第1057号 制裁されていないなんて!

2022年12月3日 (土) ─

 11月11日、私は内閣委員会で質疑に立ち、国際的な経済犯罪や金融制裁対策について、谷公一大臣を質しました。

 実は、岸田総理が提出を見送った法案のせいで、対ロシア制裁が抜け穴だらけになってしまった疑惑があるのです。

◆改善勧告から1年以上遅れ
 日本は従来、不正な資金移動(マネーロンダリング等)に対する危機意識が不足していると言われており、2021年8月には国際的な政府間会合(FATF)から「ザル法」を改善するよう勧告を受けていました。

 不正な資金移動の例として、麻薬組織が犯罪で得た収益を、銀行口座間で送金を繰り返すことによって出所を分からなくしたり、テロ組織が仲間のテロ活動のための資金を送金するといったことは後を絶ちません。

 指摘を受けた以上は、早急に法案を準備すべきで、少なくとも今年初めに開会した通常国会で成立させることはマストでした。

 ところが、提出が想定されていた勧告対応法案は、通常国会が始まる前から早々に見送る方向となり、結局勧告から1年以上が経過した今国会での審議となってしまいました。

 政府の説明では多くの法案を束ねたものだったので時間がかかったということでしたが、参院選対応のために提出法案が絞られたという見方もあり、法案を準備していた官僚たちは忸怩たる思いであったとも聞きます。

 不正な資金移動を許してきた現状は、国の信頼に泥を塗る行為で、国策として真っ先に取り組むべき課題であるにも拘らず、政治家の都合で提出が遅れたとすれば、許される事ではありません。

◆対ロシア制裁への影響
 これにより懸念されるのが対ロシア制裁です。今年2月のロシアのウクライナ侵攻後、日本も欧米諸国と歩調を合わせて対ロシア制裁に乗り出し、外為法や関税法の改正を4月に行い、経済制裁を強化してきました。

 ところがこの間ロシアの「オリガルヒ」と言われる富裕層は、手持ちの資産を暗号資産(仮想通貨)に切り替えて国際移動させ、制裁の網をかいくぐって来ました。

 今年アタマの通常国会でこのFATF勧告対応法案を成立させた上、暗号資産交換業者に対する規制強化や罰則強化などを速やかに行うよう修正をしていれば、ロシアに対する制裁の効力を高めることができたはずでした。

 実態は闇の中ですが、法案成立が遅れたため、日本が対ロシア制裁の抜け道として利用されたのであれば、政府の責任は大変に重いと考えます。また、そのような疑いを各国から向けられているだけでも恥ずべきことです。

◆ザル制度を変えなければ
 他にも、金塊や現金の密輸入問題や、輸出を利用した消費税の不正還付対策など、抜け穴だらけの国際的な不正資金移動犯罪への対応ついて質問しましたが、政府の答弁は問題をはぐらかすようなものばかりで、国の信頼に関わる重大事案であるにも拘らず、政府の意識があまりにも低いことに愕然とする思いでした。

 安全保障と言えばミサイル防衛や敵基地への攻撃などばかりが取り上げられますが、国際的な不正資金移動対策は、国を守るために非常に重要な経済安全保障の一環です。

 岸田総理は国民に投資を促していますが、不正な資金移動を取り締まらなければ公正な経済発展は期待できません。ザルとなっている制度を一つひとつ指摘し、改善を促す活動を続けていきます。

 

スタッフ日記「てんぐの喧嘩」
 久しぶりに友人に会いに山添村に行きました。友人とはいつも知り合いが営む神野山(こうのやま)の喫茶店で待ち合わせます。理由はそこには私の中の七不思議の1つ、鍋倉峡があるからです。

 昔話では、その昔に山添村のタンジという男の子を神野山の赤天狗が弟子にしようとしている同じ時期に伊賀の青葉山の青天狗もタンジを弟子にしようと二人の天狗がタンジを取り合い大喧嘩になったそうです。

 赤天狗の挑発に青天狗は青葉山にある岩や木々を投げ続け青葉山は、はげ山になり神野山には草木が生い茂り青天狗が投げた岩がごろごろと積り岩々が川のように流れる景色「鍋倉渓」になったと言われています。

 神野山から流れる黒い岩の川、幅が約25m頂上からの長さが約650m、自然に出来たもの?その昔、縄文時代の遺跡もある山添村の古代文明の人々が地上の天の川として創ったものとも言われ何度来て見ても不思議な光景です。

 科学的には特殊な風化現象で出来上がったものだと言われています。が、現地でその景色、漆黒の岩が延々と続く空間で息が詰まりそうな雰囲気を見ていると何故か本当は、もっと違った理由で出来たのではないかと想像が膨らみ、ミステリーゾーンに入ってしまいそうな気分になります。本当に自然とは不思議なものです。

 神野山に前回来たのは昨年5月の中旬くらいで山添村の名物「紅つつじ」が見事に咲いていました、ちなみに紅つつじ」が赤いのは赤天狗と青天狗が喧嘩した時の血で赤く染まったと言われています。

 改めて奈良にある様々な民話や伝説がある地を散策してみるのもいいものだと最近感じています。(よっちゃん)

第1057号 制裁されていないなんて!