第1053号 経済再生を国会で問う

2022年11月5日 (土) ─

 4日、先日閣議決定された総合経済対策や日本経済の現状について、後藤茂之経済再生担当大臣を相手に、およそ2年4か月ぶりとなる委員会質疑を行いました。

◆景気は「持ち直している」?
 まず、経済政策の前提となる現状認識を議論しました。今年に入って断続的に続く値上げ、繰り返されるコロナ感染流行、10月に入って特に食品を中心に値上げがひどく、生活が苦しいと感じられる方も増えたのではないでしょうか。

 ところが、政府は10月の月例経済報告においても景気、個人消費ともに「緩やかに持ち直している」という評価を下しています。とてもそんなことは無いと思われる方がほとんどでしょう。

 事実、政府の今年年初の予測では、今年度の実質GDP成長予測を3.2%と見積もっていたにもかかわらず、7月には2.0%と下方修正しました。

 7月以降、コロナ第7波や円安、物価高で、更なる下方修正も予測されるところです。決して楽観できない状況の中で、景気や個人消費を「緩やかに持ち直している」と評価し、悠長に構えている政府の姿勢を質しました。

◆驚くべき「消費税増税」発言
 庶民にとってギリギリの生活が続く中、10月26日開催の政府税制調査会では、驚くべき発言が飛び出しました。

 参加した複数の委員から、消費税が「未来永劫10%のままでは日本の財政が持つとは思えない」、「今後の高齢化の進展に合わせて、消費税率の引き上げについて考えていく必要がある」と、消費税増税を検討すべきという意見が相次いだのです。

 財務省は現時点での具体的な増税の検討を否定していますが、ここ30年以上、消費税増税は財務省の「教義」となっており、消費税をアップし続けることで日本の財政を賄おうという発想は変わっていません。

 しかし、この考えは日本経済再生との関係では、全く的外れです。税率をアップすればするほど庶民の消費は減り続け、例え税収だけは伸びても、経済には悪影響を与え、暮らし向きは冷え込む一方というのが、日本の「失われた30年」の姿です。

 まして、岸田総理は、総裁選に出馬した際、消費税を「10年程度は上げることを考えていない」、「すぐに増税で財政を埋めることは考えていない」と発言してきたのです。仮に消費税増税の議論を始めようというのなら、国民への裏切り行為そのもので、経済センスも「ゼロ」であることが改めて明らかになるだけです。

 値上げラッシュで生活が厳しい中、必要なのは増税ではなく、むしろ減税による消費支援と再分配の充実ということを、しっかり後藤大臣と議論しました。

◆家計に届く支援を
 その他議論は多岐にわたりましたが、政府の経済対策は、補助金による企業支援や、複雑な申請と莫大な事務経費が必要となる給付金など、旧来型の対策にとどまっています。

 一部の企業を潤すだけではなく、本当に困っている方に支援が迅速に行き届き、かつ、それが経済成長へとつながっていくものでなくては、日本経済の再生はありません。

 家計に届き、生活を良くし、中間層の形成に資する経済対策のあり方を、これからも政府にぶつけ、議論を重ねていきたいと思います。

 

スタッフ日記「活動家のアジト」
 まぶち事務所に勤め始めて15年、ずっと国会事務所におりましたが、このたび奈良事務所勤務となり、10月の末から奈良市民、奈良県民となりました。

 8月末からの2か月間のホテル暮らしを経て、引っ越しのために1週間、神奈川の家に戻りましたが、国会事務所の引継ぎ業務と並行しつつ、その1週間で引越やさんの見積もり~引越完了までこなすというかなりタイトな日程で、とにかく分類も考えず段ボールに隙間を見つけてはひたすらモノを詰め込む、という荷造りを行ったため、11月になった今でも、段ボールを開けきれず、いまだにどこに何があるのか、まるで闇鍋のような生活を余儀なくされています。

 家の中にいるのにまさに「段ボールハウス」。でもそれなりに使い道もあります。

 いま、私の家にはカーテンがありません。片付けができないくせにオシャレで天井が高い部屋を選んだ結果、既成のカーテンでは寸足らずとなり、注文で作らなければならなかったのです。

 出来上がりまで2週間、1階にある私の部屋はそのままでは外から丸見えです。覗かれることよりも、入居したばかりなのに既に廃墟のような部屋を見られる恐怖の方が少し勝ります。

 そこで、段ボール。シャッターのない窓は、ニトリで買った棚の段ボールまで駆使して塞ぎました。

 これでようやく安心できる、そう思ったのもつかの間、雑に段ボールで目隠しをした窓は、外から見ると怪しい活動家のアジトもかくやと言わんばかりで、むしろこれはこれで近隣の皆さま方や、近所にお住まいの大家さんに不審がられていないか心配です。

 こんな不束者の私ですが、奈良の皆さま、よろしくお願いいたします。(シズ)

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