第622号 「脱原発」首都決戦へ 

2014年1月18日 (土) ─

 23日に告示される東京都知事選は、14日に細川護煕元首相が出馬表明し、自民党が推す舛添要一元厚労相との事実上の一騎打ちとなりそうな情勢です。

◆最大の争点は「脱原発」 
 民主党は昨年末、少子高齢化対策や行政改革等をはじめとした候補者擁立にあたっての6項目の判断基準を設定し、候補者の選定を進めてきました。細川氏と舛添氏は、両者とも6項目の基準を満たしていましたが、最終的に、民主党東京都連は、「組織的な勝手連」として、細川氏を支援することを決定しました。 

 東京五輪や福祉、防災等が重要政策であることは言うまでもありませんが、今回の都知事選の最大の争点の一つに、原発政策が挙げられます。シングルイシューで都知事を選ぶべきではないとの主張もありますが、東京都は最大の電力消費地であり、株主として東電に影響力を及ぼす立場でもあります。知事が発言すれば、国全体のエネルギー政策に大きな影響力を及ぼします。また、次期通常国会では、原発事故直後に作られた東電支援のための仕組みである原子力損害賠償支援機構法の改正案の提出が予定されています。今後の東電のあり方も含めた大議論が予想される中、都知事が、原発政策についてどのようなスタンスをとるかは、単なる一論点として片づけられない重要性を帯びています。 

 「原発ゼロ」への政策転換を目指す細川氏の主張は、「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」ことを掲げる民主党と方向性は同じです。細川氏を支援する小泉純一郎元首相は、今回の選挙を、「原発ゼロでも日本は発展できるというグループと、原発なくして日本は発展できないんだというグループの争いだ」と評しています。民主党は、一昨年、政権与党として、「日本再生戦略」と称した成長戦略をまとめ、その柱に、グリーン政策を掲げていました。脱原発依存に向けた技術革新や社会変革を、新たな経済成長の種にする政策は、民主党政権が先鞭をつけたものです。元祖「原発ゼロでも日本は発展できるとするグループ」として、民主党もできる限りの支援を行います。

◆今回の都知事選の意味 
 小泉氏が細川氏を応援することで、自民党は一枚岩で選挙戦を戦う雰囲気ではなくなりました。党内の脱原発派からは「舛添氏で本当にいいのか」との声が上がっています。今回の選挙が一つのきっかけとなって、そういった疑問を持つ議員が自民党を飛び出し、脱原発の旗のもとに集まる流れを作り出す可能性もあります。つまり、今回の都知事選は与野党を巻き込み、政界再編の構図を一変させるきっかけになる可能性を有しています。 

 安倍政権は盤石のように見えますが、特に、昨年末の特定秘密保護法強行採決、南スーダンPKOでの銃弾1万発提供、靖国神社参拝の「安倍カラー3連発」をはじめ、足元には相当ほころびが見え始めています。また、4月に予定されている消費税率の引き上げに伴う低所得者対策も不十分と言わざるを得ません。都知事選や24日召集の通常国会での論戦を通じて、安倍政権の問題点を厳しく指摘して参ります。(了)

 

スタッフ日記「特殊切手あれこれ」 
 明けましておめでとうございます。 

 幾つになってもお正月は新鮮でわくわくします。そのひと時だけは穏やかに、今年1年に期待が膨らみます。そして、旧友からの家族写真や、中学、高校の恩師からの励ましの言葉が書かれた年賀状を見ると、温かい気持ちになります。 

 最近は新年の挨拶ですらメールで済ませる人が増えているくらいなので、普通のときに手紙を書く機会は激減したといっても過言ではありません。街角の赤いポストも減ってきたように思います。 

 でも、郵便局の窓口で陳列されている様々な特殊切手は色とりどりで、自然と目が行ってしまいますし、「おっ!」と惹かれるデザインのものを見ると、つい買ってしまいます。贈り物にしたり、大事に保管しているものもあれば、絵柄によっては「これを貼って手紙だしてね」と子どもに渡したりしています(そうすると喜んでお手紙を書いてくれるのです)。ちなみに今日も息子に新幹線の切手を購入してしまいました。 

 国会事務所ではお便りを出す際に、なるべく特殊切手を使う事にしています。特に評判がよいのは、平成22年11月30日の「議会開設120周年記念切手」です。国会議事堂が描かれていて、全国で1000万枚発売された切手なのですが、今では国会郵便局でしか買えません。しかし国会議事堂周辺では大人気で、本日もどこかの事務所が窓口で1000枚ほど購入していました。ただ、職員の方によると執筆時点での残り枚数は80枚となったそうです。 

 4月で消費増税されると、普通郵便の切手が82円になります。古都・奈良の特殊切手も早くできるといいな。(チョロ)

第622号 「脱原発」首都決戦へ