第726号 なし崩しの石炭容認

2016年2月13日 (土) ─

 9日、丸川珠代環境大臣は、これまで「是認しがたい」としてきた石炭火力発電所の新設を、一転して条件付きで認める方針を表明しました。

◆CO2削減目標に逆行
 この方針転換には、エネルギー政策と地球温暖化対策の点から、重大な問題があります。政府は昨年12月にパリで開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)に先立ち、2030年度において温室効果ガスを2013年度比で26%削減することを国際的に表明しました。2050年には80%削減する目標も維持しています。

 地球温暖化防止のためには、石炭火力発電所の新設を抑制し、現在稼働しているものを随時閉鎖するなどして、多量の温室効果ガスを長期にわたり排出する石炭火力発電の割合を減らしてゆく必要があります。

 発電所はおおむね半世紀近く稼働するので、新設の代わりに既存の発電所を閉鎖するのは現実的ではありません。従って、新設すれば石炭火力比率の低減は難しくなります。現に昨年まで環境省は、政府が掲げた温室効果ガスの削減目標の達成が難しくなるという理由から、石炭火力発電所の新設計画5件に異議を表明していました。

◆石炭火力低減の決意を示せ
 COP21で締結されたパリ協定を受け、温室効果ガス削減のため、我が国の石炭火力発電の比率を低減すべきであると私は昨年12月の環境委員会で丸川大臣に提案しました。

 また、我が国は2007年から14年のトータルで、国際的な石炭関連事業への公的支援額が世界一であり、世界で批判されています。この事実についても指摘し、見直すべきであるとも主張しました。しかし丸川大臣はあいまいな答弁に終始し、低減にむけた政治的決意は聞けませんでした。

 今年5月の伊勢志摩サミット開催に先立ち、政府には30年度削減目標の達成計画策定のタイムリミットが迫っています。今回、環境省が姿勢を一変させ、石炭火力発電所の新規建設を認める方向に舵を切ったのは、こうした中で経産省の石炭火力や原子力をベースロード電源と位置付け、旧来型のエネルギー政策を維持したいという考えに押し切られた結果であると推測されます。

◆「条件」の中身
 今回、環境省は、省エネ法やエネルギー供給構造高度化法といった法制度を活用するなど、電力全体として温暖化対策を進めることを「条件」として、石炭火力新設を容認しました。

 しかし、これらの法令はいずれも電力業界に近い経産省の所管であり、今回、環境省との合意がきちんと担保される保証はありません。また、経産省にとって、温暖化対策の切り札はあくまでも「原発」ですが、今回の合意が原発回帰の口実に使われる可能性もあります。

 今後、政府として電力分野における温暖化への取り組みの実効性をどう担保するのか、また、なし崩しの原発回帰ではなく、再生可能エネルギーへの現実的な転換をどう図るのか、など今回の新設容認に際して検討すべき項目は山ほどあります。

 今国会の審議の中で、経産・環境大臣にこれらの点を厳しく質すとともに、私としても温暖化対策についての政府への対案を検討して参ります。(了)

 

スタッフ日記「ブチコが…ぶっちぎる!!」
 ブチコ…若い女の子の名前です。

 かわいいので、今アイドル並みに人気急上昇中です。

 色白なのですが、茶色の斑点があります。

 走るのが大好きです。

 2016.1/5京都競馬場で、2着に1.7秒差をつける大差で1着ゴール、ぶっちぎりのブチコ。1年前の4戦目で初勝利など、輝かしい経歴があります。

 競馬など知らない私ですが、テレビで観て、あまりの可愛さに釘づけになりました。

 画面ではダルメシアンのようなぶち模様が愛らしいサラブレッドが爽やかに風を切って走っていて、恐々しい、荒々しい競馬レースのイメージが一新しました。私のようにルックス目当てのファンも多いそうですが、実力も伴っているからこそ応援にも力が入ります。

 競馬界では白馬は不向きと言われているそうですが、こつこつとがんばり、人気にも後押しされデビュー1年でポルシェが買えるくらい稼いだということです。

 グッズは品薄状態なのが人気に拍車をかけているようで、これからさらに人気が出そうです。

 大変な世界だと思いますが、向かい風に立ち向かう雄姿を楽しみに夢を馳せたいです。 ブチコ、名前が代議士と似ているし、馬だし、親しみが湧きます。

 ちなみに、お父さんは「キングカメハメハ」、お母さんは「白雪姫」だそうで、生まれは奈良事務所の期待の若手、森田君と同じ北海道安平町で、かのディープインパクトとも同じです。早く出世してもらってテレビのG1で、ブチココールを聞きたいものです。(葉っぱちゃん)

第726号 なし崩しの石炭容認