第985号 緊急事態延長とオリンピック

2021年5月29日 (土) ─

 28日、政府は9都道府県に発出されている緊急事態宣言を6月20日まで延長することを決定しました。

◆6月解除で五輪突入か
 新規感染者数が十分には下がらない中、20日間という中途半端な延長期限が設定された背景には、政府のオリンピック開催に向けた意図が垣間見えます。今でさえ予定通りの開催には慎重な声が多い中、ここで解除して、再び早期に感染が増加に転じれば、中止の世論がさらに高まることは間違いありません。
政府の意図は、オリンピック開催可否判断の「デッドライン」とされる6月下旬まで全国的な減少傾向をキープし、そこで宣言を解除することで収束感と解放感を演出し、7月のオリンピック開会につなげることだと推測します。

◆開催なら特別厳戒必要
 しかし、本当に開催するのであれば、オリンピック開催期間こそ、緊急事態宣言を上回るほどの特別厳戒態勢が必要となります。パラリンピックも含め、終了までに入国する選手や関係者は約10万人にも上るとされています。競技が始まり、お祭りムードが演出されれば、必然的にアルコールを伴う飲食へ繰り出す方も増え、国内移動も活性化するでしょう。その時に感染防止措置が緩和されていれば、再度感染が爆発するのは火を見るより明らかです。

 感染サイクル的にも、3~4か月で新たな波が到来する傾向が見られます。5月に第4波のピークがあったとすると、8月頃に第5波が本格化する恐れがあります。ワクチン普及も十分でない中で、オリンピックがその波に重なれば、今までを上回る大きな波となりかねません。
政府には、本気でオリンピック開催と感染防止を両立させる覚悟は認められないと感じています。開催中の感染防止をどうするのか、国民生活はどのように制約されるのかを明確にしないまま、開催ありきで突き進むのは無責任そのものです。今の政府の生ぬるい姿勢で臨む限りにおいては、開催は困難と判断せざるを得ません。

 菅総理の本音は、オリンピック・パラリンピックで盛り上がった世間の空気を頼みに、閉会直後の9月上旬に衆院解散、下旬か10月頭の総選挙に持ち込みたいところでしょうが、開催と感染防止との両立に失敗すれば、国民の健康と生命に取り返しのつかない事態を生じさせることになります。そうなった場合、とても総選挙で国民の支持を受けることはできないということを指摘したいと思います。

◆減税シンポジウムを開催
 さて、31日には、国会内で私と山本太郎さんらが、消費税減税の必要性と可能性について討論を行うシンポジウムを開催します。今まで1年半にわたって開催してきた消費税減税研究会の成果である「とりまとめ」も同時に発表いたします。インターネット上でも生放送致しますので、お時間ご都合がつくようでしたら、ぜひ下記のサイトにアクセスして頂き、ご視聴頂けるよう、お願い致します(現在はアーカイブ視聴可能)。
 2021/05/31(月) 15:00開始
【馬淵澄夫・山本太郎登壇】消費税減税研究会シンポジウム
https://live.nicovideo.jp/watch/lv331913168

 

スタッフ日記 「大衆食堂」

 街角にある大衆食堂。個人の民家を飲食店として営んでいる食事処。先日、久しぶりにいつもお世話になっている方のお店で昼食をとりました。私にとっては懐かしのウチゴハン的な食事です。

 小学生の頃から商売をしていた我が家では繁忙期には昼食の用意も出来ないくらい商品の製造に追われました。そんな時、母から「忙しいから○○食堂で好きなもの食べといて」と言われると嬉しくてたまりませんでした。店内の金網でできた箱の中には、卵焼き、焼き魚、煮物やなんか10種類以上のおかずが並べてあり、私にとっては最高に贅沢なお昼ご飯でした。

 昼食後店主の方から「今の人は我慢でけへん人が多いなぁ、あちこち出歩かんと用事済んだらまっすぐ家に帰ったらコロナも減ると思うねんけど」確かにそうかもしれません。新聞の記事には職場感染の原因が仕事終わりに職場内で社員と飲食し、後にカラオケにも行き感染が広がったとありました。用事が終われば家に帰る、以前は私も仕事終わりに時折友人たちと宴席を楽しみましたが今では仕事が終われば直帰しウチゴハンです。最近では夕食当番が楽しくささやかな幸せを感じながら夕食を作っています。

「兄ちゃんはおばちゃんが二十歳くらいの時の生活できるか?用事がすんだら家に帰って晩御飯を食べる、それが普通やってんで。昼ご飯も家で食べに帰る人もいたで、今はホンマに外でご飯食べる人が増えたなぁ、もう少しだけ辛抱したらええのに」

 未だにコロナから解放されない状況ですが、もう少し辛抱して以前の日常生活に戻れればと思ったランチタイムでした。(よっちゃん)

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