP比順位は、先進国の中でも下位に位置し、特に小中高教育への支出は最下位レベルです。 

 また、進学熱はエスカレートし、受験を勝ち抜くための塾の高額費用、上昇を続ける大学学費など、各家庭に多額の教育負担が生じ、それが少子化につながっているとの指摘もあります。教育への投資増加は必要不可欠です。

 そして、世界では社会人がさらなる専門教育を受けるために大学や専門学校で学びを続けることはごく普通のことで、生涯を通じた人材育成がなされています。少子化を嘆くばかりではなく、大人がさらなる学びを通じて自らの価値を高めていくことが、社会における人材の充実につながります。科学研究費の倍増とともに、社会人のリカレント教育への大胆な投資と、誰もが学びやすいオンライン設備の充実などに力を注いでいきます。

 最後に、「着実な」防衛環境の整備です。科学技術研究費とも関連して、これからの防衛にはサイバーテロや情報戦への対応が重要で、これらへの対応強化が国民生活を守ることにつながります。

 今、防衛費の倍増や、敵基地を攻撃する能力の保有などが盛んに論じられていますが、最初から倍増ありきではなく、何が必要な予算かを精査して、積み上げる方式で確保していくべきです。決して勇み足にならない防衛に努めます。

◆国家観としての生活安全保障
 国は抽象的な存在ではなく、国民1人1人の生活を基礎とした集合体です。

 大所高所から国を論じるだけではなく、下からの視点で国民生活の現実に目を向け、暮らしの安全を保障することが結果として国力を高め、強い国を作ることにつながります。

 生活安全保障は、国家観を示すものです。国家観として、国作りの基本は民の生活にあること、民の生活の向上こそが政治の役割であることを示し、参院選で国民に問いかけていきます。

 

スタッフ日記「奈良時代を感じる」

 全国的に行動制限がない大型連休は3年ぶりですが、皆さんどんな連休をお過ごしでしょうか。

 この連休中、悠久の歴史を感じることができる平城京天平祭が平城宮跡・朱雀門広場にて行われます。奈良時代の歌や踊り、そして茶会や書道パフォーマンス、大和のうまいもんが勢揃いする市場など、家族連れの方も楽しむことができます。 

 私は、今回初めて3日の13時から行われる天平行列に参加させて頂きます。

 天平行列とは、平城京が反映した当時の装束をまとった天皇、侍従、兵衛隊、貴族、女官などが行列を作り、朱雀門において、少納言が平城遷都の詔を発するという儀式です。男性貴族文官として青い衣装を着て練り歩いておりますので、ぜひ見つけてください!

 先日、予行演習に参加しましたが、実行委員会の方々は、これまで奈良の行事やイベントを企画運営されてきた奈良の企業が中心です。運営スタッフの多くは青年会議所や商工会議所の若い経営者の方が多く、スポンサー企業も奈良では名の知れた有名企業ばかりです。

 奈良大学、一条高校など地元学生の参加もあり、多くのスタッフが創り上げる舞台に少しばかり緊張しております。 そんな中でも、奈良時代を全身に感じながら、天平祭を楽しみ、皆さんの努力を無駄にしないよう姿勢を崩さず、歩こうと思います。

 1,300年の歴史を超えて、奈良が一つになり、コロナに打ち勝って、地域を盛り上げていこうという企画ですので、皆さまもぜひ1度体感してみてください。(新人スタッフN)

第1030号 「生活」の安全保障