解散病

2008年11月10日 (月) ─

 最近、ネットでは民主党の「解散病」とまで揶揄されるようになった解散要求アピール。

 麻生総理のハラひとつなんだからもはや、モードを切り替えましょうよ、と思うのだが立場上、執行部としては解散を煽(あお)り続けるしかないようだ。

 ふり返って先週のオバマ大統領候補の勝利。

 これは、相手を否定しない発信にあったのではないかと感じる。民主党の指名選挙では、ヒラリー候補との舌戦で苦しみながらもオバマ候補の討論・演説は時に迷いを露呈しながらも着実なメッセージへとどんどんと変化していった。

 そして、決して相手を追い詰めないオバマ候補の姿勢は、「一つのアメリカ」という「国のかたち」を明確に示すメッセージと併さって、最終的には「戦場のヒーロー」共和党マケイン候補を支持ずる保守層の取り込みを大きく推進するエンジンとなっていった。

 もちろん、サブプライム問題に端を発する金融危機、経済危機が神風となったことは間違いない。

 しかしオバマ候補は、今、アメリカ合衆国が求める大統領とは「自由と平和を守るために”戦う”」リーダーよりも「調和と新たな秩序の構築に”挑戦する”」リーダーであることを「変革=チェンジ」という言葉で国民に象徴的に示し、そしてその心をつかんだ。

 転じてわが国を省みれば、求められる変化とはムダ遣いに始まる官僚主導による行政の高コスト化構造を改めることであり、ひいてはそれを容認してきた政治のあり方を抜本的に改めることである。

 まさに、今までの永田町の政治理論から離れた言葉と行動が求められているのである。

 今の状況は、国民にとっては大きなフラストレーションがたまることだろう。これは、政府与党にだけではない。民主党に対してもである。

 解散しないならしないで、とことん国会審議をやろうじゃないか。任期満了まで、国会で論戦を繰り広げようではないか。麻生総理に国会出席を求めて、国民へのメッセージの真価を問おうではないか。

 民主党奈良県連では選挙体制解除は指示していない。逆に来年9月の任期満了まで常在戦場で戦い続けろと指示した。選挙だからといって特別のことをやる必要はない。現職は、国会活動を必死にやって週末地元に戻ればとにかく歩いて回って、集会やって、街頭で訴えて、発信し続ける。新人は、国会ないんだからとにかく回り続ける。これだけのこと。実に明快。

 解散延びたって何もやるべきことは変わらない。

 解散病?、イーエ、罹(かか)ってませんけどと言ってやろうじゃないか。

解散病