第626号 東京都知事選を受けて 

2014年2月15日 (土) ─

 連日熱闘が伝えられるソチ五輪スノーボード・ハーフパイプ男子で、奈良県御所市出身の平岡卓選手が銅メダルを獲得しました。15歳の平野歩夢(あゆむ)選手の銀メダルとあわせての大快挙です。ご本人並びに関係者皆様のご努力に敬意を表するとともに、心より御祝い申し上げます。 

 決勝1回目での失敗をものともせず、大技を披露して9位から大躍進しての銅メダルでした。失敗を恐れぬ若さに勇気をもらいました。2020年東京五輪でも同じ感動を味わえるよう、五輪成功に向け、私もできるだけの支援を行っていく所存です。

◆都知事選の敗因 
 2020年東京五輪や脱原発が争点となった東京都知事選は、9日に投開票が行われ、舛添要一元厚労相が当選しました。民主党都連は細川護熙元首相を「組織的勝手連」で支援しましたが、今後の都政では、東京五輪に向けた準備など協力すべきところは協力していきたいと思います。 

 選挙結果を受けて、党が再生の途上にあり、力不足だということを正直に認めなければなりませんが、学ぶべきことも多い選挙戦でした。 

 細川氏は、小泉純一郎元首相とともに「原発ゼロ」のシングル・イシューで戦いましたが、及びませんでした。2005年の郵政選挙の時と異なり、小泉氏は権力の側にいなかったので、力を十分に発揮できなかったのも一因と思われます。権力の内か外かで選挙の戦い方は異なります。本来、権力の外から選挙を戦うのであれば、こつこつと現場から争点を拾い上げる作業をやらなければ、大きなうねりを作り出すことは難しいと考えます。 

 また、今回の選挙では、小泉氏は、相手候補を抵抗勢力に見立てることができず、郵政選挙の時のように、「改革勢力対抵抗勢力」といったはっきりとした対立構図を示せなかったのも敗因の一つと考えられます。

◆インターネット選挙の可能性 
 一方、気になるのは、60万票という支持を集めた元航空幕僚長の田母神俊雄氏です。特に若年層に強かったのが特徴的でした。右傾化した一部のネットの世界で支持が広がり、得票につながったとみられます。 

 もう1つ、興味深かったのは、ネット関連会社役員の家入一真氏です。家入氏はネット上で選挙に必要な供託金300万円を募り、最終的に約740万円を集めたと聞きます。政策も告示後にネットで募集しました。米国の大統領選ではネット上の運動が主流になっており、今後、日本の選挙でも重要な手段となります。その意味で、家入氏の試みは非常に面白いものでしたが、得票は約8万票にとどまりました。 

 有権者の投票行動に結びつけるためには、単にネットを使うだけではダメで、有権者の方々に、見て、聞いて、触れて、心を動かしてもらうことが重要です。ネットで新しい双方向のやり取りが可能となりましたが、家入氏の今回の試みは政策アンケートにとどまっていました。政策づくりは、まずは政治家が自分の考えを提示し、有権者の反応を見て再検討するキャッチボールです。今後は、それをいかにネットでも展開できるかかが鍵となります。選挙の基本は変わらないものの、ネットを使った有権者との対話の可能性等、今後の課題を再確認した選挙戦でした。(了)

 

スタッフ日記「マスクの三すくみ」 
 先日、風邪をひきました。当事務所では風邪をひくと「不摂生や!」と「小学校6年生以来風邪をひいたことがない」と豪語する代議士から叱られてしまうので、見つからないうちに治してしまわねばなりません。今回はちょうど代議士が地方出張続きの時期だったので不幸中の幸い、と言えました。 

 いつも私の風邪にはパターンがあり、のどの痛み→咳→くしゃみ・鼻水、というプロセスをたどるのですが、今回は最初にのどの痛みと胃腸の不調が同時にやって来ました。こんなことは初めてです。しかも背中の筋肉も何となくピリピリと痛むような気がします。普段よりも症状が多いとやっぱり少し不安で、早々に診療所に行きました。 

 症状を訴えて喉の腫れを診てもらうと、お医者さんは声のトーンを落として言いました。「これは…ノロでも、インフルエンザでも、ありません」。要は普通の風邪なのですが、なぜだか少し残念そうな、気の毒そうな口調です。どうやら私が「何か(例えば自宅療養など)」を期待していると思われたようだったので、大慌て(一応)で「いや、それで、それでいいんです。普通で十分です」と否定しておきました。 

 ところで、風邪といえばマスクです。ここ数年は使い捨て可能な不織布のマスクが主流で、メガネが曇らないマスクや、中に濡れたコットンをセットする「濡れマスク」など色々なタイプの商品がでています。風邪の時には濡れマスクでのどの湿潤を保つのが絶対に良いのですが、残念なことにメガネが曇らないタイプの濡れマスクは販売されていません。 

 したがって、メガネユーザーの私は、風邪のたび、視界を優先するとのどがつらい、のどを優先すると視界がゼロ、いっそのこと、とメガネをはずすと視力が悪すぎて道を歩くのも恐る恐る、とまさに三すくみ状態になってしまいます。何か良い方法はないものでしょうか?(シズ)

第626号 東京都知事選を受けて