第523号 定数削減議論について

2012年1月14日 (土) ─

 年末に議論した社会保障と税の一体改革の素案では、「定数削減なくして増減なし」という文言が盛り込まれ、「消費税率引上げまでに衆議院議員定数を80削減する法案等を早期に国会に提出し、成立を図る」ことが政府・与党社会保障改革本部で決定しました。つまり、消費増税にシフトする野田政権はまず国会への衆院定数削減法案を提示することになったのです。議員定数を削減することが必ずしも増税の免罪符になりえるわけではありませんが、国会での増税議論は「定数削減」に焦点が移るのではないかと思っています。

◆最高裁違憲判決 
 政治改革において「定数削減」は民主党の政権交代以前からの主張でありましたが、実はもう1つ大きな課題が昨年、提起されました。それは「較差(かくさ・最高と最低の差の事)是正」問題です。 

 昨年3月23日、09年衆院小選挙区選挙の一票の較差をめぐる選挙無効訴訟の最高裁判決が出ました。判決では、現行の300小選挙区の区割りは、憲法で定める「投票価値の平等の要求」に反するとして、区割規定を改正するなどの立法措置を求めました。 

 300小選挙区を定めるにあたっては、各都道府県に必ず1人は衆議院議員がいなければならない、という「一人別枠方式」が前提となっています。前述の最高裁判決は大元であるこの「一人別枠方式」を違憲とし、それに基づく区割規定も違憲と位置づけました。区割りは「衆院選挙区画定審議会(以下、審議会)」で国勢調査人口速報値公表に基づいて定められますが、この判決により審議会は中断となりました。昨年国勢調査が公表されたのが2月25日、審議会は公表から1年以内に総理に対して改定案を勧告せねばなりませんが、期限はあと1ヵ月半と迫る中、作業は中断したままの状態です。 

 先の臨時国会では、このことを踏まえて各党ともに「較差是正」案を提示し、協議を行いましたが、合意に至っていません。最高裁の違憲判決を受けた「較差是正」は目の前の問題ですが、加えてここに「定数削減」の課題が政権に突きつけられたことになります。

◆選挙制度の抜本改革 

 そこにさらに、各党協議の中で課題として上がってきたのが、現在の「小選挙区比例代表並立制」に対する「選挙制度の抜本改革」です。中選挙区制度に戻せという意見もありますが、死票が多いとされる現行の制度を抜本的に見直すべきとの意見は少数政党を中心に大きな主張となり、各党協議は昨年の11月15日依頼、その後は開催されていません。 

 定数削減が国民負担の前に当然行わなければならない、自ら身を切る改革である事は間違いありませんが、このように昨年の最高裁違憲判決を受けての「較差是正」作業と併せて、少数政党の主張する「選挙制度の抜本改革」含めた一体改革を実現することは相当に困難な道のりでもあります。しかし、言い換えればこの政治改革こそが今後の政治の行く末を大きく決定付けるキーになるとも言えるのです。この国難にあって政治の停滞は許されませんが、政治家が「国家を担う民主主義とはいかにあるべきか」が問われるのが政治改革であることを自覚して取り組まねばならないと思います。(了)

 

スタッフ日記「クリエイションに関わるかは別として」

 皆様はどのような年末年始を過ごされたでしょうか。 

 これまでの私の年末の過ごし方は、大学時代の友人らと岐阜県の地元の方しか行かないようなスキー場へ行き、趣味のスノーボードで、あのポイントが飛べるだのあそこは危ないだの言いながら雪山を満喫し、夜になると温泉に入り、その後近況報告を兼ねた宴会をするというのがお決まりのパターンでした。 

 今年は馬淵事務所に所属してから初めて迎える年末年始で、噂には聞いていましたが、まさに怒涛のスケジュール。29、30日は夜遅くまで消防団激励、大晦日から元旦にかけては、夜を徹して様々な神社仏閣の参拝を行い、年末年始を一気に駆け抜け、気がつけばもう仕事始め!?といった状態でした。 

 ですから、プロライダーの方と相談して約1年前に購入したほぼ新品の板を見ながら、売るか超長期保存の処置をしないと…雪山に行ける機会もそうないから趣味も減るなぁ、と少し寂しい気持ちで考えていました。 

 しかし先日、丁度読んでいた雑誌に載っていた某有名写真家と某有名デザイナーの対談で「一流の方とか経営者とかでクリエイションに関わる人で趣味がある人ってあんまり会ったことがない」、「昔は趣味がなく、今の仕事は趣味が仕事になったんじゃなくて仕事が趣味になった」という話を読みました。 

 単純な私は、なるほど!一流とはこういうことかと感心しました。この域に達せるよう精進しますので、本年もよろしくお願い申し上げます。(お松)

第523号 定数削減議論について