第874号 国会に戻って見た政局
国会に戻り活動する中で、改めて野党にとっては厳しい政治情勢であることを痛感しています。
◆緊張感なき国会運営
無所属議員として臨んだ本会議では、かつての仲間同士が、微妙な空気感の中で野党席を二分し、採決も微妙なところで賛否が分かれ、それを圧倒的多数の与党が冷ややかに見る現状を目の当たりにしました。また、本来であれば国民の「ふところ」に直接響く課題として追及されるべき統計不正問題は、手続き論やアベノミクス偽装問題などといった飛躍した議論と捉えられかねない流れとなり、予算委員会での審議はあっという間に与党ペースで終始することとなりました。
安倍内閣が一定の支持率を維持していることも影響し、残念ながら、攻めあぐねる野党をよそに、与党にとってはまったくの緊張感もない国会運営が行なわれていることを実感しています。
◆ダブル選挙はあるのか
この緊張感を欠く国会運営の中、場合によっては今夏に衆参同日選も、というシビアな空気は急速に消えてつつあるように感じます。しかし、一方で、自民党が行った参院選の調査では、32の1人区で、19選挙区が当落線上で争う予想が出され、それを受け総理は、参院選を当初予定されている7月21日から大幅にずらし、衆参同日選としてお盆を挟む8月に行おうとしている、という情報がまことしやかに私にも伝わってきています。
参院選は通常7月に行われており、過去に8月にずれこんだことはありませんが、法律上は8月にも実施可能です。国会会期のリミットは参院議員が任期満期を迎える7月28日で、その日に解散となれば、次の日から換算して24日以降30日以内の投票日、つまり8月25日(日)が衆参同日選挙として執行できることになります。
これであれば、衆院選公示は8月13日。お盆をまたぐ日程となり、伝わってきた情報と符合します。
◆不意打ち解散に備える
政権にとって解散総選挙を行う大義が全く見えない現時点では、解散は想定外のようにも思えます。しかし、14年、17年の過去2回の安倍政権下での解散総選挙も、大義の見いだせないまま急転直下で行われました。近々の解散は無いと油断させて不意打ち的な解散を行うのは、中曽根政権で見られたように長期政権の維持策としては常道です。
野党の参院1人区の協力が遅々として進まない中、衆院候補者の調整など全く準備ができていない状況で一気に解散まで持って行かれるシナリオは、十分な警戒が必要です。
仮に選挙となった場合、選挙直前に水面下の調整無しにまとまろうとして空中分解した、前回選挙時の希望の党の二の舞になることは絶対に避けなければなりません。そのためには、選挙前に慌てないように、政策や候補者について、事前に野党間で十分な水面下の調整を行っておくことが必須です。私も国会に戻った今、多くの議員と会合を重ねながら、野党の選対委員長として活動した自らの経験や知識を活かして、なんとか調整に汗をかけないかを模索する毎日を送っています。
スタッフ日記 第二ステージ
奈良1区でもう一度選挙をやりたい、と思って馬淵のところに残ることを決めて1年と少し、たくさんの偶然が重なって国会に戻ることができました。
選挙を経ずにこちらに来たため、実感らしい実感はまだ湧いてきませんが、ただ、応援して下さる皆様が「良かった」と自分のことのように喜び、そして「こんな時だから頑張って」とエールを送って下さるのが何より嬉しいと思っています。
少しずつ落ち着いては来ましたが、国会事務所には連日たくさんのお客様がいらしてそうしたお言葉を掛けて下さいます。その一つひとつにお礼を申し上げながら「これは生半可なことではいけないぞ」そんなことを考えています。
そう、以前は私設秘書として勤務していましたが、このたび公設第二秘書を拝命することになったのです。これからは馬淵を支える立場としてしっかりとしなくてはなりません。不惑はとうに過ぎましたが、また日々勉強、それこそ「再誕」の日々です。
奈良でもう一度、と考えたのは落選が悔しかったからではありません。奈良の方々に家族のようにかわいがってもらい、たくさん助けて頂いたのに、その皆様をガッカリさせたままずっとお別れをしなければならないことが忍びなかったのです。
ですから、始まったばかりの「まぶちすみおの第二ステージ」、まずはいつあるかわからない衆院選で皆様と一緒に喜びあえるよう一日一日を頑張っていきます。
これからもどうかよろしくお願い申し上げます。(公設第二秘書 岩井 禅)