第757号 臨時国会の争点

2016年10月1日 (土) ─

 26日、第192臨時国会が開会しました。

◆働く者のための改革とは
 総理は、「働き方改革担当大臣」を新設し、同一労働同一賃金の実現や、長時間労働の是正を目指すとしています。

 しかし、何をもって「同一労働」とするかを見誤ると、かえって労働者間の不当な格差を正当化することにもなりかねません。同一労働同一賃金は元々民進党が主張してきた政策です。それだけに看板倒れに終わらないよう、我々もしっかりとした対案をもとに議論に臨みます。

 また、政府は残業時間規制を検討する一方で、一定の年収以上の労働者の残業代をゼロにする法案を国会に提出しています。こうした矛盾については、しっかりと質さなければなりません。 

 それから、総理は主婦(夫)が年収103万円以下の場合に受けられる「配偶者控除」の見直しにも意欲を示しています。

 配偶者控除のためにパートなど賃金を抑える働き方を選ばざるを得ない方がいる以上、個人の生き方や働き方の選択を左右しない中立的な税制へ見直しを図ることは重要です。

 しかし控除の廃止が単なる増税となり、今度は逆に「長時間働かなければならない」状況になるとすると、それは別の意味での国による価値観の押し付けとなりえます。

 働くことは、生きること。生活に直結する問題なだけに、その改革の議論をうわべだけで終わらせてはなりません。

◆前提が崩れたTPP審議
 前国会から継続審議となっている、TPP(環太平洋経済連携協定)承認案では、内容の公正性に疑問が生じる事実が次々と露呈しています。

 まず、外務省が翻訳したTPPの協定文書には、18か所もの誤訳や表記ミスがあることが発覚しました。

 また、国は今まで、国産米と輸入米の価格は同水準なので、TPPで輸入米が増えても問題ないとの見解を取っていました。ところが、実際には安く流入した輸入米を調整金により、国産米と同水準の価格になるよう調整してきたのではないかという疑惑が先ごろ浮上し、大きな問題となっています。

 アメリカ大統領選ではいずれの候補もTPPに反対を表明しており、アメリカ抜きでの実効性についても疑問があります。これまでの前提とされてきた事実・説明が崩れている以上、拙速な承認を行うべきではありません。

◆憲法改正
 総理は憲法改正の議論を進めることにも言及しました。 憲法議論は、個々の条文に関する議論もさることながら、文章化されていない我が国の国体や歴史的規範を、憲法議論にどう反映させるかが重要です。我々も逃げることなく、平和主義や基本的人権などの守るべき理念を尊重しながら、あるべき姿を提示して参ります。

 また、総理は、生前退位を一代限りの特措法として処理しようと考えていますが、今こそ象徴天皇制のあり方も含めた憲法議論を行うべきです。

 これら諸課題につき、民進党は、「批判から提案へ」という方針で臨み、真に国民の生活に資するよう議論を尽くして参ります。(了)

 

スタッフ日記「ミニマムライフ」
 先日、朝のテレビで物を持たない暮らしをする「ミニマリスト」が特集されていました。

 最近よく聞くライフスタイル。いつか見た雑誌では一人前だけのお膳台と食器と数着の衣服しか持たない男性が紹介されていて、ちょっと異様、なんか流浪人みたいな生活だなぁと思っていました。

 朝のテレビでは、家電製品をほとんど持たない人が紹介されていました。福島原発事故をきっかけに、電気と暮らしを考え始めたらそうなったとの事。

 掃除機の代わりにほうき、洗濯は手洗い、冷蔵庫もない。糠漬けを作ったり、乾燥野菜を作ったり、近くにはスーパーもあるから困らないし結構楽しい。電気代は数百円になったと話していました。

 私も物があふれている我が家をいつもどうにかしたいと悩み続けているので、持たない暮らしには憧れがあります。が、やっかんでみると、やっぱりいきすぎじゃないか?それって、独り身で、生活と時間に余裕があるから出来るんじゃないの?と思ってしまいます。

 働いていると、朝起きたら洗濯機にスイッチ入れて、その間ご飯作って、掃除機をガーっとかけ、一週間の食材をまとめ買いして冷蔵庫に入れ、困ったとき用にあれこれ買い置きしてしまう…ああ、言い訳だけど。

 先般、姉が新しい家に引っ越しました。とても小さな家なので、どうやって物を収めるのかと心配しましたが、姉曰く、「断捨離だね!全部捨てたらすっきりしたわ。あなたも捨てなさい!気持ちいいよー」とサバサバ言われました。

 しかし、現実はなかなか難しいものです。ああ、言い訳だけど…。(チョロ)

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