逆転された夏

2010年7月12日 (月) ─

 長い選挙戦が終わった。結果は改選前から10議席減らす大惨敗を喫した。厳粛に受け止めなければならない。

 この選挙戦、26都道府県、170箇所を巡り移動距離は実に2万5千キロ弱。閉会直後のマニフェスト発表会見、6月末の還付に関する報道など節目節目で空気の変化を感じながら、支持層といわれる方々のうつろう心を肌で感じた。

 動員などのない山間の農村地で、あるいは静かな住宅街で、時にはシャッター通りを人々がまばらに歩く小さな町で、マイクを持ち候補者と時には候補者不在のまま訴えた。選挙現場を徹底的に走ったと思う。

 人々の定まらない視線と思案げな表情に、これは相当厳しいことになるぞ、と危機感を抱いた。

 このままでは大変なことになる!、とばかりに地元の奈良へも飛んで帰ったのが7月初。地元のみならず全県への引き締めを県連代表・幹事長にも要請し、また全国行脚へと向かった。

 優勢とされていた選挙区が次々と逆転されていく、あるいは迫られていく様は、あの郵政解散の悪夢を一瞬記憶からよみがえらせるものでもあった。しかし、2005年と大きく違うのは、自民党への支持が高まっているのではない、ということ。いずれにしても、時代として政治が大きく動くその真っ只中に
いる。

 ねじれ国会は、かつて新たな国会運営を模索する試みを議論(2008年2月6日 まぶちすみおの不易塾日記 「真の言論の府を目指して」)したこともあり、決してマイナスに考える必要はない。

 結果は結果として受け止めて、変革の時代に生きることの使命と責任の重さをかみ締めながら、一歩前へと歩みだす。

逆転された夏