第1060号 結局、買わされるだけ

2022年12月24日 (土) ─

 防衛費増額と増税についての世論が収まりそうにありません。何をしても検討中の岸田総理でしたが、増税だけは本気だったようです。

 今後5年間で総額43兆円、今までに比べて年間で3~4兆円程度の防衛費増額、そして時期不明の先送りながら、年1兆円強の増税が決まってしまいました。

◆買うのは型落ち品ばかり
 そもそもなぜこんなにも防衛費増額が必要なのかと言えば、端的にアメリカからの武器の輸入額がどんどん増えて防衛費を圧迫してきているからです。岸田総理自身も、会見ではっきりと「防衛力を抜本的に強化するということは、端的に申し上げれば、戦闘機やミサイルを購入するということ」と述べています。

 しかし、最新鋭の兵器を買うためお金がかかるのかというと、そうではありません。

 自衛隊がこれから活用するとしている無人偵察機グローバルホークは、アメリカ軍ではすでに廃棄が進んでいますし、2000億円を払って数百発購入するとされるトマホークミサイルも40年も前に開発されたものです。アメリカ軍は数年前にもシリアのような弱小国相手にトマホークミサイルを撃ち込んでいますが、中国のように軍の近代化を進める強国相手にどれだけの抑止力となるかは未知数です。

 つまり、防衛費増額とは言うものの、その実態はアメリカ製品の在庫一掃セールを押し売りされているだけというのが現実なのです。必要かどうかの精査もなく、とりあえず言い値で買うためのお金が要る、だから増税して貢ぐお金を確保するというのが実態です。バイデン大統領が日本の防衛費増額を賞賛しているのも当然のことです。

◆最終的には消費税増税か?
 総理は最終的にはGDP比2%、だいたい年間11兆円程度の防衛費を目指しており、今より5~6兆円は多く毎年の予算を確保しなければなりません。

 とりあえずは法人税、復興特別所得税の延長、たばこ税などで1兆円強を賄う方針ですが、今までさんざん自民党が甘い顔をしてきた財界からはすでに法人税増税に不満が出ています。震災復興のための財源を何故防衛費に?という当然の反応もありますし、たばこを吸う人も無限に税を負担できるわけではありません。

 結局、最終的には消費税や所得税といった庶民生活を直撃する増税が打ち出されることになるのは目に見えているのです。ちなみに防衛費増額5~6兆円となると、国の消費税収なら3%近くに相当する膨大な金額です。

◆増額に合わせた防衛3文書
 ここまでして兵器を買う理由は、アメリカ軍の補完、それにつきます。

 16日には、防衛費増額とセットになる防衛3文書が発表されました。「敵基地攻撃能力」から「反撃能力」へと言葉がすり替えられていますが、要は相手国の領域を先制的に攻撃することに道を開くものであり、アメリカの戦争に付き合ってミサイルを発射することを可能にし得るもので、これは専守防衛の国是と相容れません。

 増額に反対すると、国のことを考えていないと反射的に批判されることもありますが、防衛費増額ありきではなく、なぜ必要なのか、その背景には何があるのかについて、国民を置きざりにしない議論を重ねていくことこそが必要だと考えます。

 

スタッフ日記「変わらないものを求めて変わり続ける」
 「不易流行」は、まぶちと出会って知った言葉です。
 
 元々は、松尾芭蕉が示した俳諧の理念で、いつまでも変わらないことを指す「不易」と、時代に応じて変化することを示す「流行」という相反する概念がひとつになった言葉です。

 その頃の私は、「変わることのない普遍の真理を追い求めて、変わり続けていく」という言葉を聞いて、それは一体どういうことかな?と思っていました。

 あれから20年近くの時が経ち、浪人時代に始めた朝夕の駅立ちでの演説とビラ配りは、今もスタッフやボランティアの方々と共に続いています。2000年10月発行の「まぶちすみおNEWS」もほぼ休むことなく発行し、今回で1060号に。また「シビックミーティング」と称するタウンミーティングは、先日200回を迎えました。

 そして「お困りなことは、ありませんか?」と地域を歩いています。困っている人の力になりたい。助けたい。強い者しか生き残れない社会から、助け合い支え合い、皆が安心して生活できる社会への再構築を実現したい。出会ったころから、変わらないまぶちの想いがあり、姿があります。

 もし、駅や街でまぶちを見かけたら、気軽に声をかけてみてください。皆さんのあたたかい言葉が何よりもパワーになると思います。少々疲れていても、きっととびきりの笑顔で応えてくれると思いますよ(笑) (まあちゃん)

第1060号 結局、買わされるだけ