道路族(議員+官僚)のノロシ

2008年11月22日 (土) ─

 国交省の11月末までの道路需要推計見直しについては25日の有識者検討会議で決定との報道。便益の見直しについても、やっと常識的な範囲の数値を検討するらしい。

 「走行便益」で浮いた時間に得られるとされる時給約2800円の賃金も、改められるという。そもそも大手企業正社員給与相当の時給を当てはめているわけだから、論外。アルバイトや中小企業の給与水準も考慮に入れるようだが、そもそも「走行便益」に浮いた時間で目一杯に稼げる要因を入れること自体が「変だ」と思わないのか。

 「費用便益」も余った時間をレンタカーにして貸し出して得られる便益などとふざけたものだったが、これも減価償却を基準にするとのこと。それなりの検討の姿勢はみえるものの、これでもなお、需要推計が増えるような話で最後に出てきたらひっくり返る。

 しかし、一方で自民党の国土交通部会は概算要求シーリングの対前年度比3%削減の撤廃を決議した。予定通り、概算要求での11%増の道路予算を堂々と出してくる気か?あわせて道路特定財源の一般財源化後も「必要な道路を整備するための予算確保」を決議した。麻生総理の迷走の隙を突いて、道路族の大攻勢だ。

 こうした道路族のプレッシャーの中、国交省もそれなりに苦労しているのかもしれない。

 また政府税調も一般財源化については、厳しい財政状況を考慮して暫定税率の維持が必要との原案をまとめた。

 道路を造りたい道路族と国交官僚、地方への交付「税」化を画策する総務省とそれに繰られる総理、財政健全化の旗印で必死でマイナスシーリングを守ろうとする財務省、そして税の面からは暫定税率の維持を訴える税調とが絡み合って与党の混乱は今後必至だ。

 便益の計算が最終的に道路建設の適否を決定するが、これはOD表から計算される配分交通量によって路線ごとに決定される。だから、その大前提となるフレームと呼ばれる需要推計の計算にこそ道路建設の最大の要因がある。自動車保有台数の減少が続く中、「モデルの再構築」という美名の下に需要推計をどうごまかしてくるのか。

 こちらも、徹底して調べ上げる段取りを組んでいる。26日以降に戦闘開始。

道路族(議員+官僚)のノロシ