第780号 森友問題の本質

2017年3月18日 (土) ─

 国会では連日「森友学園」問題が大きく取り上げられています。

◆本質を見誤るな
 メディアでは、前理事長個人の言動ばかりが注目されていますが、この問題は、単に個人の問題に留まるものではなく、我が国が構造的に抱える問題、つまり、既得権に基づいた政・官・業の癒着の構図とも密接に結びついています。

 まず問題となったのは、国によるあいまいで不透明な土地売却でしたが、その後大阪府による学園の認可などにも問題がある可能性が出てきました。

 この問題は表層的に見ているだけでは本質を見誤ります。国政の問題だけではなく、大阪府政の問題や、業者との関係性など、徹底的な解明を行っていく必要があります。

 とくに大阪府の責任は重大です。府は森友学園の設置認可に関して、学園を私文書偽造等の罪で刑事告発する方針とも報じられていますが、まず行うべきなのは、認可プロセスや森友学園との関わりなどの自己検証です。

 例えば土地の確保は、学校の認可審査における重要事項となるため、府は国有地の処分を担当する財務省近畿財務局と協議していたということですが、その協議記録の大半を残していないと報じられています。こうした不可解な部分については、今後、大阪府自らが真相を明らかにしていかなくてはなりません。

◆稲田大臣の「虚偽」答弁
 また、見過ごせないのが稲田大臣の「虚偽」答弁です。

 稲田大臣は参院予算委員会で前理事長から「事件を受任したことも裁判を行ったこともない」と強弁していましたが、その後出てきた裁判資料から、それが虚偽であることが発覚しました。

 行政の責任者として、国会や国民への説明責任を負う閣僚の言葉は重いものです。「虚偽」答弁があったとすれば、責任問題は避けられません。

 稲田大臣は、今国会で問題となっている、自衛隊の南スーダン平和維持活動(PKO)部隊の日報問題でも不誠実な答弁を繰り返し、省内の状況が把握できていないことが明らかになっています。

 言葉を軽んじ、矛盾する事実を突き付けられると簡単に前言を覆す大臣を誰が信用できるというのでしょうか。稲田大臣には、防衛という重要な責務を担い、事実を正確に国民に説明することがより求められる防衛大臣としての資質はありません。

◆早急な真相解明を
 また16日、夫人を介し安倍総理から学園に100万円の寄付がなされたとの前理事長の発言がありました。

 これを受け、それまで前理事長の参考人招致を拒否していた自民党は「総理への侮辱」として急転、23日、衆参での証人喚問を行うことに同意しました。

 通常、疑惑解明は法的拘束力のない参考人招致を行うのが慣例ですが、与党が法的拘束力を持つ証人喚問を選択したことは注目すべき点です。

 寄附自体は違法ではありませんが、国会答弁で一切の関係性を否定している以上、これが事実であれば稲田大臣同様、総理も虚偽答弁が指摘される可能性があります。

 森友学園の背景にある問題の本質に、政府与党のチェック機能の担う野党第一党として、厳しく斬り込んで参ります。(了)

 

スタッフ日記「みかん」
 みかんの皮のむき方にこだわりがあります。中学1年の冬にリンゴアレルギーになって以来、それまでリンゴばかりだったのが、みかんばかり食べるようになりました。

 リンゴはいつも祖母が皮をむいてくれたので、自分で皮をむくことはありませんでしたが、みかんを自分でむく時は効率にこだわるようになりました。

 1週間に1つみかんの箱を空ける勢いで食べるので、違うむき方を何度も試し、インターネットで見つけたむき方も試しましたが、最高のむき方にはすぐ出会えませんでした。

 毎年、立冬から寒明けまでみかんを何千個もむき、速く、皮が一つにまとまり、少し遊び心のあるようなむき方を模索しました。

 それから3度目のみかんシーズンに、ついにお気に入りのむき方「ぞうさんむき」に出会うことができました!速く、ゴミも一つにまとまり、なおかつちょっとカワイイむき方です。

 みかんの後ろから縦に一周近くまでむき、ぞうの鼻の部分を作ります。そこから両方に残っている皮をそれぞれ一つで剥き、象の耳。ヘタを通るときに果柱の白い部分も取っておくと後で楽に食べられます。

 むいた後の皮の形がぞうの耳と鼻のように見えるから、そんな名前を付けました。

 まだまだ私のみかん歴は短いので、これからも様々なみかんのむき方を試して、より面白いむき方を考えていきたいです。春の足音が近づき、みかんの季節も終わりを迎えつつありますが、最後までみかんを楽しみます!(ぼん・ジュース)

第780号 森友問題の本質