第1041号 統一教会と自民党
安倍元総理の実弟、岸信夫防衛大臣が統一教会から選挙協力を受けていたことを告白するなど、旧統一教会と自民党議員との癒着の発覚が止まりません。
茂木幹事長は党としての関与を否定していますが、安倍政権で防衛副大臣を務めた自民党の山本朋広議員が、かつて教団の集会で「我々自民党に対して大変大きなお力をいただいています」と発言しているだけでなく、2017年には当時の自民党副総裁高村正彦氏が自民党本部で統一教会北米幹部らと面談したことが発覚するなど、その関係は歴史的に明らかです。
◆A級戦犯と統一教会
そもそも統一教会の日本での活動の足場を作ったのは、岸信介元総理です。岸氏は戦後A級戦犯として逮捕されながらも政界に復帰、総理まで上り詰めた人物です。A級戦犯の釈放は、日本の反共産主義政策を推し進めるためにアメリカ政府主導で行われたもので、その最たる例が岸氏だと言われています。
その岸氏と同じくA級戦犯だったものの釈放され「獄友」だったのが、競艇ビジネスで成功し「右翼のドン」と言われた笹川良一氏、暴力団に顔がきき「政界のフィクサー」とされた児玉誉士夫氏です。
統一教会の成り立ちに深くかかわった3人がA級戦犯釈放組であるという事実は、教会成立の裏にアメリカ政府の思惑があったことを十分に推測させ、事実このあと岸氏は自民党主導で反共主義政策を展開していきます。
つまり、岸氏ひいては自民党、そして統一教会は、冷戦下におけるアメリカの反共戦略に組み込まれた同じ穴のむじなと言っても過言ではありません。そしてその関係は、岸氏から娘婿の安倍晋太郎氏、孫の安倍晋三氏と岸信夫防衛大臣へと3代にわたって引き継がれます。
◆あばかねばならぬ謎
統一教会の活動には政治的な便宜が疑われるいくつもの事例があります。80年代から90年代にかけて教団は霊感商法を活発化させ、多数の被害が生じていましたが、本格的な捜査が回避されてきました。
さらには、文化庁が1997年以来拒み続けてきた統一教会の名称変更が、2015年に安倍政権で、安倍派に所属する下村博文文科大臣の下で認証されたのです。名称変更は教団の過去のトラブルを隠す、言わば不祥事ロンダリングともいえるもので、さらなる多数の被害者を生む結果となりました。この経緯については必ず真実を白日の下に晒さなければなりません。
◆「カルト汚染」の除去
これら癒着が疑われている議員には、保守的な言動の目立つ議員が多いことも特徴です。資金提供や秘書・ボランティア派遣を見返りに、日本を敵視し搾取することを教義とする教団と保守政治家が結託して日本を貶めていたのであれば、とんでもない「反日」活動です。
統一教会の実態解明は、与野党を問わない、政治の「カルト汚染」の除去です。我々はまずは党内の調査で、8名の国会議員が旧統一教会との関係があったものの、全員資金提供や選挙協力を受けていなかったことをはっきりさせました。
国会での被害調査委員会設置を拒否し、逃亡する自民党をこのままにすることはできません。必ず国民に真実を説明させ、カルトと政治の関係を絶ち切らなければなりません。
スタッフ日記「夏の風物詩」
連日35度以上の暑い日が続き、セミの合唱が響き渡り、余計に暑さを感じさせます。
ところで、セミの鳴き声は地域によって違うそうです。昨年ウェザーニュースが「あなたの街で1番聞こえるセミの声」についてのアンケートを実施しました。その結果、東日本ではミンミンゼミ、西日本ではクマゼミ、日本海側ではアブラゼミがそれぞれ多く聞こえているようです。北海道や青森県では、エゾハルゼミが多いそうです。
日本は生物多様性が豊かで、多数のセミが生息しています。また、南北に長く地方によって気候が異なるため、私たちには気づかない微妙な環境の違いに対応して、その地域にすむセミの相も違っています。実際の日本のセミの分布とアンケート結果は、ほぼ一致していて、西日本はクマゼミの『シャシャシャ』、東日本はミンミンゼミの『ミーンミンミン』、日本海側のアブラゼミの『ジリジリジリ』はそれぞれ地域を代表するセミの鳴き声だそうです。
もっとも、かつて関西で主流だったのは「アブラゼミ」で、クマゼミがその地位を奪ったのは1980年ごろだそうです。確かに私の幼い頃に聞いたセミの声は、アブラゼミがほとんどで、クマゼミは珍しいセミでした。
クマゼミの増加は、温暖化やヒートアイランド現象とも関係があるといいます。気温上昇で卵のふ化の時期が早まり、梅雨に重なったことで「都市部での生存率が高まった」ようです。都市化の進行が、クマゼミの北上に影響しているのかもしれません。
この夏は、いつもより少しセミの鳴き声に注目してみるのもよいかもしれませんね。(まあちゃん)