会期延長の裏側
先週月曜日に決まった戦後最長の会期延長は、解散含みだ。私は、衆院での安保法制の通過を再来週15日にも目論む安倍政権が、参院での審議状況に応じて、場合によっては解散を打ってくることもある、と考えている。
そもそも、先週の月曜日の延長手続きを巡る国会攻防の前に、霞ヶ関の幹部人事の先送り指示が密かに出されたことが、すぐに入った。各省も、9月の選挙を意識して「かなり遅くなる」との思惑を持ち始めている。
少なくとも、9月に参院審議が膠着すれば、仮に内閣支持率が低下していても政党支持率が高止まりしていれば、「国民に信を問う!」と解散するには、与党法案の中身は別にしても、「安保」は十分に大義たり得る。60日ルールの適用は、さすがに与党内でも抵抗があるだろうから、政権にとっては解散総選挙が一つの選択肢になり得る。
ここは、内閣としては支持率の低下の状況をよく見極めてということだろう。
自民党の政党支持率が高止まりしてれば、票は野党には逃げない。ましてや野党結集ができていないということと併せて候補者擁立が十分ではなければ、負けはしないとの判断もあり得る。そして、選挙で過半数を確保できれば、廃案になった安保法案をその後の国会で一気に成立させる。
郵政民営化関連法案の時が、そうだったように。
選挙がなければないで構わないが、準備は必要ということだ。昨年の総選挙までの候補者擁立については、少なくとも維新とのバッティング選挙区の調整が必要とされた。そして、その選挙を終えて結果は、野党は民維共が大勢を占めることになった。総選挙後は、どのように野党結集をはかれるかが焦点だと考えていたが、9月の解散となれば、それは困難になる。自ずと、与党が過半数を見込める、となる。
ならば、どのように対抗するか。
それは、候補者の擁立を全党的に急ぐこと。そして2ヶ月間でできる限りの選挙対策を行うことだ。さらに安保法制で「信を問われる」訳だから、ここまでの局面転換に資することにはなった「違憲」だけでは、もはやもたない。
安保法制には対案を示すべきだ。すでにできている「領域警備法」やほぼ固まっている「PKO法」、そして「周辺事態法」等の最低限のパーツを準備することは可能だ。
そこに、加えて「民主党の目指す、我が国の防衛及び国際平和活動に関する基本的な姿勢」を示す基本法がその上位法で示されれば、よりわかりやすくなる。
そして、こうした選挙を念頭に置いた、対決姿勢を示す国会対策があれば、「選挙・政策・国対」の三位一体での取り組みで選挙をにらんだ闘争が可能になる。
一年足らずで選挙、ということだが、常在戦場、覚悟はできている。