第916号 「公平の実現」に挑む

2020年1月18日 (土) ─

 通常国会は20日に開会します。現時点で、野党間の合流は決まっておらず、私は先の国会に引き続き、野党共同会派の一員として、政党としては無所属で活動致します。

◆公平性が失われた政治
 私は、共同会派で引き続き予算委員会委員を拝命し、安倍総理と直接対峙することとなりました。議論すべき政策テーマは多岐にわたりますが、この国会で私が活動のテーマとしたいのが「公平の実現」です。

 近年、特に政治の公平性が疑われる事態が相次いでいます。安倍総理や与党議員が、個人的な支援者を優遇して招待していたのではないかと疑われている「桜を見る会」疑惑は、不公平な身内優遇が疑われる森友・加計問題と本質は同じです。また、IR(統合型リゾート)推進に絡む収賄容疑での現職国会議員の逮捕や、これも現職の国会議員による国政選挙での選挙運動員買収疑惑など、何より公平が求められる「公」の活動において、不正が疑われる事件が続発しています。

 公平な政治を阻害する構造的な問題が、今の政府与党にあることは明白です。事実を一つずつ明らかにすることで、不公平を生みだす構造に斬り込んでいきます。

◆今の税負担は公平か?
 私たちの普段の生活でも、不公平を感じることが増えています。税制はその典型です。例えば、全員が税率を一律に負担する消費税は、一見には「公平」な税のように見えます。しかし、消費税増税が繰り返される一方で、法人税は引き下げられ、所得税の累進性も緩和されてきました。その結果、庶民、特に収入の低い方が日々の生活において税負担に苦しむ反面、巨額の利益を上げ続ける国際的な大企業が、租税特別措置によって納税を免れ内部留保金を積み上げるなど、富裕層がより富める状況が生じています。さらに、こうした企業や個人が、税逃れのために脱法的に海外に資産を移すことも平然と行われてきました。

 税の公平性の一つには、負担する能力に応じて適切な課税がなされる応能負担という考え方があります。格差が拡大する社会において税の再分配機能を十分に発揮させることが必要であり、税を負担する力がある企業や個人が納税を免れ、庶民がそのしわ寄せを受けるような制度は、あらためなければなりません。

◆公平の実現は政治の責務
 その他にも、世代によって大きく支給水準が異なる年金や、正規と非正規によって待遇に大きな差異が生じる労働市場など、社会には不公平があふれています。

 長期にわたって政治がダイナミズムを欠き、経済が低迷してきたこともあって、国民の間にはこうした不公平の是正の実現に、どこか無関心であったり、諦めのような雰囲気があるのを感じます。私は、そうした無関心や諦めこそが、不公平が生み出され続ける原因だと考えます。政治家が公平の実現に向けた具体的な政策を国民に提示し、国民に関心と期待を持って頂くことが必要です。

 私も、安倍総理との予算委員会での質疑で、社会における公平とは何か、公平をどう実現させるのかについて議論を挑んでいきたいと思います。

 

スタッフ日記 「2020世界へ発信」

 東京2020オリンピックパラリンピック開幕まで、あと180日余となり、メディアでは注目選手の特集が始まっています。

 世界中から、1万5000人ものトップアスリートが集結する東京オリンピックは、7月24日から17日間、パラリンピックは8月25日から13日間、全国各地43会場にて熱い熱戦が繰り広げられます。大会運営にあたるボランティアの数は11万人以上、さらに、オリンピック効果による訪日外国人観光客の予想は4000万人と、まさに全世界から日本が注目される1ヶ月となることでしょう。

 開催に先立ち、全国各地を聖火ランナーが駆け巡るのですが、奈良県には4月12日、13日の2日間にわたって、特に、2日目の最終日には東大寺大仏殿前をセレブレーション会場として、日が暮れる6時過ぎから聖火ランナーを迎える各種イベントも企画され、悠久の歴史文化遺産とスポーツの祭典との幻想的な空間を楽しむことができます。聖火ルートも県南部の十津川村から奈良市までの県内全域を予定しており、HP等で日程を調べる事ができます。

 また、奈良市はサッカーオーストラリア代表をホストタウンとして迎えるなど、奈良の伝統・文化を外国人選手に感じてもらい、世界へと発信する大きな機会でもあります。

 奈良県ゆかりの出場選手として、天理大学出身でリオ五輪柔道金メダリストの大野将平選手をはじめ、橿原市出身でリオ五輪バドミントンダブルス金メダルの高橋礼華選手など、東京で開催するのだから奈良は関係ない、と思っていた私ですが、この機会に少しだけ身近にオリンピックを感じながら、楽しんでみたいと思います。(特命係長)

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