第623号 第186通常国会召集 

2014年1月25日 (土) ─

 24日、第186通常国会が召集されました。経済対策や原発・エネルギー政策、震災復興、社会保障、「安倍カラー」政策の是非等、考えられる争点は多岐に渡りますが、今回は2つの重要論点についてお伝えします。

◆「廃炉機構」設置法案 
 汚染水問題をはじめ、東電福島第一原発の事故処理は未だ予断を許さない状態です。昨年9月の質疑で、これまで東電の対応が、場当たり的かつ後追い的になってきた原因として、東電が「事業継続と事故処理のジレンマ」に陥っていることを指摘しました。一私企業である東電、殊に経営陣にとっての「経営の論理」は、膨大な費用を要する事故処理と相容れない側面があります。2年半前の事故当時、私が総理補佐官として、遮水壁設置の計画を進めていた際も、私のチームは、着々と対策を前に進めていたものの、債務超過を恐れた東電経営陣からの横やりが入り、計画の公表が見送られた経緯もあります。 

 事故処理にあたって、経営の論理が優先しないような体制を構築することが必要ではないか。そのような問題意識をもとに、昨年9月の質疑後から、福島第一原発の廃炉のための新たな組織構築について検討を重ねてきました。そこで考えた1つの解が、国主導で事故処理・廃炉を担う「廃炉機構」を設置し、東電から事故処理・廃炉業務を切り離す案です。党の会議で、私案を提示し、昨年11月に提言書が了承されました。 

 野党第一党である民主党から「廃炉機構」の提案が出されたことを受けて、政府側も、廃炉を担う組織の検討を始め、現在、賠償資金を支援し、東電の過半数の株式を有する原賠支援機構を組織改編して「原賠・廃炉機構」とすることを検討しています。法案はまだ示されておらず、制度詳細は明らかではありませんが、「事業継続と事故処理のジレンマ」を断ち切り、事故処理・廃炉を前に進めるという観点から、対案を示しつつ論戦に臨んでいきたいと考えます。

◆消費増税の低所得者対策 
 もう1つの争点が、消費税率引上げに際しての低所得者対策です。消費税には、所得の低い人ほど負担感が大きくなる問題があり、その対策が急務です。対策の具体的な選択肢としては、民主党が主張してきた、所得が少ない人向けの減税と現金給付を組み合わせた「給付付き税額控除」と、自公が主張してきた、食料品等の税率を軽くする「軽減税率」があります。 

 与党は、昨年末、消費税「10%時」の軽減税率導入を合意しましたが、これには、財源の確保や関係事業者の理解等の前提条件が付されており、結論は先送りされたままです。また、「10%時」が示す具体的時期も曖昧です。軽減税率導入を公約とする公明党と、財源や中小企業の事務負担の問題から慎重な態度を取る自民党の思惑が交錯し、決着までには紆余曲折が予想されます。 

 制度導入には、準備に1年半はかかるとされ、仮に、予定通り来年10月に消費税率が10%になるとすると、議論に残された時間は限られています。与党は「12月までに結論」としていますが、それでは遅すぎます。与党内の事情で低所得者対策を先送りする政府を国会論戦で厳しく追及します。(了)

 

スタッフ日記「スキー大スキ!」 
 「スキーをやってみたい!」との9歳の息子からの突然のオファーを受けて、先日、十数年ぶりのスキーに臨むべく新潟県湯沢町のスキー場に息子と2人で「男旅」してきました。 

 スキー場につくなり、好奇心旺盛な息子は、スキー初体験にもかかわらず、早速、リフトに乗っててっぺんまで行きたい、と言い出し、そんな命知らずの息子を、「まあ、待て」とたしなめ、とりあえず、「スキー板を斜面に対してタテにすると滑る。ヨコにすると止まる。後は体で覚えるべし」と教え、「うんうん」と納得する息子をつれてリフトに乗りました。 

 スキーの滑り方は結構、性格が出るようで、景色を楽しみながら、時に途中で持参したおにぎりなどを優雅に食しながら、ゆっくり滑るのが好きな私に対して、妻は、減速一切なしの直滑降で滑っていく性格です。 

 では、息子は? という訳で、興味深く見守っていたところ、どこで覚えたのか「ハ」の字で、真っ直ぐ滑って行くではありませんかっ!しかも超ゆっくり(毎分2メートルぐらい)!優雅かつ割り切ったシンプルなスキースタイルに「やるな」と思わず声をあげてしまった私でした。 

 息子に負けじと私も新技を習得すべく取り組みました。近くでインストラクターがやっていた「逆すべり」(後から滑る講習生に向かい合って、逆「ハ」の字で、後ろ向きに滑る)にチャレンジ。一日中、ひたすら逆「ハ」の字(後ろ向き)で滑っていました。今度、5歳の娘を連れてきたら、これで「パパすごいっ!」って言わせよっと!(ホーリー)

第623号 第186通常国会召集