第1031号 知床遊覧船事故の検証
13日、26名もの方が死亡・行方不明となっている悲惨な知床遊覧船事故に関し、国対主導で事故原因解明のための検証チームを立ち上げました。
◆防げたはずの悲惨な事故
今回の事故は、知床遊覧船会社社長の無責任な言動がメディアで大きく取り上げられ、あたかも個人の責任で引き起こされた事故であるかのような印象をお持ちの方も多いと思います。
しかし、今回沈没した船舶は昨年2回も事故を起こしており、国土交通省が特別監査を行って業務改善の行政指導を行い、会社からは7月に業務改善報告書が提出されていました。さらに、10月には実際に業務が改善されているかの抜き打ち検査も行われていました。
つまり、国交省は事故を起こした船舶の安全性確保について、重い指導監督責任を負っており、それが不十分だった為に、この悲惨な事故が発生してしまった可能性があるのです。すなわち、今回の事故は防げたはずの事故かも知れず、行政の責任、ひいては掌理する政治の責任である可能性もあり、詳細な検証が求められます。
◆実現した書類開示
連休中、私は、早々に沈没した遊覧船を国費負担で引き揚げると政府が判断、との報道に強い違和感を覚えました。何か都合が悪いことを隠そうとしているのではないか?。そう思った私はすぐに役所に連絡し、運行管理責任者、安全統括管理官の、届出について調べました。すると、会社社長が自らが担当者として届け出ているにも関わらず、船舶免許を持ってないことがわかりました。これは、徹底的に調べなければ、と昨年の特別監査で出した行政指導文書や、業務改善報告書の開示を求めましたが、国交省はそれを強く拒みました。
何か不都合な事実を隠蔽しようとしているのではないかとの思いは高まり、すぐさま自民党に国対委員長会談を申し入れ、強硬に開示を迫った結果、13日になってようやく文書の一部が開示されました。内容の検証はさらに詰める必要がありますが、昨年の事故後のあまりにも簡素な行政指導文書や、会社事務所で1回開かれた全体会議をもって、「業務は改善された」と言わんばかりの中身の無い業務改善報告書など、杜撰な国交省と会社のやり取りが明らかになってきました。
やはり当初からの予想通り、会社の安全管理上の問題のみならず、安全性を指導監督すべき国交省の怠慢が事故を引き起こした可能性が高まりつつあります。制度を改善するにしても、その前提としてまずは事実の解明が必要です。発足した検証チームを中心に、国土交通委員会での集中的審議を行い、徹底的な事実解明を図ります。
◆日本の安全性への信頼回復
知床という有名観光地で発生してしまった今回の事故は、日本の交通・観光政策にも大きな影響を与えるものです。日本の「観光立国」化に大きなポテンシャルがあるのは事実ですが、それは安全性への信頼とセットです。交通や観光の安全性に不信感が生じては、コロナ禍で激減した観光客を呼び込むことは困難になります。行政監視機能は国会の重大な使命です。国対委員長として、国会の機能をフル回転させていきます。
スタッフ日記 「注目されるレジャー」
行動制限のない連休が明けて、コロナ禍によるレジャーの楽しみ方にも変化が現れ始めています。
そこで、注目されているのは、人と一定の距離を保ちつつ、さまざまなスタイルが楽しめるキャンプなどのアウトドアです。2020年のオートキャンプ参加人口は前年比では3割減となりましたが、国内旅行者数が半減していることを鑑みれば、その人気ぶりがわかります。
キャンプと一言に言っても、アクティビティ施設や、釣りなど、その楽しみ方は多岐にわたります。コロナ禍によって、大人数が集まるホテルや旅館といった宿泊施設ではなく、車中泊が可能なRVパークをメインにバーベキューやアスレチック等の施設が充実したスポットもその人気の要因一つです。
大自然による開放感の中、感染対策の観点からもより安心で、安全なレジャーとして年々、増えつつあるRVパーク施設は、奈良にもいくつか設置されています。
生駒には、生駒山の中腹から市内の景色を楽しみ、焚火やドームテントなどのアウトドアを体験できる複合施設が3月にオープンしました。街の中心に居ながらも、キャンプの開放感と、食事を楽しめるとして注目されています。
また、奈良市二条大路にある平城旧跡歴史公園では、朱雀門のすぐ横にRVパークが設置され、世界遺産古都奈良のど真ん中でキャンピングカーなど車中泊を楽しむことができます。
今後は、地元飲食店とのコラボなど、イベント開催も予定されており、ウィズコロナによる新たな楽しみ方のひとつとして注目していきたいと思います。(特命係長)