第917号 第201通常国会始まる

2020年1月25日 (土) ─

 20日、第201通常国会が開会しました。昨年末以来、開会冒頭での衆院解散もささやかれていましたが、IR収賄や選挙買収疑惑など、相次ぐ不祥事による安倍政権の混乱で、解散総選挙は当面遠のいたと見て良いと思います。

◆開会初日に感じたこと
 開会初日の20日は、朝から予算委員の打合せでスタートしました。各委員が質疑のテーマを持ち寄りましたが、その多彩さにあらためて今の政権が抱える問題の多さを認識しました。共同会派となることで、野党各予算委員の意思の疎通と情報の共有が図れており、各自の得意分野の調整などで、戦略的に予算委員会を戦える態勢を作れていると思います。

 本会議前の野党共同会派代議士会では、交通事故からの「復帰」のご挨拶をさせて頂き、同僚の皆さまからは温かい声を頂きました。そして、開会式で、通常国会としては初めてとなる今上天皇陛下のご来臨を賜った後、午後からは、安倍総理、麻生財務大臣らの政府4演説が行われました。

 安倍総理の施政方針演説は、このところ目に余るものがある政権の緩みには一切触れず、内省も謙虚さも全く感じさせない、自画自賛一辺倒の内容に終始しました。例えば、今年度の税収見込みが予算編成当初よりも2兆円以上の落ち込みを見せ、消費の悪化が顕著にもかかわらず、経済政策の成功を誇り、閣議決定で経済は内需を中心に緩やかに回復していると言い張る姿勢には、もはや呆れすら感じます。

◆予算委員会弾込めへ
 与野党の代表質問を皮切りに、来週からは補正予算審議が始まります。そして、その後、本予算審議となって、2月いっぱいの論戦が予算委員会で繰り広げられることになります。

 弾込めと呼ばれる、予算審議のネタ作りは、昼夜を徹してやってもおぼつかないほどの情報量を必要とされるので、委員達は大変な作業となります。私も、2ヶ月間入院していて、まだ、リハビリ段階でもあり、どうにか社会復帰できたものの、与野党攻防の最前線での戦いで、まだまだ獅子奮迅と言うにはほど遠いかも知れません。

 しかし、事故で九死に一生を得て再び命を頂き、国会議員として活動させて頂くことになった今、そうも言ってはおられません。景気、税制といった国民の生活に密着した課題を中心に、「公平の実現」をテーマにして、ひたすら頭を高速回転させて論戦に挑んで参ります。

◆本格的な「仕事始め」
 一方、協議が続いてきた野党合流の話し合いですが、20日の国民民主党両院議員総会では、立憲民主党の求める合流の結論は導き出せなかった模様です。今後すぐの野党合流は、困難な状況となったのかも知れませんが、私としては、諦めずに、野党一丸となるための再編の下支えに汗をかく所存です。

 仮に野党が一つの党にならなかったとしても、会派を通じた共同活動、選挙での候補一本化、政策の旗を掲げての連立政権構想の提示と、今国会で与党と対峙するために、やらなければならないことは山ほどあります。政策・政局、いよいよ、本格的に今年の「仕事」に入ります。

 

スタッフ日記 「大寒」
 一年で最も寒いとされる大寒。二四節気の一つで、今年は1月20日がそれにあたりました。

 今年は暖冬といわれ、奈良市でも未だ初雪が観測されず、これまで最も遅い2016年1月19日の記録を更新中とのこと。また、1月の平均気温も平年3.9度に対し今年は6.4度と高くなっています。すでに梅の開花の便りも聞かれます。スキー場の雪不足、氷が張らず氷上でのワカサギ釣りが中止となるなど、レジャーやポーツにも大きな影響が出ています。

 冬物商品の販売不振や、季節野菜の収穫時期の前倒し、越冬のため南下する渡り鳥の減少など生態系にも影響を与えています。

 偏西風が北に偏っている事が影響しているとのことですが、オーストラリアの森林火災や、フィリピンのタール火山の噴火の影響も伝えられています。

 私自身、熱心な環境活動家ではありませんが、毎年スイスで開催されるダボス会議では、自国第一主義を掲げアメリカ経済は歴史上なかったほど活況だと、世界の首脳や企業経営者に米国を規範にしてほしいと述べたトランプ大統領と、一方で、アメリカのパリ協定からの離脱や各国の環境問題への取り組みに対し批判を訴えたグレタ・トゥンベリさん。両者のかみ合うことのない発言を聞いていると、今一度ここで立ち止まり自分自身何ができるのか考えてみる良い機会かな、と感じました。

 いずれにせよ、冬は寒く夏は暑い、季節の商品が売れ、季節の食材が美味しくいただける、ウィンタースポーツが楽しめる、このことが経済の好循環につながると思います、
 
 雪合戦の大会がテニスボールではなく白い雪で開催されますように。(スギ)

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