第884号 女性を議会に!

2019年5月18日 (土) ─

 今夏の参院選奈良選挙区では、野党候補として、女性の西田一美さんが立候補を表明されています。今回は、女性の政治参加について考えます。

◆少なすぎる女性議員
 平成の30年間は、社会の多くの分野で女性の参加と活躍が進んだ時代だったと思います。しかし、国民の代弁者である国会議員に占める女性の割合は、衆議院が1割、参議院が2割と、依然として非常に低く、衆院にあたる議会で国際比較した場合193か国中165位、先進国の中では断トツの最下位です。また、地方議会に至っては、女性議員がゼロの議会が全体の2割近くに上っています。

 男性にへだたった多様性の無い議員構成により、女性の声が適切に議会に反映されず、結果として、男性中心の視点から見た旧来の制度が温存されて、新しい社会に政治が対応しきれていない現状があると思います。

◆女性候補義務付けが必要
 こうした現状に対し、昨年、女性議員の数を増やすために、「男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指す」ことを内容とする、「候補者男女均等法」が成立しました。しかし、この法はあくまで政党に対する努力を求めるに過ぎず、特定の女性候補割合を義務付けるものではありません。特に、何代にもわたって世襲を重ねる議員が多い自民党のような政党では、新人の女性候補を一定の割合で擁立することはなかなか難しいのが実情です。

 そこで、野党としては思い切って、各党の内規や努力目標にとどまらずに、例えば当面は3割以上など、一定の割合を区切って女性候補の擁立を政党に義務付ける法案を提示して、その是非を国政選挙の争点とすべきだと思います。そのような制度はヨーロッパをはじめ世界ではむしろスタンダードです。多数派を占める男性現職議員にとっては身を切る改革ですが、女性の政治参加に真剣に取り組む決意を示すために、大胆な改革案を今こそ打ち出すべきです。

◆国民の意識改革も重要
 女性の政治参加には、国民の意識変化も必要です。女性の社会進出の妨げとなってきたセクハラ、パワハラなどあらゆるハラスメントを根絶しなければなりません。

 そして、女性の活躍をバックアップする仕組みに加えて、家庭で男女の役割を分担する意識改革が必要です。内閣府の調査では、夫婦の家事・育児の負担比率でもっとも多いのが夫1割・妻9割で、全体の31.6%、妻10割が9.6%で、夫・妻がそれぞれ5割を担う率は5.3%に過ぎません。

 女性は社会で活躍すべきだが、一方で、家庭では家事、育児、介護などを従来通り女性が担うべきという意識のままでは、女性の負担が大きく、社会参加はなかなか進まないと思います。

 政治の世界でも、志があっても、家庭の事情から立候補を断念する女性は後を絶ちません。男性の育児休暇の取得の推進や、家事の時間の確保のための定時就業の徹底化などで、男性も家事・育児を等しく担う意識を育てていくことが、長い目で女性議員の増加につながっていくと思います。         

 

スタッフ日記「自転車に乗って」

 小回りの利く自転車は、道が狭く、駐車場も少ない都会では非常に便利な移動手段です。車社会の地方とは違って、東京では買い物など、ちょっと外出する時にも自転車をよく使います。

 その自転車の天敵は「坂」です。平坦な平野のイメージがある東京都区内ですが、地形的には武蔵野台地を川が削って出来た「谷」が多く、それは「世田谷区」、「渋谷区」、「四谷」などの地名にも表れています。谷があれば坂があり、つまり東京都区内の、特に南西のあたりは坂の街が多いのです。

 ところで、都市部では自転車に乗った選挙運動も盛んです。この間、選挙の応援で訪れた渋谷区では、一日中自転車で区内をくまなく回らせていただきましたが、渋谷はその名の通り「谷」となっており、およそ普段乗っている自転車では攻略不可能な坂が次々と立ちはだかりました。

 しかし、そこは文明の利器である電動アシスト自転車で対応。パワーMAXモードにして次々と急坂を乗り越えていきました。ところが、あまりの快適さにそのままパワーMAXモードで悠々と走り続けた結果、事務所とは遥か離れた地点で電池切れに。車のように給油で復活というわけにもいかず、結局重い自転車を手押しで坂を上りつつ、事務所に帰ることになりました。

 一日何時間も自転車に乗る人は少ないと思いますが、電気自動車の充電スタンドのように、電動自転車専用の気軽な充電ボックスのようなものが普及すれば、電動自転車の利便性にも大きく繋がるのになぁ、と思った春の一日でした。(アタリ)

第884号 女性を議会に!