第786号 今村復興大臣辞任

2017年4月29日 (土) ─

 東日本大震災について、「まだ東北の方だったから良かった」と発言した今村雅弘復興大臣が辞任しました。

 発言はいまだ復興半ばで苦しい生活を余儀なくされている被災者の方々を傷つけるもので、許されるものではありません。

◆繰り返す人事の失敗
 2012年に発足した第2次安倍政権下での大臣辞任はこれで5人目となります。 

 実は、第1次政権も含め、安倍政権は「政治とカネ」の問題による閣僚辞任が突出して多い政権です。

 過去30年間の歴代内閣において、政治とカネが原因で辞任した閣僚は、計18人にのぼりますが、このうちの8人が安倍政権の閣僚です。

 これまで、大臣が辞任するたび、総理は「任命責任は私にある」とし、問題の早期収束を図ってきました。

 政権運営の面から言えば、合理的判断と言えますが、それは同時に、問題の本質から目をそらし、根本解決を図らないことでもあります。

 「人事の失敗を繰り返す安倍政権は、問題の本質に向き合って来なかったのではないか」。2015年2月、当時の西川農水大臣の辞任の際に、私はこのような趣旨で予算委員会の質疑を行いました。

 それから2年が経ちましたが、現状を見る限り、残念ながらその後の改善は見られないように思えます。

◆目立つ政権の「ゆるみ」
 今年に入って閣僚や政府高官の問題行動が立て続けに起こっています。

 失言や暴言、女性問題などにとどまらず、南スーダンでの日報隠ぺい問題で省内を把握できていなかった稲田防衛大臣や、共謀罪審議の答弁をまともに行えない金田法務大臣など、資質を疑われる大臣の言動も目立ちます。

 自民党への政権交代から5年が過ぎ、政府与党の、少々のことでは政権は揺るがないという慢心が、ゆるみとなって政権運営に影響し、このような事態を招いている可能性は否定できません。
 
◆野党第一党の責任
 総理は、今回も「任命責任は私にある」とした上で、「しっかり安倍政権が掲げた政策の実現、結果を出していくために全力を尽くしていきたい」と述べています。

 しかし、これは自らの「任命責任」を、「政策遂行」の責任に置き換え、問題のすり替えをしているに過ぎません。

 本当に責任を取るのであれば、資質のない大臣や高官の入れ替えを含め、まずは厳しく自らの政権を見つめ直し、強行的な政権運営を改めなくてはなりません。

 そして、その上で、いまだ真相解明がなされていない森友学園への国有地売却問題や、共謀罪の審議に真摯に取り組むことを望みます。

 ただし、このゆるみについては、私たち民進党にも責任の一端があります。

 党の選対委員長として、自民党に代わる政権の選択肢を提示できず、自民一強を許している状況に歯がゆさを感じつつ、何としても党を立て直さなければという責任を改めて痛感しています。

 政治に緊張感を取り戻すためには、政権交代のあり得る状況を作り出さねばなりません。そのために、今、選対委員長としてやるべきことに全力で取り組んで参ります。(了)

 

スタッフ日記「マンドリン」
 私は大学でマンドリンクラブに所属しています。

 マンドリンはイタリア生まれの、琵琶がウクレレサイズになった感じの小さな楽器で、ピックを使って弾くと、可愛らしくきらきらした、高い音を奏でてくれます。

 同じ弦楽器ではギターと似ていますが、弦を2本同時に弾く点と、コードがなく、弦を一カ所だけ押さえて弾く点が違っています。何より、弦を押さえる場所さえ覚えればすぐに弾けるので、とても簡単で音楽初心者向きです。

 そんな簡単な楽器のプロと素人の違いは何か。「トレモロ」という演奏法で弾いた音の違いです。

 トレモロとは、一つの音を長く鳴らすためのマンドリン独特の演奏法で、ピックを同じ力加減で、素早く上下に動かし弦を弾き続けて音を鳴らします。

 素人な私は、どうしてもピックが弦に当たるカチカチという音しか鳴りませんが、プロは、本当にピックが弦に当たっているのか疑問に思うほど、全くカチカチさせず、ビー玉みたいなコロコロした、綺麗な音を奏でます。

 プロのマンドリンオーケストラになると、ビー玉みたいな音の波が観客を包みこんで、曲の世界に入り込ませてくれて、聞きに行くたび、なんでそんな演奏できるんや! とショックを受けます。

 私もプロと同じように、ビー玉な音を演奏したくて、お客さんが私の演奏で曲の世界へ旅するようになって欲しくて、日々練習をしています。

 まだへたくそですが、今度、京都学生マンドリン連盟の合同演奏会に出演します。一度マンドリンの曲の世界を体感してみませんか。(螢)

第786号 今村復興大臣辞任