第668号 民主党代表選

2014年12月20日 (土) ─

 海江田万里代表の辞任表明を受けて、代表選に向けた動きが本格化してきました。

◆国民に開かれた代表選を
 代表選についてまず争点となったのは、その選出方法です。代表任期途中の辞任であり、また、首相を選ぶために開かれる24日招集の特別国会までに新体制を構築する必要があるとの理由から、当初、党所属国会議員のみで速やかに新代表を選出する方法が検討されていましたが、これについては、私は異議を唱えました。

 衆院選では議席を増やしたとはいえ、目標としていた三桁の議席には届きませんでした。未だ、党と国民の間には埋めるべき溝があると感じています。代表選は、論戦を通じて、今後党の進むべき道を明らかにし、世の中に訴える機会でもあります。衆院選の中で感じた党と国民との距離を少しでも縮めるために、党代表選は、約23万人いる党員・サポーターを巻き込み、開かれた形で行うべきです。そのようなプロセスで選ばれた代表こそが、野党第一党を率いる“Legitimacy”(正当性)を持つと考えます。

 党員・サポーター参加の代表選は、通常40日近くを要します。来月26日に招集予定の通常国会に新体制で臨むためには、異例の手続きが必要となりますが、党の存亡をかけた正念場の代表選であり、私も出席した17日の両院議員総会で、来月18日に臨時党大会を開き党員・サポーターも参加する形で代表選を行うことを正式に決定しました。

◆党再生と再編は矛盾しない
 メディアでは、予想される代表選候補者を、「党再建派」と「野党再編派」の二派に分ける論調が目立ちますが、党再建と野党再編は本来必ずしも矛盾するものではありません。

 先の衆院選における比例得票率(対全有権者比率)を見ると、民主党の得票率は9.4%となっており、昨年の参院選の6.8%から僅かながら回復傾向にあります。一方、自民党は、昨年の参院選の比例得票率17.7%から、今回の17.0%へと得票率を減らしています。さらに、野党第2党である維新の党の今回の比例得票率は8.1%となっており、野党第1党の民主党と第2党の維新の党の得票率を単純に合わせると17.5%となり自民党の得票率(17.0%)を上回ることになります。

 野党がバラバラでは、与党を利するだけだということは数字からも明らかです。日本の民主主義を機能させるべく、自民党に対抗しうるもう1つの軸をつくるために、まずは野党勢力の「糾合」が必要です。

 一方で、野党をまとめるには、中心となる「核」が必要です。その核となるのは野党第1党の民主党以外にはなく、その意味で、民主党再建と野党再編は表裏をなすものです。

 新代表に求められるのは、再建か再編かといった不毛な路線対立ではなく、野党勢力の結集に向け、様々な立場や考え方の違いを乗り越え一つの方向にまとめられる胆力と調整力、そして時機を見極める戦略的思考と決断力です。私自身の出馬は現時点で全くの白紙ですが、政権を担う一翼をつくるため、衆院選で訴えた野党勢力の結集、そして与党も巻き込んだ政界再編に向け、政治家として責任ある判断と行動をとっていきたいと思います。(了)

 

スタッフ日記「あたたかい選挙戦」
 ナナカマドの赤、桃色のサザンカ、朱色のカラスウリ、ユズらしきかんきつ類の黄色、松葉やヒバの濃い緑、晴れた日の抜けるような空の青―。街宣車で駆け回った奈良の街は冬なのにいろんな色に溢れていました。

 再び12月の選挙。寒いと覚悟はしていても、やはり奈良は東京よりも格段に風が冷たく、いつも窓から出している右手はかじかんで昼ごはんにお箸も満足に使えないくらいでした。

 それでもとにかく1人でも多くの方にまぶちの思いを伝えたい、と車から手を振り続けました。はじめこそ反応が薄かったものの、試行錯誤を経てメッセージが固まりだした終盤からは、手を振ってくれる人、玄関から出てきてくれる人、ベランダで話に耳を傾けてくれる人など、応援して下さる方が目に見えて増えてゆきました。

 これまでは外に出てばかりの選挙でしたが、今回は公示日までずっとボランティアの皆さんと室内で事務作業をしていたので、皆さんのまぶちに対する期待や思いなどをたくさん伺うことが出来ました。

 また、落ち着きのない私を皆さんがかわいがって下さった事、それから何より2日かかると予想していた作業を半日で難なく終わらせてしまう程のポテンシャルの高さにただただ感服し、どうあっても皆さんのお気持ちに応えたい、そう思いながら車に乗っていました。

 おかげさまで無事に当選することができました。手はガサガサ、爪はボロボロ、声はカスカスになりましたが、寒さ以上にあたたかい経験をした選挙戦でした。

 5期目がはじまりましたが、これからも全力でまぶちを支えて参ります!(シズ)

第668号 民主党代表選