第570号 党再生へ向けて
選挙後初めての両院議員総会が19日に党本部で開催されました。民主党は230名が57名へと激減した衆院と参院88名、併せて145名の小所帯となりました。冒頭野田代表が「敗軍の将、兵を語らず。このような厳しい敗北の結果になってしまったことを深くおわび申し上げたい。誠に申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げ、短い挨拶をすると、22日に代表選挙を行うのは拙速だとの意見が続出し、特別国会召集日の前日25日に再度両院議員総会を開いて代表選出を図ることも含めて、辞任を表明している執行部に一任となりました。
マスコミは「未だ混乱」とはやし立てますが、これほどの大惨敗の責任と総括を行わずして党の再生はないのは明らかです。09年の衆院選大敗後の自民党が、首班指名を若林両院議員総会長(当時)名で行い、あくまでも総裁選挙を衆院選の総括後に行ったことも参考とすべきとの意見も出るなど党再生に向けての正念場が続きます。
◆「底」は来夏かもしれない
民主党にとって、今回の選挙の大敗が「底」ではありません。来夏の参院選は61議席獲得で勝利した07年当選者の改選期です。今回の結果を考えると、来夏の参院選勝利は並大抵でないことが想像できます。とりわけ、第三極への比例票の流れは顕著であり、過去3回の衆院選挙での自民党の比例票もずっと減少傾向のままである状態を考えると、既存政党、とりわけ民主党にとっては厳しい選挙となるでしょう。
それも踏まえて、ある程度中長期的なスパンを持った党再生計画を考えないと立て直しは容易ではありません。代表選挙をいつ行うかは、それこそ皆の議論と合意で行えばよく、私自身は拙速を慎むべきだと思っていますが、最も大事なことは、既に来夏の参院選挙は厳しい予想が容易にできる状況で、参院選挙の結果を問われるような代表選びを今回は行うべきではないということです。
来夏に更なる「底」を迎える見通しを冷徹に持ち、その上で次期衆院選挙が15年夏の参院選挙とのダブル選挙になる事を見越して、それまでの「党再生3か年計画」を具体的に作り上げてゆくリーダー及びそれを支えるスタッフの選出、その体制づくりに全力を注ぐべきです。
◆包容力と凝集力をもつリーダー
昨年の代表選挙で推薦人として、また1票を投じて私を応援してくれた衆議院議員は1名を除いて全員去りました。多くの仲間を救えなかったことは自らの力不足であり、痛恨の極みではありますが、上記のように再生に向けて「戦略的思考」を持って取り組んでいく以外に道はないと思います。
非自民党となっている野党の分裂が今回の選挙結果を招いたわけですから、再度、大同団結することのできる包容力と多くを惹きつける凝集力を兼ね備えたリーダーの下に、他党と連携を図り、既得権益に回帰しようとする自民党政治との決別を再度図る覚悟を持って臨まなければならないと思っています。小党乱立野党がさまざまな困難を乗り越えて結集するには、また10年越しの時間がかかるのかもしれませんが、あきらめることなく突き進む以外に道はないと肝に銘じてまい進してまいります。
スタッフ日記「だからこそ、私はとどまります」
選挙が終わりました。公選法上お礼を申し上げることはできませんが、解散からこれまで、たくさんの方に温かい言葉をかけて頂いたことは本当に励みになりました。
民主党が大きく議席を減らした今回の選挙ですが、議員が失職すれば、秘書も同時に職を失います。今回は250人以上の議員が失職をしたので、1人の議員が抱える秘書の数の平均を4人として考えると、実に1000人以上の秘書が「無職」となったことになります。
私が仲良くしていた人たちや、この世界に入る前からお世話になっていた人たちも、軒並み失職しました。もちろん、馬淵澄夫事務所の一員として、今回の当選を喜ぶ気持ちはありますが、そのことを考えると、とても複雑です。
国会の議員会館では、選挙翌日から落選した議員の撤収作業が早々に行われています。連休明けには特別国会が召集されるので、今週末には全ての撤収が済んでいることでしょう。
そして私は今週一杯まで奈良事務所で残務処理に当たることになりました。つまりそれは、「誰かを見送る」というとても苦手な場面に立ち会わなくてよい反面、「さようなら」も「ありがとう」も言えないということを意味します。その中にはもう二度と会えない人もきっといるはずです。
致し方のないことなのかもしれません。だからこそ、私はこの気持ちを忘れずに、少しでも民主党が皆様からの信頼を回復し、去らざるを得なかった人たちが1人でも多く戻ってこられるよう、できる限りのことをしていきたいと思います。(シズ)