第653号 原子力規制委改革 

2014年8月23日 (土) ─

 7日、衆原子力特別委の閉会中審査が開かれ、父葬儀後、国会に戻り審議に加わりました。

◆炉安審、燃安審の役割 
 再稼働などを審査する原子力規制委員会(規制委)の体制見直しが議論になっています。論点は、今年、規制委のもとに設置された原子炉安全専門審査会(炉安審)と核燃料安全専門審査会(燃安審)の役割です。 

 炉安審と燃安審は、有識者で構成される審査会で、法律上、規制委の「指示」があった場合に、原子炉や核燃料の安全性にについて調査審議することとされていますが、その具体的な役割は、規制委が決めます。 

 規制委は、2月、両審査会の役割を、国内外で発生した事故の情報収集等の課題に限定し、再稼動の審査等の「実務」には関与させない方針を示しました。 

 これに対し、両審査会に、規制委が再稼働を審査するにあたり、専門的見地から助言する実務的な役割を担わせるべきとの意見が出されています。

◆米国NRCの例 
 米国の原子力規制委員会(NRC)には、事務局とは別に、原子力安全諮問委員会(ACRS)があり、委員会に、独自の立場から、許認可や規制基準について助言を行う仕組みとなっています。つまり、事務局とACRSの2ルートから報告が行われ、それをもとに、委員会が裁判官的な立場で判断を行う司法的な意思決定プロセスがとられています。 

 一方で、日本は、規制委の各委員に、炉や地震などの担当分野を割り当て、事務局である規制庁の職員と一体化して業務を遂行する「担当委員方式」がとられています。いわば官僚機構的意思決定システムです。 

 担当委員方式は、単線型で効率が良い反面、事務局に対するチェック機能が働かず、また、委員会の審議において担当委員以外の委員の発言力が低下する(例えば、地震の議論をする場合、地震担当以外の委員の意見が弱まる)など、結果として委員会の議論を不活発にしているとの指摘があります。そのため、炉安審と燃安審に、再稼動審査等に関する調査実務を担わせ、規制委に、事務局と両審査会の2ルートから報告が入るようにして議論を活性化し、事務局と審査会の相互のチェック機能を働かせるべきとの主張には妥当性があると考えます。

◆規制委は「骨抜き」を警戒 
 では、なぜ規制委は、両審査会に、実務的な役割を与えようとしないのか。そこには、事故前の反省があります。事故前、旧原子力安全委員会のもとに審査会が置かれ、審査が、原子力ムラの影響を受ける審議会に丸投げされ、規制が不十分になった経緯があります。規制委は、両審査会が審査実務にかかわることにより、再び、原子力規制が骨抜きになることを警戒しているものと思われます。 

 制度上は妥当に見えても、タイミングや人事を誤ると、本末転倒となってしまいます。特に、規制委改革については、原発推進派は、制度を骨抜きにしようと機を狙っています。審査会の活用については、メンバーに、原子力ムラのしがらみのない、海外の専門家を複数入れる等、公正さと中立性を担保する仕組みが必要です。私自身は、規制委の改革は必要との立場ですが、羊頭狗肉の制度改悪とならないよう目を光らせていきます。(了)

 

スタッフ日記「夏の想い出」 
 夏休みも残りわずかです。お子さんのいらっしゃるご家庭では、そろそろ宿題の追い込みの時期ではないでしょうか? 

 私はいつもギリギリにならないと夏休みの宿題ができない子どもでした。 

 小学3年か4年生の時、理科で「舟を作る」という宿題が出たことがありました。 

 いつも通り最終日まで手をつけていなかった私は、夕方になってようやくとりかかろうと思うのですが、教科書を見てもどうしたらよいのかわかりません。全く進まないまま時間だけがすぎていきました。 

 半泣きになりながら私は母に相談しましたが、母は、「どうしてもっと早くにしておかなかったの」と言うだけでした。しばらくして帰宅した父も、「やっていなかった自分が悪い。何時までかかってもやり終えなさい。」と言いました。 

 しかし、晩ごはんを終え、お風呂からあがってずいぶんたっても、居間の机の前でじっとしている私に父は、「今回だけだからな。」と言い、そしてその日は寝るように言いました。 

 翌朝、机の上には丁寧に木を削って作った小さな舟が置かれていました。父が、朝方までかかって仕上げてくれたもので、私は無事に宿題を提出することができました。 
 
 その後数年間、私の机の上にはその舟がありました。教訓のように。 

 長い年月が過ぎ、今私は明日の締め切りにむけ、この日記を書いています。あの頃から少しも成長していない私がいます。(まーちゃん)

第653号 原子力規制委改革