第503号 逃げずに立ち向かう

2011年8月27日 (土) ─

 3・11で日本は決定的に変容してしまいました。津波で全てを洗い流された東北の農山漁村の光景、原子力災害で行き場を失わざるを得なかった福島の住民の皆さんの姿をみて、明治維新以来幾多の困難を乗り越えて積み重ねてきた近現代の歩みを見つめ直さなければならない、と感じた方も多いと思います。あの大震災のとき、6人の子供を持つ親として、両親と妻の母親と暮らす大家族の一員として、人と人との繋がりこそ、これからの日本の復興・発展のための基礎となる不変の価値観、拠り所なのだと再認識いたしました。

 今、国民一人ひとりが復興に立ち上がろうとしています。政治家は前例や既成概念を超えて、全責任を背負う覚悟で仕事をしなければなりません。それこそがあの2年前の暑い夏、私達が訴えてきた「政治主導」の政権運営です。残念ながら今の私達の政権運営は、政権交代の原点からかけ離れてすぎてしまいました。

 私達は結党以来、天下り、無駄遣い、耐震偽装や道路整備の問題等、政治や行政の無責任体制を地道に調査し、質し、長きにわたる政権支配で腐敗したこの国の権力構造を変えることを訴え、支持されてきました。そして、国民の皆さんにマニフェストを提示し、実現を約束して参りました。これまでマニフェストを実現できなかったのは、マニフェストが正しくなかったからではなく、それを実行する為の運営体制を旧政権下から大きく変えられなかったからです。「政治を国民の手に取り戻す」為には、この2年間の反省を踏まえ、民主党らしい「政権運営の型」を作り、規律・規範に基づく、国民生活の為の政治行政を実現しなければならないのです。 国難の時にあたり、400余名の私達民主党議員は、傍観者であってはなりません。今もがれきが残る中、避難所生活をされている被災者の皆さん、放射能の影響に怯えながら生活する福島県の皆さんの現状に私達の負う大きな責任を自覚し、党利党略との決別に向けた政治の刷新、民主党政権の出直しの為、全党一丸となって立ち上がるのが私達に課せられた使命ではないでしょうか。

 私は30代前半で上場企業役員となりました。企業経営の世界では、派閥の権力争いや経営者のパフォーマンスばかりが続けば、士気も業績も上がりません。リーダーたる経営者の最大の使命は高い意識で困難な仕事に率先して取り組み、かつ社員が失敗を恐れずに全力で仕事に取り組める環境を作ることです。私は民主党に足りないのはこうした「経営」実践であり、私がビジネスの世界で身に着けた経験と力が、混沌とした政治状況を収めるのに役立つのではないかと思っています。確かに当選回数は少なく、永田町の常識からは異色ですが、私は「新しい次代のリーダー」となるべく社会経験を積んできたつもりです。
私は、これまでの代表経験者と違い民主党以外の政党に所属したこともなく、民主党の国会議員として政治活動をして参りました。そんな私が、諸先輩方の経験やご見識を最大限に生かし、党内をひとつにまとめて、民主党をそして日本の政治を立て直す先頭に立っていきたいと考えています。

 私は、絶対に逃げない。私は絶対にぶれない。これが民主党再生の最後のチャンスと思って、この戦後最大の国難に立ち向かうために、すべてを賭けて戦ってまいります。   (了)
 
 

スタッフ日記「民主党代表選挙」
 8月25日現在、私は東京に来ておりまして、間近に迫った民主党代表選挙を目の当たりにしております。

 日々テレビや新聞で報道されている情報を見ておりますと、各候補者の主な動向は繰り返し流れていますが、具体的にどんなことをしているのかよく分かりません。そんな中、代議士はどのような活動をしているのかと言いますと、たとえ代表選挙であっても議員の先生方お一人おひとりに面談のお願いをし、自らの想いと政権政策のお話をしっかりと伝える、というスタイルを続けています。グループなどの数の力に頼らず、分け隔てなく一人ひとりと丁寧にコミュニケーションをとるというやり方で代表選挙を戦った方は、もしかすると過去におられないのではないでしょうか。まさに馬淵らしさを代表選挙でも貫いております。

 また、実際に東京に来て代表選挙というものを体感して、改めて感謝しなければならないと感じているのが、本当にたくさんの方々が、本気で、熱い気持ちで代議士を支え、協力し東奔西走されているということです。議員の先生方はもちろん、その他にも色々な方々が一緒に考え、汗をかいてくださっています。 

 今回は党員・サポーター投票がないため、私自身直接の力にはなれませんが、たとえ永田町の非常識であろうが、逃げず、ぶれず全力で立ち向かう代議士の挑戦をしっかりとサポートしたいと思います。
皆様がこのまぶちNEWSをお読みになるときには、既に新しい内閣総理大臣が決まっていると思いますが、最後の最後まで、日本の復興・発展のため突き進んでまいります。(お松)

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