みんなのお母さん

2008年11月24日 (月) ─

 東京で同居している長女と久しぶりに晩御飯を一緒に食べた。選挙があるということで、しばらく地元べったりだった。国会で上京してきてもそのままとんぼ返りで奈良に帰っていた。だからここんとこは実質彼女の一人暮らし。

 久しぶりに、会うと速射砲のように言葉が飛んでくる。

 そんなにいっぱい、いっぺんに話さなくてもちゃんと聞いてるから。

 外食をせがまれて、学生時代にも通っていた洋食屋さんに。マスターもよく覚えてくれている店なので、気楽に行ける。娘です、と紹介してサラダにスープ、チキンソテー、ハンバーグなど平らげておなか一杯。

 学校の話や友達の話や、冬休みの予定だとかまぁ、よくしゃべるなぁ...とニコニコしながら僕はただただ聞くだけ。たぶん、こういう場面、母親は娘と一緒になって話の中身に突っ込んで会話になるんだろうけど、男親はダメだよなぁ。

 食事を終えて、帰りにコンビニでお菓子とアイスクリームを買って帰る。袋一杯のお菓子を抱えて店を出ると、ヒロコからの電話。「あっ、今、しほりとご飯食べて帰るとこ。えっ、ちゃんとやってるかって?、本人に聞いてみて!」と娘に携帯電話を渡す。

 なにやら、「ハイ、ハイ、ハイ」とうなずいて笑いながら電話を返してくる。

 どうしたの?、ウン、だってお母さんワーワー言ってるんだもん。お父さんも大丈夫?って。

 まぁ、いつものことやな、と笑いながら歩き出すと娘が言う。「お母さん、お父さんにもしほり達に言うみたいに言うんだね。なんか、お母さんはみんなのお母さんだね!」。

 そ、みんなのお母さんだよな。事務所のみんなにも、そう思われてるよ、きっと。お母さんはみんなのお母さんでいいだろ?。

 コクン、と娘はうれしそうにうなずいた。

 布団に入って、あっと思ってヒロコに電話した。「しほりがおまえのことみんなのお母さんって言ってたよ」と伝えようと思ったら、ヒロコから先にしみじみ言われた。

 「あなたとしほりの声が弾んでたわ。父と娘でそういう風に過ごしてくれてるのっていいなぁと思って。最近、わたしはそんなことにとっても幸せを感じるの...」

 何も言えなくなって、「やっぱり、君はみんなのお母さんだよ」と心の中でつぶやいた。

みんなのお母さん