第512号 バックエンド勉強会

2011年10月29日 (土) ─

 8月の代表選挙では、原子力の問題について他のどの候補よりも積極的に発信をしてきたという自負があります。とりわけ、「脱原発依存」と「脱安全神話」はこれからのエネルギー政策、原子力政策の基本をなす考え方だと思っています。しかし、原発を止めろ、止めるな、の二者択一ではなく、我々国民が原子力と向き合っていかなければならない最大の理由として、私は「バックエンド問題」を掲げてきました。そして代表選挙から2か月経ち、ようやく落ち着きを取り戻した中で、バックエンド問題勉強会を立ち上げました。

◆バックエンド問題とは
 私たちは原子力発電所の事故による放射性物質の汚染拡大の危険性と脅威を、福島第一の事故でいやと言うほど実感することになりました。しかし、原子力発電所は事故がなくても使用済核燃料という廃棄物を生み出します。使用済核燃料は、プルトニウムを含む高レベル放射性廃棄物です。この使用済核燃料の扱いをどうするかが原子力のバックエンド問題です。

 自民党政権下では、この使用済核燃料を「リサイクル」するという核燃料サイクル路線を突っ走ってきました。その結果が高速増殖炉「もんじゅ」であり、六ケ所の再処理工場です。 

 しかし、そのいずれもが膨大な税金や電気料金が投入されてきているにもかかわらず、計画とはほど遠い現状です。そして、全国の原子力発電所にはこの使用済核燃料が今も燃料プール等に保管されている状態でありその量は1万3530tU(トンウラン)に及びます。これは事故の起きた福島第一にあり、危機にさらされた使用済核燃料の7.4倍に相当します。

 「トイレのないマンション」と揶揄(やゆ)された原子力発電所の廃棄物処理について、エネルギー政策をゼロから見直さなければならない今こそ、「原子力バックエンド問題」として政治が正面から向き合い、あるべき方策を検討すべき課題なのです。そして、それは私たち国民全員が傍観者ではいられない問題なのです。

◆政府の大綱見直し
 政府は、代表選挙が終わった直後の8月30日に一年後を目途として、自民党時代の05年10月11日に決定した「原子力政策大綱」の見直しを発表しました。

 この原子力政策大綱は8条委員会である「原子力委員会」が「今後10年間程度に進めるべき原子力政策の基本的な考え方」を示したものであり、同時に当時の政府がこの政策を基本方針として原子力の推進を閣議決定したものでもあります。

 この大綱の下、使用済核燃料の取り扱いにかかる検討を通じて「核燃料サイクルの基本的な考え方」を策定し、今日に至っているのですが、新大綱の策定はこれを根本的に改めるものになるのか、それとも再度現状を追認しながら現行の再処理路線を踏襲していくかが問われる、極めて重要な見直しです。この「大綱」の見直しに先立って、勉強会として政府への提言を早期にまとめ、提示し、国民的議論にしていきたいと思っています。

 次の代表選挙に向けたグループの立ち上げだ、などと心無いメディアの発言もありますが、まったく違います。私は、淡々とそしてぶれずに政策本位で行動してまいります。(了)

 

スタッフ日記「悩んで先送り」 
 僕の車の屋根は布地です。猫にとっては絶好の居場所らしく早朝と晩、いわゆる「おはよう」「ただいま」の挨拶らしき交信をしています。

 たいていは僕の気配が猫を起こし、アイコンタクト。

 車は日差しも差し込む駐車場に置いてあるので陽が短くなる秋冬はどうやら昼寝もしてるようです。というか、確実に寝てます。毛が増えているから。

 今朝も挨拶したかどうか忘れるほど当たり前のような日常です。

 餌もあげてないし、けっして優しい眼差しをかけていることもありません。

 猫は、去年いた猫とは違います。およそ1年単位、もしかしたら半年単位で、大きな猫、可愛い猫、ふてぶてしい猫、黒い猫、白い猫…、猫は現れては消え、気がつけば別の猫が占領しています。もう10年近く。

 2回だけ追い払った事があります。1回は屋根で爪をこれでもかと研いでいるのを目撃した時。もう1回は猫が言葉を喋り、「助けて、私、毒にやられたの」と僕に語りかけた夢を見て目覚めたら、実際屋根の上に吐いたモノがもっこりあった翌日から一週間ほど。

 まだ充分走る屋根毛だらけの車。国会スタッフになって、生活サイクルが激変。車に乗る機会も減ってきました。決してエコ車でもないですし、車検も迫っています。

 「あの家の車の屋根で寝るのが最高の贅沢?」と猫界では語り継がれていると確信している僕は、緊張した連絡事項の合間に、このことも私事として代議士に報告して一日を終えました。(pop)

第512号 バックエンド勉強会