第669号 第3次安倍内閣への注文
特別国会が招集され、第3次安倍内閣が発足しました。
◆ローカル経済圏への処方箋
現政権の経済政策において最も欠けているのは、ローカル経済圏への対応です。
経済には2つの経済圏が存在します。グローバル経済圏とローカル経済圏です。アベノミクスによる円安や資産価格の上昇は、グローバル経済圏に働きかけるもので、グローバル企業やその従業員、株などの金融資産を有している人には恩恵が広がるものの、地方や中小企業への恩恵は限定的です。グローバルとローカルでは経済の仕組みが異なるため、本来、ローカル経済圏には別の処方箋が必要です。
ローカル経済圏に働きかけるために重要なのは、地方経済を支えるサービス産業と地域の中小企業の活性化です。地方活性化策は、これまで歴代政権が取り組んできた課題ですが、思ったように効果が上げられない理由は、中央集権的な社会構造やルールを変えずに、中央の論理で地方活性化策を議論してきたからです。地域の強みを知っているのは、他ならぬ地域自身です。財源と規制(緩和)権限を地域に渡し、地域の強みを最大限活用する形で、起業や転業を可能とする仕組みを、地域から作れるようにすべきです。私が地方の自由度が高い「一括交付金」の復活を主張してきたのもそのためですが、今後は、規制改革(ルールづくり)に関しても特区の活用等を通じ、政治がリーダーシップを発揮して地方主導で進めていく必要があると考えます。そうして「ローカルコミットメント、グローバルリーチ」を実現する企業を地方から生み出していくことが重要です。
◆第4の矢「再分配政策」
もう1つ現政権に欠けているものに、所得再分配政策があります。現在のアベノミクスは、金持ち優遇政策になっている側面があり、それが一般消費者の個人消費の低迷にも繋がっていると思われます。
再分配の必要性は、社会保障にもあてはまります。一般に、社会保障制度は、現役世代が高齢世代を支えるモデルが想起されますが、少子高齢化が進む中、同世代内、すなわち、高齢者が高齢者を支えるというモデルもあり得ます。年金を例にとれば、年金を受け取る高齢者にも、高所得の人とそうでない人がいます。年金制度内で、高所得の高齢者から低所得の高齢者への所得再分配を行い、高齢者同士が支え合う仕組みをつくれば、その分、若者の負担が減ることになります。
また、教育や職業訓練の機会の充実も広い意味での再分配政策と言えます。国が責任を持って教育や職業訓練の機会の充実・提供を図ることで、個々人の生活の安定を図り、それを個人消費、さらには経済の成長に繋げていく。そして、経済成長が個人の所得を増やす、といった好循環を作り出していくことが重要です。
政権は、社会保障改革や教育分野への予算配分に後ろ向きですが、本来、これらの再分配政策を第4の矢と位置づけ強力に推進していくべきです。
来年には統一地方選があります。単なる選挙対策ではない、中央集権の構造を変えるような大胆な地方活性化のための改革、そして、単なる金持ち優遇ではない真の経済政策の実行を政権に対して強く求めていきます。(了)
スタッフ日記「2014年」
今年も残りわずかですが、世の中の流れに全く乗れていない感じで、今が年末だという実感も薄い状態です。2014年はソチオリンピックとワールドカップブラジル大会が行われたスポーツイヤーでしたが、馬淵事務所的には、選挙の多い年でした。
まぶち会「春のつどい」が終わると、鹿児島2区補欠選挙に突入。同時に党員・サポーター登録のお願いがあり、それが終ったかと思えばすぐに滋賀県知事選の全力応援活動。そして今回の衆議院議員総選挙へ。この日程を改めて見ると、ゴールデンウィークあたりから記憶が混在しているなぁと感じていたのも仕方なく思えます。
個人的には、滋賀県知事選で、大学時代のバスケ部の仲間を集めてミニ集会を行ったことが一番印象に残っています。普段はくだらない話で盛り上っているみんなが、代議士の話を聞くにつれて1人の政治家を応援しなければならない、と変わっていく様が、試合の時の雰囲気に似ていて嬉しく、懐かしい気持ちになりました。
そんな2014年でしたが、選挙の後片付けを含めてやるべきことはまだ残っています。代議士を見るとあのハードな選挙のあとなのに、いつも以上にバリバリで元気な姿です。一体何をしたらあんなに元気でいられるのか不思議で仕方ありませんが、何とか私もしっかりやりきりたいと思います。
ただ今年唯一の心残りは選挙のため、忘年会でやる予定だった出し物ができなかったことです。それを今やると卒倒してしまうので、体力が回復してから披露できる機会を見つけたいと思います。来年も何卒よろしくお願い致します。(お松)