第1012号 年始国会へ向けて
21日、臨時国会が閉会しました。16日間の短期でしたが、泉新代表の下、国対委員長を拝命し、猛スピードで駆け抜けた国会でした。
◆くらしを守る法案提出
法案作成は政調会長の所掌ですが、その法案をどのようなタイミングで出すか、どう国会でアピールするかを判断するのは国対委員長の仕事です。先の国会では国民のくらしを守るために何が政府に欠けているかを重視した法案提出を心がけました。
短い会期でしたが、ガソリン価格を値下げして国民生活を安定させるための「トリガー条項発動法案」や、いわゆるワーキングプアの方たちが置き去りにされていることに対して、10万円の特別給付を実施する「コロナ困窮労働者給付金法案」を提出することで、危機に瀕する国民生活を底上げする対案を示せたと思っています。
◆文書交通費問題
国民感覚とのズレが問題となっている文書交通費問題は、党内部会で率先して議論を重ね、日割り支給への変更は当然として、残余金額を寄付などのあいまいな処理とすることなく国庫返納するための改正、そして納得のいく税金の使い道を明示するための公開が必要という結論を得ました。そして、これら「日割支給」、「差額国庫返納」、「使途報告・公開義務化」の3点セットを柱にした歳費法改正法案を国会提出しました。
この改正について与党は先の国会での抜本改正には消極的でした。与野党間で日割り支給を先行させた改正合意を行い、他の改正は来年以降に先送りするという選択肢もありましたが、そのまま有耶無耶とされてしまう恐れもあり、それは国民の納得の得られる結論ではないと考えて、一貫して3点セットの改正を主張しました。議論は次期国会に持ち越されましたが安易な与党との妥協で玉虫色の決着を図ることはせず、あくまで国民感覚に沿った3点セットの抜本改正を訴え、実現させて参ります。
◆年始国会に向けて
24日には、来年度予算案が閣議決定されました。過去最大の107兆円超の予算案となりましたが、その基本発想は従来型の予算の域を出ないものだと考えています。例えば、看護師の給与を3%増加させるとしながら診療報酬が0.43%増にとどまっていることに加え、防衛費の高止まりによる聖域化、賃上げ税制の実効性、カーボンニュートラル実現のための新規政策の無さなど、次々と予算案としての適切性に疑問がわき上がってきます。
一方、歳入は、新型コロナで落ち込んだ企業の業績が回復傾向にあることなどから、今年度を上回る65兆2400億円程度としています。しかし、重税と物価上昇により国民生活が苦しめられる中、税収が増えているから好調だという財務省の理屈は通用しません。消費税減税や給付付き税額控除などの減税も視野に入れた予算を組んでいくべきです。
早くも1月17日からは通常国会が始まります。その次の週からは、予算委員会審議が約1か月の長丁場で始まります。その審議こそ、新生立憲民主党の正念場と捉えています。年末年始は、泉代表や党役員、そして予算委員たちと予算案を読み込み、徹底的に課題点を話し合い、国民の期待に答える論戦となるべく、準備を整えていきます。
スタッフ日記「なまはげ体験」
いよいよ今年も残すところあとわずかとなりました。仕事納めに大掃除、新年の準備と皆さん大変お忙しく過ごされていることと思います。
いろいろな行事が集中する年末年始ですが、新年に向けての厄除け、厄払いは昔から民俗行事として日本のあちこちで行われてきました。
その中でも、特に有名なものは秋田県男鹿半島の「なまはげ」ではないでしょうか。
大晦日の夜に仮面をかぶったなまはげたちが各村の家々にやってくるという行事です。ニュースで流れるなまはげ映像では、悪い子どもを驚かせる行事というイメージがあるかも知れませんが、本来は神の使いがやって来て、家々の厄を払うという目的があるようです。
そのなまはげ来訪を先日男鹿半島の民俗伝承館で体験する機会がありました。
移築された古民家に囲炉裏の火が焚かれ、ほぼ真っ暗な中で、突如として数人のなまはげたちが家を取り囲み、凄みのある声を響かせながら戸を壊れんばかりの強さでピシャリと引き開けます。悪い子を探して家を歩き回るのはイメージ通りですが、その後は家の主人からなだめられ、用意されたお膳とお酒による接待を受け、満足して帰っていくという流れでした。
なまはげは山の上から家々を見張っていて、家族一人一人の1年の行動はなまはげ台帳に記載されており、接待の最中に嘘をついてもすぐ分かるそうです。
仕事に家庭、ネットにメール、SNSと現代人は年末年始も大忙しですが、こうした民俗行事を楽しめる余裕もいつまでも持ち続けたいものだと思ったなまはげ体験でした。(アタリ)