第627号 「事実と根拠」で語る 

2014年2月22日 (土) ─

 今週、電力9社などの原発事業者、原子力関連メーカー、研究機関など、いわゆる「原子力ムラ」のメンバーで構成される勉強会で講演を行いました。

◆「立場」を乗り越える 
 主催者からは、「厳しいご意見を言って頂いて結構です」と事前に言われていましたが、聞き手が誰であれ、私が話すべき内容を変えることはありません。政府内、国会論戦、講演等、どの場面であっても、私が心がけているのは、ファクト(事実)とエビデンス(根拠、証拠)に基づいて考え、語るということです。 

 3年前の原発事故直後、私が、事故対応担当の首相補佐官として、遮水壁設置を進めたことについて、参加者から、情報が限られ、かつ東電が地下水汚染の可能性を否定する中、どのように対策を立案し実行したのかとの質問が出ました。 

 首相補佐官に任じられた後、私は、霞が関から信頼できる官僚を引き抜き、東電の技術者も加わった「チーム馬淵」を組成しました。当時、チームの打合せの席で、私は、「このチームでは、技術的観点から、ファクトとエビデンスに基づいて必要な対策を検討しよう。事故対応と、東電の経営判断や政治的判断とは分けて考える」と言いました。国交省、経産省、文科省、東電、それぞれのメンバーは、異なった組織に属し、それぞれの立場や事情を抱えています。そのようなメンバーの能力を最大限に発揮させ、チームとして1つの目的に向かわせるには、主義主張ではなく、客観的な事実や根拠に基づいた冷静な分析・議論を行うことが必要です。メンバーはその意図を理解し、時に、自らの所属組織の利害と対立する事項についても、懸命に調整にあたってくれました。遮水壁、フェイシング、国費投入等、現在の政府の対策を、事故直後の限られた時間で立案できたのは、この「チーム馬淵」のエンジニアリングの能力が高く、かつ、ファクトとエビデンスで語ることにより立場の異なるメンバー個々の能力が有機的に連携できた結果だと思います。 

 講演後、参加者からは「科学的、技術的な視点で議論でき非常に勉強になった」とのコメントが寄せられました。

◆対極にある政治の世界 
 私がこのような考え方を身に付けたのは、土木技術者の端くれという背景もありますが、大きいのはビジネスでの経験です。ビジネスの世界、特に、企業文化の異なる会社を買収し、経営者として乗り込むような場合、相手を説得して組織を機能させるには、ファクトとエビデンスに基づいて丁寧に議論し理解してもらう以外に方法はありません。私は、30代で会社経営を担い、試行錯誤しながらこのような方法を身につけてきました。 

 一方で、政治の世界に入って私が驚いたのは、それとは対極の政治の現実でした。政治の世界では、ファクトやエビデンスとは関係なく、争点になりそうな主張を複数(時に互いに矛盾するものを)打ち上げ、注目が集まった争点のみを展開していくということが往々にしてあります。しかし、これでは、様々な立場を乗り越えて合理的な合意形成を行うことは困難です。 

 事実と根拠に基づいて議論し、立場を乗り越えて合理的な解を見つける。そのような文化を日本政治に根付かせる。ビジネス出身の政治家として、私に課せられた使命と考えます。(了)

 

スタッフ日記「新生活のアドバイス」 
 ここのところ毎週末、日本中が大雪に見舞われています。鉄道をはじめとした公共交通の乱れや道路渋滞などのせいで、奈良の皆さんも通勤・通学、日常の買い物にさえ大変な思いをされているのではないでしょうか。 

 山梨を始め各地で道路が寸断され、集落が孤立するなどの心配な状況が続いています。特に受験生にとっては、ただでさえ試験本番で緊張しているのに大雪だなんて、本人はもちろん、ご家族までもが気が気でない、そんな状態になってしまうのではないかと思います。 

 そんな事を考えていたら、「大学に合格しました!」と奈良から嬉しい報告が届きました。メッセージの主は、代議士が大臣に就任した2010年、奈良から家族で国会見学に来られた当時中学2年生の方です。 

 折にふれお便りを頂戴していて、いろいろ不安そうだな、と心配していたのですが、今回のお便りから、新しい生活への希望に満ちた声がひしひしと感じられ、私自身喜びもひとしおです。 

 新生活に向けてアドバイスができればなぁと考えているのですが、あまり出来の良い大学生ではなかったので、さてどうしたものか…。何せ、卒業して10年近く経つにもかかわらず「4年生も終盤の時期に単位が揃わず卒業出来ない」という悪夢を今でもたびたび見るくらいです。 

 ちなみに代議士にも聞いてみると「俺もあるある!」だそうで…。うーん、30年、いやそれ以上もずっと続くんですかこの悪夢…。 

 これから大学生になる皆さん、新生活のアドバイスはまさに「まじめに勉強がんばってください!」これに尽きます。一生の安眠が掛かってます。すごーく重要ですよ!(SCハマー)

第627号 「事実と根拠」で語る