第557号 尖閣購入

2012年9月8日 (土) ─

 尖閣購入尖閣諸島の購入についての詳細が具体的になってきました。

◆尖閣諸島とは?
 我が国の固有の領土であり、実効支配下にある尖閣諸島は沖縄県石垣市に属する無人島で、報道でよく取り上げられる魚釣島と北小島、南小島、それから久場島、大正島の合計5島と沖の北岩、沖の南岩、飛瀬の3岩礁からなっています。 

 このうち大正島と沖の北岩等3岩礁は国有地ですが、私有地である久場島は昭和47年の沖縄復帰時から防衛省が、同じく私有地の魚釣島、北小島、南小島は平成14年から総務省が賃借しています。 

 領土編入は戦前の明治28年の閣議決定にまでさかのぼります。翌明治29年には魚釣島・北小島・南小島が民間人の古賀辰四郎氏に30年の無償貸与され、開拓団と共に海鳥剥製工場、鰹節工場等による開発が行われました。その結果、明治42年には99戸、248名の定住者を数えました。 

 その後、辰四郎氏の長男が事業を引き継ぎますが、事業は縮小、昭和3年に国有地借用期限切れで有償貸与となり、昭和7年に払い下げられました。 

 戦後、久場島と大正島の2島は日米安保条約、地位協定により日本が米軍に射爆場として提供し、魚釣島など3島は昭和53年に現所有者に所有権が譲渡され現在に至っています。 

 領土保全のための施設建設については、昭和53年、当時の中曽根自民党総務会長の下、ヘリポート建設、避難港、気象観測所の設置の要請決議を行い、調査が予算化され、昭和54年10月、沖縄開発庁で「尖閣諸島調査報告書」がまとめられました。 

 これによると、地形や気象の調査に留まらず、水質、水深調査、陸上の地質、生物・植物及び海中生物の調査、灯台・ヘリポート・避難港・漁船避難用係留浮標・無人気象観測施設の建設または設置の可能性の調査も行っています。さらに、現地調査に必要なヘリコプターの仮発着施設、自動気象計を設置しました。 

 この調査の結果、灯台・ヘリポート等については「技術的には相当の期間及び工事費をもってすれば建設は不可能ではない」とされましたが、避難港については「設置はほとんど不可能」とされました。 

 国はこうした調査結果を踏まえ、現在の所有者との間で賃貸借契約を締結してきました。 

◆購入だけでよいのか?
 今回の購入については都が所有者と先行して話を進めてきた経緯がありますが、売却については国の行政機関と優先的に交渉する旨を平成14年に所有者と国で約束しており、所有者との間では覚書の締結がなされていることから、それを踏襲したものだといえます。 

 ただ、政府は一切の施設整備を行わないと表明していますが、果たしてそれで領土保全の世論を抑えることができるかというと非常に厳しいものを感じます。 

 もちろん、新たな施設や設備の設置に関しては、諸外国の動きも見ながら慎重に対応する必要がありますが、昭和57年3月にはヘリコプター仮発着施設の床板の修復、昭和58年3月には自動気象計の修復を実施しています。このように、現状の施設の修復も含めてより効果的な実効支配を高めていくことも1つの方法です。(了)

 

スタッフ日記「気がつかなかったこと」
 9月になりました。季節も暦を知っているのか、9月になったとたん30℃を切り、少し涼しくなったように感じます。 

 私は8月から東京の事務所で活動をしているインターンです。今年の夏は永田町で過ごすことが多く、渋谷や池袋ともまた違う静かなアスファルトジャングルに毎日驚いています。 
そのような中、先日久しぶりに大学のキャンパスを訪れると、何と蝉の鳴き声の騒がしいことか!!ある意味衝撃的ですらありました。キャンパスにはたくさんの木々があるので、7月にも同じように蝉の鳴き声を聞いているはずなのに、そのときの私はそれを全く意識しませんでした。 

 今回は毎日蝉の鳴き声など自然の音がほとんどない場所で過ごしていたためか、ありふれているはずの蝉の声がとても鮮明に聞こえてきました。このように日常の中で目に入っているのに見えていないもの、耳に入っているのに聞こえていないものがとても多いのではないかと考えさせられた瞬間でした。 

 確かに私は毎日歩いているときにも携帯をいじっていたり、イヤホンで音楽を聴いていたりと、普段からちゃんと周囲を見ていないことがしばしばです。しかし、これ廻ってくる秋は、食欲の秋・芸術の秋など様々に形容される豊かな季節なので、そのようなことではもったいない!これからはしっかり目・耳・鼻を開けて五感で秋への移り変わりを楽しみたいと思います。 

 まだまだ残暑が続きますが、毎日精一杯頑張ります。(イザベラ)

第557号 尖閣購入