暫定税率の攻防をめぐる市井の声

2008年2月8日 (金) ─

 地元に戻り、集会を駆け巡る。

 今週の暫定税率をめぐる与野党の攻防についての意見は、二つに割れる。一つは、「つなぎ法案」の阻止の一方法として与野党合意はやむを得ないものという声。もう一つは、この局面で折り合ってどうするんだ、情けないという声。

 いずれもが状況分析としては、「なるほど」と思えるものである。

 「つなぎ法案」阻止の結果として与野党合意を得たのを良しとする声は、『結局「つなぎ」ウンヌンは問題の本質議論ではないからいずれ収束してしまう、ヘタすりゃ与党の言う「混乱を回避するために2ヵ月先延ばしした」の意見に妙な説得力を持たせてしまってかえって民主党がゴネてる絵ヅラになりかねなかった。だから、合理的な判断だった』、というもの。

 確かに「つなぎ法案」は暴挙以外の何ものでもないが、今回の「道路問題」の本質ではない。あくまで議論のプロセスの話。本質でない部分で戦ってもすぐに火は消えてしまったかもしれない。

 一方、「つなぎ法案」のような暴挙に出てきた与党とここで折り合ってどうするという意見は、『ここまでの愚挙に出る政府与党は完全に国民の信頼を失い、一気に国民の批判の声は政府に向いていっただろう。解散へと追い込み、突き進む大きなチャンスだった。それなのに、なぜ苦し紛れの自民党に助け舟を出すようなことをするのか。』というものだ。

 むしろ、強気だった民主党が腰砕けた、なにかあるのではないかと勘繰られても仕方がない、との声もあり決して、勝ち取ったなどと気勢を上げるものはない、との厳しい意見もあった。

 はっきりしていることは、とにかく来週からの総予算審議開始ということだ。ここまでの予算審議で、国民が「道路問題」に関心を寄せたことは間違いない。堂々と戦いを進めていくしかない。

 昨日は予算委員と政調と国対のメンバーから、国交省への要求資料のすりあわせを行った。同時に二重に要求してたり、既に出されていたりするものがないかなど、議員同士の情報共有の場。

 国交省道路局はガードを固くして、時間の引き延ばしを図るばかり。行政情報は原則公開すべきものだから許しがたいのだが、言いつくろって逃げる。去年の予算委員会で、内閣府が平気でウソをつくのを目の当たりにした。もはや、ごまかしは厚労省、社保庁ばかりではない。残念ながら、すべての霞ヶ関を疑ってかからなければならないとはこの国の末期的状況を如実に表している。

 それでも、僕は良識ある役人がいることを信じている。自らのことしか考えない人ばかりではないと信じる。社会に出るときに、公(おおやけ)のために働くことを選択した人たちに僕は心から敬意を表している。なのに、なぜ世間に(国会に)隠し通そうとする人たちへと堕してしまうのか。

 勇気を持ってほしい。恐れずに、真実を明らかにして欲しい。間違いは間違いで正せばいいのだから、この国の道筋を誤らせないためにも勇気を持って示して欲しい、と心から願う。

暫定税率の攻防をめぐる市井の声