第1106号 万博費用、さらに増!!

2023年12月2日 (土) ─

 当初の計画の約2倍の2350億円の費用が発生する見込みとなっていた大阪万博ですが、それは会場建設費だけの話で、それとは別に837億円の国費負担が生じることが判明しました。

◆謎の費用
 2350億円に膨らんだ費用の追加を認めるつもりはないというのが、政府の説明でした。今回明らかになったのは、確かに「追加」費用ではないのかもしれませんが、関連費用も含めた総額をはっきりと説明してこなかったのは政府の怠慢です。少なくとも巨額の開催費用が問題となっているこの時期に、費用総額をあいまいにして説明しなかった態度は国民に対して不誠実です。

 一部報道では、政府や万博関係者が「どこまで費用がかかるのかわからない」「全体像がどこまでなのか精査している」という旨の発言をしたと報じられました。開催まで500日を切った今、このような話を本当にしているのであれば、税金を使って事業を行う意識が稀薄であると言わざるをえません。

 また、この837億円の内訳は、パビリオン「日本館」の建設費に360億円、途上国の出展支援費用に240億円、会場の警備費用に199億円、機運醸成のための費用に38億円となっています。1つのパビリオンに360億円をかけたり、わざわざ海外の国の出展を支援するのに240億円というのも驚きですが、「機運醸成のための費用」とは何なのかよく分かりません。

 こうしたどさくさにまぎれた必要性が不明な費用ばかりが膨らみ、儲けるのは特定の広告会社や芸能人だけということになってしまっては、まさに利益誘導そのものです。

◆大阪では賛成がほとんど?
 民意は万博不要論に傾いています。維新の会の馬場代表は、ネット放送の中で、「万博は絶対にやめない」「大阪ではほとんど反対意見が出ない状況になっている」と説明していますが、明らかに事実誤認です。

 事実、11月上旬の共同通信世論調査では、大阪で圧倒的な議席を誇る維新の支持層でも「不要」との回答が65.7%で、「必要」の33.1%を大きく上回っています。

 これは大阪での厳密な地域調査ではありませんが、「大阪ではほとんど反対意見が出ない状況」というのは、実際の世論とはかけ離れているのは間違いありません。

 率直に過ちを認めず、強行突破しようとする馬場代表の姿勢からは、大阪で圧倒的な議席と権力を持ちすぎて、自分たちの都合の良いように事実を捻じ曲げ、何をやっても許されるという驕りが見え隠れします。

◆身を切る改革とは
 国民だけが馬鹿を見るお金の流れも大問題です。これまで、大規模イベントが開催されるたびに汚職や不正疑惑が持ち上がってきました。

 記憶に新しいのは東京オリンピックにまつわる汚職です。巨額の裏金が動き、利権を持つ者が潤う構造は、昭和のころから変わっていません。

 また、費用が膨らんだ場合、損するのは国民だけというのも同じです。現に、経済界の負担軽減のため、1970年の大阪万博の収益金で設立された約190億円の基金を取り崩す方向で調整が行われており、吉村大阪府知事も反対はしないということです。

 財界には手厚い支援が行われ、個々の納税者は税金を取られながら膨らむ費用を見ているだけというのが現実です。維新の会がかかげる身を切る改革どころか、関わった者の身だけを肥え太らせる構造が、大阪万博などの大規模イベントに内包されているのです。

 大阪には「始末の精神」という素晴らしい文化があります。ものごとを無駄にせず、きっちりソロバン勘定を合わせる精神です。

 今、国と大阪に必要とされているのはまさにこの精神で、予算に合わせて万博規模をスリム化し、国民の理解を得ることだと思います。 

 

スタッフ日記 「100万人」

 11月23日、大阪と神戸で阪神の18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一、オリックスの3年連続リーグ優勝を祈念した祝勝パレードが開催され、延べ100万人の観客が遠藤を埋め尽くしました。

 御堂筋では何重にも人々が並ぶだけではなく、東西の脇道にまで人が溢れ、選手の名前を呼んだり、大きく手を振ったりして待ちに待った喜びを爆発させている様子が何度も映し出されており、私も現場に行き、「六甲おろし」を一緒に大声で歌いたい、とそんな気持ちになりました。

 38年前の日本シリーズは連日甲子園に通い、大騒ぎをしていました。その頃を思い出し、あの頃は若くて元気だったと実感、それに比べてテレビの前でしか応援できない今の自分を少し情けなく感じてしまいました。

 28日のプロ野球の年間表彰式「NPBアワーズ」では、阪神の村上頌樹投手(25歳)が最優秀選手と最優秀新人賞の二冠に輝きました。

 他にもベストナインやゴールデングラブ賞に選ばれたタイガースの選手はみんなが若く、すわ黄金時代到来か、と夢を巡らせワクワクしています。

 11月28日のNHKの歌番組、「うたコン」は関西からの生放送で、トップバッターに天童よしみさんが登場、阪神のマスコットキャラクター、トラッキーとラッキーをおともに「六甲おろし」の大合唱を行いました。一説によると、タイガースの経済効果は283億円とのことで驚きです。

 Jリーグではヴィッセル神戸が優勝するなど、いま関西のスポーツが熱い!もっと燃え上がれ!! (スギ)

第1106号 万博費用、さらに増!!