第485号 原発事故対応2

2011年4月23日 (土) ─

◆対策本部と統合本部の役割
 「原子力災害対策本部」(以下、原災本部)は東海村のJOCの事故を受けて立法化、法廷された組織であり、総理が本部長を務め、関係閣僚が本部員となっています。政府が原子力災害が発生した後に、事後処理が一定程度進んだ段階でその地域の自治体などと連携を取りながら避難、及び生活の再建支援に取り組む仕組みです。

 しかし今回の福島第一原発の事故においては、3月11日以降事態が進行中であり、現在起こっている事態に政府が各所の連携しながら迅速に対処していくために作られたのが「福島原子力発電所事故統合対策本部」(以下、統合本部)です。

◆統合本部の中で
 私はこの統合本部の中で、6つのプロジェクトの1つである「放射線遮へい/放射性物質放出低減対策チーム」(以下、遮蔽チーム)に入り、東電側代表者と共に共同チームリーダーとなりました。原発が爆発事故を起こした後、放射性物質を含んだ塵、飛び散った様々な物質を封じ込め悲惨の防止をしなければ土壌汚染・大気汚染につながってしまいます。まず取り組んだのは飛散防止剤の散布でした。その上で原子炉建屋全体を覆う検討も並行して行われています。

 他の5つのチームと連携しながら進めていく中で東電側から原発事故終息へ向けての行程表が示されました。しかし、事業者である東電に任せるだけでなく、政府が深く関わる中で統合本部として中長期的な見通しを持つことが重要だと考え、遮蔽チームを改組し、「中長期対策チーム」を新たに設置しました。東電側の責任者は、原子力の責任者である武藤副社長が就任し、組織、体制、人事によって権限・機能を明確にしました。

◆中長期対策チームの役割
 中長期対策チームは飛散防止の為だけのものではありません。放射性物質を完全に封じ込めることを目的として設置されました。大きく5つの役割、(1)遮蔽・コンテナ・カバリング、(2)地下水対策、(3)調査・分析、(4)リモート・作業環境、(5)余震対策、を持っています。

 例えば流出を食い止めるという点において、滞留水の回収・海への漏出防止といった事態への対処も重要ですが、地下水から他の環境への影響を及ぼさない為に汚染水の遮蔽などの対策が大変重要になります。また、リモート作業環境、無人施工を高い放射線環境の中でどのように実施して行くのかも大きな課題です。そして、官邸、東電共に高い危機意識を持ち、最も喫緊の課題が余震対策です。余震が頻発する中で充分な構造強度が保たれるよう、今の段階から進めていく必要があります。

 統合本部が長期的な視野で対策を進めていく中で、中長期チームは様々な意見を受け止めながら、国民の皆様の安心安全を提供する為に全力で取り組んでまいります。                 

 

スタッフ日記「地元奈良はあったかい」
 久しぶりに奈良へ帰ってきました。昨年夏の代表選挙、そして国土交通大臣就任、党役員としての広報委員長とステージは変われども一時たりとも休む暇などなく走り続ける代議士の下、政務担当の大臣秘書官など貴重な体験もさせて頂いた東京での単身赴任から、統一地方選挙の実施にあたり奈良に帰ってきました。

 ご承知のように、選挙は大変厳しい結果に終わってしまいました。地方議会での活動強化、来るべき地域主権の時代に備えて、議席の倍増に取り組む選挙でした。お心を寄せて頂きました皆様には感謝申し上げますと共に、心よりお詫び申し上げます。

 地元での活動の再開、8か月ぶりに早朝の駅に立っての「まぶちニュース」を配りながらのご挨拶。「久しぶり」「元気にしてた」「代議士東京で頑張ってるか」、そんなにお付き合いの無い方からもお声をかけて頂きました。普段ニュースを受け取って頂く皆さんから、顔を覚えて頂き多少なりとも気にかけて頂いたんだなぁと、地元奈良の皆様のあったかい心にホッとすると共に、暮らしが多少なりとも良くなる政治の実現に全力を尽くさなければと決意を新たに致しました。

 代議士は私が奈良に帰っている間に、東日本大震災の復興、原子力発電所事故対応の内閣総理大臣補佐官に任命されました。官邸、経済産業省にかんづめ状態、当分地元には帰れそうにありません。奈良の皆様のあったかい心を東京に送って頂ければ益々元気に活躍出来ると思います。(スギ)

第485号 原発事故対応2