第790号 退位法案と残された課題

2017年5月27日 (土) ─

 このたび「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案」が閣議決定されました。

◆国会が立案作業をリード
 昨年8月の天皇陛下のおことばを受け、衆参両正副議長のもとに全党・全会派参加の全体会議が設置されました。

 私も党を代表をして会議に参加しましたが、ここでの議論が最終的に立法府の総意としてとりまとめられました。

 今回の法案はこのとりまとめを踏襲しています。

 天皇の地位という、極めて重大な問題について、単に政府に議論を委ねるのではなく、国権の最高機関たる国会が主体的に議論を進めたのはたいへん画期的なことです。

 またこれは天皇の地位を「主権の存する日本国民の総意に基く」とする憲法第1条の趣旨にもかなっています。

 民進党は、陛下のおことば表明ののち、他党に先がけて皇位検討委員会を立ち上げ、検討を重ねました。

 それを受け、私たちは全体会議の中で、

・憲法との整合性を取るため、皇室典範を改正し、天皇の意思に基づく退位を恒久制度化すること
・皇族や三権の長で構成される皇室会議が退位に関与すること

などを主張しました。そして法案は最終的に

・皇室典範と一体をなす特例法による退位
・陛下のお気持ちについて法案の趣旨に言及がある
・退位の時期については皇室会議が関与する

など、私たちの主張も十分に反映された形となりました。
 
◆残された課題
 法案は概ね評価できる形となりましたが、今後の皇室のあり方を考える上で、まだ課題も残されています。

 まずは、今回の特例法が将来の退位の「先例」となりえるか、という問題です。

 立法府のとりまとめでは先例となりえる、と言及されていましたが、今後は政府の姿勢について確認しなければなりません。

 また、皇太子殿下が天皇に即位されると、皇位継承資格のある皇族は秋篠宮殿下、悠仁親王殿下、常陸宮殿下とお三方だけになります。

 先日秋篠宮眞子様のご婚約という嬉しいニュースが飛び込んできましたが、ご結婚で女性皇族が皇籍を離脱し、皇族方が減少してゆく問題は今後ますます深刻となります。

 皇位の安定的継承のためにも、女性宮家の創設なども含めた議論を速やかに始め、陛下の退位までに一定の結論を出す必要があります。

 さらに、陛下が退位後崩御された際は、大喪の礼を行うこととされていますが、おことばの中で、陛下は殯(もがり・天皇崩御の際の儀式)の長期化による影響に懸念を示されており、この点についても議論が必要です。

◆歴史的責任を担って
 近々、衆議院で法案についての審議が行われ、合意に直接関わった立場として、私も質疑を行う予定です。

 皇室典範が改正されるのは約70年ぶりですが、国のあり方を考える上で重要であるだけではなく、議論の性質上、審議の内容は後々の歴史的検証の対象にもなりえます。

 責任感を持って残された課題と向き合い、歴史の検証にも耐えうる質疑にしたいと思います。(了)

 

スタッフ日記「ダンスやりませんか?」
 突然、友人に誘われました。

 ダンスって何だ?忘年会くらいでしかやったことないけど…と思いながらも、特に予定がなかったので詳細は聞かず、行ってみることにしました。

 事前に「動ける服装と、体育館シューズを持ってきてください」と言われましたが、バスケをする格好と靴しかありません。

 ただ、ストリートダンスとかかなと勝手に解釈していたので、特に気にせず普通にバスケの用意で行きました。

 でも、友人と待ち合わせて行ってみると、思っていたのと雰囲気が違う…。

 なんとそこは社交ダンスの教室だったのでした。

 10人程の生徒は女性が多く、和気あいあいと非常に楽しい感じです。みなさん大変スマートな体型なのに、私と友人だけガタイがよく、「2人だけレスリング部みたい」と言われてしまいました。

 そんな場違いな2人が初めて踏むステップはやはりぎこちなく、私は先生の真似をしながら何とかついていく状態でした。それでも、丁寧に教えて頂き、少しずつ出来るようになって夢中で練習していました。

 あとで聞いたところ、先生を含めたほとんどのメンバーが高校の同級生で、同窓会での再会したのをきっかけに集まったのだそうです。どうりで仲がいいわけです。

 男性が足りないようで、未経験の私でも優しく教えて下さったうえ、月1回の教室に誘って頂きました。

 新しい出会いに感謝しつつ、いつでも社交界デビューできるようにステップを覚えたいと思います。(お松)

第790号 退位法案と残された課題