第781号 「共謀罪」は廃案へ!

2017年3月25日 (土) ─

 政府は過去3回廃案となった「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する法案を閣議決定し、国会提出しました。

◆「必要性」はあるのか
 今回の法案は、ある種の団体が犯罪を計画した場合、そのうちの1人が資金の調達や、場所の下見など、犯罪の準備を行った段階で、計画に合意した全員を処罰できるもので、対象はハイジャックや薬物関連など277の犯罪に及びます。

 政府はこの法案を、東京オリンピック開催に向けて国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結するために必要であると説明しています。

 しかし、すでに日本では重大な犯罪を中心に、未遂や予備行為(準備など)を処罰する罪が定められているだけではなく、共謀して犯罪を実行した場合、自らが手を下していなくても罰せられる「共謀共同正犯」も判例によって認められています。

 つまり、TOC条約の基準に照らせば、現行の刑事法体系で条約の趣旨は十分に満たしているとの解釈も可能です。それにもかかわらず、なぜ現行法に加え、条約締結のために「テロ等準備罪」が必要なのかについて、政府からの明確な説明はありません。

 法律を作る根拠となる立法事実が明らかになっていない以上、法案に正当性はありません。

◆あいまいな基準
 また、この法案では犯罪の対象となる集団や準備行為について、「その他」という言葉が多用され、判断の基準が明確ではありません。

 憲法31条では、刑罰法規(人を罰する法律)について、何が犯罪であるのかを事前に国民に告知し、条文を明確に定めるよう求めています。この考え方を「罪刑法定主義」と言いますが、今回の法案は、これに反する疑いがあります。

 刑罰法規の基準が不明確な場合、捜査機関などがその時その時の裁量によって法律を運用する可能性があり、冤罪による不当逮捕など、個人の人権を侵害する事態が発生するおそれがあります。

 さらに、どの行為が罪に問われるかがはっきりしないため、罰せられることを不安に思って国民が萎縮し、自由な表現活動にブレーキをかけてしまうことにもつながりかねません。

 こうしたおそれが排除できていない以上、この法案は許容できるものではありません。

◆廃案を目指す
 私は、テロ対策の必要性を否定するわけではありません。東京オリンピックや国際情勢を踏まえると、テロに対する個別の法整備は進めなくてはならないものです。

 しかし、森友学園問題でも改めて明らかになったように、我が国では行政機関による不透明な法運用が常態化しています。

 そこにメスを入れないまま、テロ対策に名を借り、権力の濫用の可能性を残した今回の「テロ等準備罪」新設法案を成立させることは大変に危険です。

 また、疑わしい点が多数あるにもかかわらず、金田法務大臣はじめ政府の答弁は真摯に疑問に答えているとは言えないものです。

 国会審議において、法案の疑義を徹底的に質すとともに、国民の権利と自由を守るための「歯止め」が無いままの本法案に反対し、廃案を目指します。(了)

 

スタッフ日記「永田町のタヌキ」
 仕事を終えての帰り道、衆議院第2議員会館の裏路地を自転車で走っているとふっと飛び出してくる影が。目が合い、思わずお互いに会釈をし、また生垣の中へ入っていったそれはタヌキでした。

 永田町に住まいを移してから1年半が過ぎましたが、実はタヌキに遭遇したのはこれで3回目です。数年前に国会敷地内でタヌキを発見、東京駅近くのオフィスビルに夜中自動ドアを通って入ってきた、など、テレビのニュースにもなるくらいたびたび東京でタヌキは見つかっています。

 タヌキの生態を追っている「東京タヌキ探検隊!」によると、永田町に出没するタヌキは皇居や赤坂御用地からやってきているそうです。

 皇居に生息するタヌキについては、天皇陛下が共著で発表された平成20年と平成28年のタヌキに関する論文に詳しくまとめられています。それによると、皇居には多様な自然環境が残っていて、3638種の動物が生息し、1366種の植物がみられるそうです。

 この論文を拝見して私が思わず、ほぉー、っとなってしまったのが論文著者の住所です。「東京都千代田区千代田1-1 御所 明仁」、陛下の署名を論文ではこう書くんだなぁーと感心してしまいました。

 ちなみに、東京でタヌキに出会う確率は0.001%、日本人が80年間宝くじを買い続けて1等が当たる確率0.00797%と飛行機に乗ったときに墜落する確率0.0009%の間くらいだそうです。

 3回も見ているんだから、4回目に遭遇したときは宝くじを買ってみます。是非とも当たって欲しいです!!(ハム)

第781号 「共謀罪」は廃案へ!