名誉の負傷
2005年8月5日 (金) ─
家内のヒロコは、事務所では「姐さん」である。別名、「おかみさん」でもある。
当たり前だが、普段そう呼ばれているわけではないのだが、そんな雰囲気が漂う瞬間があるのである。
任侠の世界か、はたまた相撲部屋か、といったところだが、要は、事務所の中で一人、スタッフを守り、時には鼓舞し、自ら先頭切って突き進む存在なのである。本当に頭が下がる。もはや彼女なしで、政治活動はあり得ない。
ヒロコは、ダンナの不在を少しでも補おうと、必死で地元をはいずりまわる。毎日、外交スタッフと共に支持者周りに精を出す。
ヒロコの日に日に黒くなる顔を週末だけ見ることになるのだが、それでも風呂上りに一生懸命、「美白」なるものを「やって」いる姿を横目で見ながら、ダンナとしては、名誉の負傷を負っている戦友を見るようで、なかなかにつらい気持ちになる。
そんな時、決まって問われる。「チョット、私、黒い?。」
真っ白ーいパック顔で振り向きざまに無表情(パック中だからか!)で問われると、目をあわせるのが怖くなって、うつむき加減で、ついつい「イ、イ、イイヤ!。」と答えるのだが、そのすぐ後に、「ウソッ!、黒いと思ってるんでしょ!。」との返事が返ってくる。
内心、「じゃぁ、聞くなよーッ!」って思うのだが、間違っても恐ろしくて、言えない。
そんなときに、5歳の末っ子のプッチが救ってくれる。
「ううん、ママ、茶色い!。」
寝室は、一瞬凍りつく。そして、涼しく寝れるのである(寝れネェー!)。
名誉の負傷