第509号 迫りくるギリシャ危機
ギリシャの金融危機(デフォルト)がいよいよ現実味を帯びてきました。今回の危機自体は、ユーロ圏固有の問題が根底にあるのではないかと思っています。
◆EUの現状
通貨統合をした結果、EU諸国は、財政政策(「税金をどう集めて、どう使うか」)は各国固有、金融政策(「市場のお金をどう流通させるか」)は各国共通となって、自分の国に見合った経済政策が打てずにいます。そのジレンマの中で景気回復が不十分なまま財政赤字が累積して、南欧諸国(ギリシャ、ポルトガル、スペインなど)の国債金利が上昇しています。
国債の金利が上がるということは、それだけその国債の信用度が低いということになります。ギリシャの10年物国債の金利は現在20%を越えています。日本の国債の金利は約1%ですから、つまりそれだけの「おまけ」をつけなければギリシャの国債には「買い手」がつかないという状況になっているのです。
ヨーロッパでは先日、EU財務大臣会合が開かれて、アメリカのガイトナー財務長官も出席しました。しかし、そこでのガイトナーの提案は否定をされ、結局会合では7月に合意された第二次ギリシャ支援を繰り返すのみで、ECB(欧州中央銀行)のトリシェ総裁も具体案に踏み込むことはありませんでした。欧州の銀行間市場では1年未満の短期資金のやりとりが止まっているという報道もなされていて、かなり危ない状況です。
◆ギリシャ・EUだけではない
このままの状況が続くと、ギリシャ破綻が他の南欧諸国に飛び火し、これらの諸国の金融機関と、南欧諸国の国債を保有しているドイツ・フランス・イタリアの大手金融機関の経営危機が表面化するでしょう。
アメリカの民間会社が発行している債券の6割を保有しているのはヨーロッパの金融機関なので、「ギリシャ破綻→独仏伊大手金融機関経営危機→米国の民間債権の投売り」という連鎖が起きるとアメリカにもダメージが及びます。これは当然ながらアメリカの経済の低迷を招きます。
これはほんの一例で、その他にもヨーロッパとアメリカの金融機関は密接に繋がっているので、ギリシャのデフォルトが明らかになれば、ヨーロッパのみならず、アメリカの金融危機にも繋がる可能性が高いといわざるを得ません。
これを解消するには
②一時的にEUからギリシャを離脱させて債権処理を進め、債務不安を解消させる
②ECBおよび、ドイツ・フランス・IMF(国際通貨基金)が更なる財政支援を行うことを表明する
という策しかありません。
市場は口先だけで何もしない現状に失望しています。これを打開するような大胆な策を打たないと厳しい状況です。
さらに、日本への影響も懸念されるところです。例えば、倒産したリーマン・ブラザーズ証券の欧州部門を買い取った野村證券の株価は下落しています。欧米ほどは大きくないでしょうが、株価下落、円高など、欧米経済の低迷の影響が日本経済にも大きな影響を与えると考えるべきです。
このままだと「復興増税・消費税増税による景気の悪化は、同時期に生じた世界金融危機が原因」という話になりかねません。引き続き注意していかなければなりません。 (了)
スタッフ日記「秋の運動会」
明日は保育園に通っている息子の初めての運動会です。予報では秋晴れだし、初体験の運動会が良い思い出になってくれればと願うばかりです。
幼い時、運動会の前日はわくわくする思いと、かけっこ勝てるかな~という不安からなかなか眠れなかったことを思い出します。
私の生まれた小さな町では、学校の運動会は地域あげてのお祭りのようでした。早朝から花火が打ち上げられ、屋台の出店がでたり、鳩や風船を空に飛ばしたりと、それは盛大に行っていました。
そんな中で競技を行う私たちはプレッシャーで胃が痛くなるほど緊張しまくりでした。家族の応援にも熱が入り、私のおばあちゃんはグランドまで飛び出しての大声援で、いつも「恥ずかしいな~」と思っていました。お弁当は毎年海苔巻きと決まっていて、それが運動会の楽しみでもありました。
本人より家族の方が気合が入るといえば、馬淵家の運動会も大変な行事みたいです。とにかく、代議士がいつも本気モードだからです。親子競技も力いっぱい本気でやっちゃうし、かけっこの後も子どもたちの席まで跳んで行っては「なんでもっと本気で走らんかったんだ!」と気合を入れに来るので、先生に「お父さん、なにもそこまで…」といつも言われてしまうそうです。お父さんが運動会に来る!となると、馬淵家の子どもたちはみんなブルーになってしまうとか。
でも代議士の気持ちもちょっと分かる。自分の子どもには何事にも一生懸命取り組んで欲しいと親は思うものです。私も明日は気合を入れて一生懸命息子の応援をしようと思います! (チョロ)