第575号 通常国会召集 

2013年2月2日 (土) ─

 28日、第183回(通常)国会が召集され、安倍首相の所信表明演説が行われました。また、29日には、総額92.6兆円の2013年度予算案が閣議決定され、2月下旬にも国会に提出される見込みです。今回は、いよいよ動き出した国会論戦について、私の所信をお伝えします。

◆経済再生 
 安倍首相の所信表明演説においても、「経済の再生」が強調されていました。安倍政権が進める、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」という「3本の矢」のうち、金融政策において主張される、大胆な金融緩和とインフレーション・ターゲットの設定は、一昨年の代表選で私が主張していた政策そのものであり、基本的に正しいと考えます。 

 問題は、公共事業一辺倒の財政政策です。先に閣議決定された12年度補正予算案と来年度予算案を合わせ、約10兆円が公共事業に充てられています。デフレ脱却には、金融政策に加え、財政政策が必要ですが、公共投資の増額は、一時的なカンフル剤としての「不況対策」に過ぎません。過去の自公政権時代にも公共投資中心の補正予算を連発し、バブル崩壊以降200兆円の公共事業を行ったものの経済再生・デフレ脱却を実現することができなかった経験を踏まえる必要があります。デフレ脱却のためには、「雇用の継続性」の観点が重要であり、一時的な雇用しか生み出さない公共事業ではなく、新産業創出等の成長に資する分野への財政出動が求められます。来るべき国会論戦では、自民党の「国土強靱化」を含め、公共事業について、その根拠や効果、成長戦略との関係について説明を求めていきます。

◆財政への懸念 
 財政に関して、安倍首相の所信表明演説では、「中長期の財政健全化に向けてプライマリー・バランス(基礎的財政収支)の黒字化を目指します」と述べられていました。安倍政権は、国と地方の財政状況を示す基礎的財政収支について、「2015年度に赤字を半減、20年度までに黒字化」という歴代政権の目標を受け継ぐとしています。しかし、過去の例に見られるように、大規模公共事業は、途中で止めることは難しく、一度着手すると数年は継続せざるを得ないものです。このまま、財政出動による歳出の拡大路線に走ると、結果的に消費増税分が公共事業に投入されることになりかねないという懸念があります。 

 民主党政権が進めた「社会保障と税の一体改革」では、財政健全化と持続可能な社会保障を実現することを目的とし、消費増税分は全て社会保障に充て、「コンクリートから人へ」の理念実現を目指すものでした。将来、財政規律の問題によって、社会的弱者にしわ寄せが行くようなことがないよう、消費増税分の使い方も含め、国会論戦を通じて厳しく監視していきます。

◆国民のための論戦を 
 日本の経済・財政は正念場です。経済再生が重要であること、そのためには、大胆な金融政策を含めた政策パッケージの実行が不可欠であることについては、安倍政権と認識を同じくしています。無責任な批判だけの論戦ではなく、国民のために政策の精度を高めるための意味ある論戦を目指して今国会に臨みます。(了)

 

スタッフ日記「予防が大事!」 
 昨年12月の総選挙では大変お世話になりました。たくさんの応援を頂き心より感謝いたします。過去2回の選挙は暑さとの戦いでしたが、今回は寒さとの戦いで、早朝よりかじかむ手に息を吹きかけながらの毎日でした。選挙中は「風邪を引かないように」が皆の合言葉でした。 

 先週、息子がインフルエンザになり5日間保育園を休みました。感染ルートは姉の家に遊びに行ったおばあちゃんが姉からインフルエンザがうつされ、持ち帰って娘が感染し、一週間後には息子が発症という経緯です。 

 私もうつったら大変という事で、葛根湯にビタミンC、うがい、手洗い等など日々予防に必死です。何が効いているのかは分かりませんが、今のところ元気です。 

 昨日テレビで『感染列島』という映画を見ました。治療法のないウイルス感染症が広がりパンデミックを引き起こすという内容で、次々に運ばれてくる感染患者に医療現場が修羅場となる様子には背筋の寒い思いがしました。 

 感染症は接触することで広がるので、集団で生活する人間社会では最も恐ろしいもの。「俺は大丈夫だから」といつも言っている代議士も、トレーニングで鍛えているからって、インフルエンザをなめてはいけないと思い、本当に気をつけてくださいと念を押してお願いしました。 

 すると「ちゃんと予防接種しているから心配しないで」と言うではないですか。そうです、予防接種をしておけば良かったんだ!そうしたら息子もしんどい思いしなくて良かったのに…。(チョロ)

第575号 通常国会召集